たまにはこちらでSS
2017年09月14日 (木) 06:45
おはようございます!いつもお世話になっています歌月です。

ツイッターやブログでちらっと言っていたSSですが、
今回は活動報告に掲載することにしました。
ブログかツイッターかと思いましたが気分でこちらに。
あまり活動報告使ってなかったので…

妹ばかり~で美智視点。
美智が知っている匠と六条院内での女子達のイメージが違うという話です。

では、また('ω')ノ





「あら?」
放課後、友人達とサロンにてお茶をしていたら周りが騒がしくなったので顔を上げれば、みんな入口付近へと視線を向けていた。

何かあったのだろうか? と、私もティーカップをソーサーに戻し顔を向ければ、そこには臣様達と楽しそうに話をしているお兄様の姿が。
お兄様達は普段サロンを使用することはほとんどない。年に一、二回程度くらいなのでかなり珍しい光景だ。なので、私も周りと同じように驚きの声を上げてしまう。

「五王様だわ!」
「生徒会の皆様と隼斗様もいらっしゃるなんて!」
お兄様と臣様達は女子生徒からの人気が高いらしく、いつも現れると熱い視線に包まれている。
サロンにいる女子生徒達から湧き上がる黄色い声をBGMにし、お兄様が私達の元へとやってきた。

「美智。お前も来ていたのか」
「こんにちは、美智ちゃん」
「こんにちは。お兄様達がサロンとは珍しいですわね。どうなさったのですか?」
「臣にたまにはサロンに行こうと誘われてな」
お兄様がそう言って臣様に顔を向ければ臣様が柔らかく微笑んだ。

「匠の進展を知りたかったんです。それから、尊の方もね」
「進展?」と私の友人達が首を傾げているけど、私と棗は朱音さんの事だとすぐに察することができた。

――あら? ということは、尊様も好きな方がいらっしゃるということですわね。男同士で恋のお話でもするのかしら。

私も是非混ぜて欲しいわと思いつつ、邪魔しては悪いので「じゃあ」と軽く手を振り立ち去る臣様達を見送った。女子生徒達は頬を染めながらうっとりとその背を見詰めている。それは、私の友人達も同様に。

「匠様カッコイイですわね。年上の包容力といいますか、安心感がありますわ!」
「包容力……」
「いつも余裕を感じられますし。お付き合いされる方を優しくエスコートする姿が目に浮かびますわ」
「余裕……」
友人達のはしゃいだ台詞に私は考え込んでしまう。

私はお兄様が朱音さんといる時の様子をわかっているので、現実を知っているためなかなか友人達の想像と結び付かず。
どちらかと言えば真逆のような気がすると、数日前に朱音さん達と行ったカラオケのことを思い出していた。

カラオケに行ったことがなかった私は、お兄様と朱音さんを誘って向かったんだけど、国枝は「朱音様が歌いにくいと思うので。何かあれば読んで下さい」と隣の部屋を借りたので三人で歌うことに。
初めてのカラオケの上、朱音さんが歌っているのも初めて聞くので二重に楽しみにしていたのに、お兄様雰のせいで全て吹っ飛んでしまうことになった。

朱音さんがマイクを握り締め、視線で歌詞を追いながら歌っていたのはドラマの主題歌。
今中高生に人気のアーティストが歌うラブソングで、大好きな彼への想いが綴られている等身大の歌詞が特徴だ。

朱音さんが緊張しながら照れて歌っているのが可愛らしいけど、隣にいるお兄様が気になるせいでそっちに意識を奪われてしまっている。
どうしても気になってしまったのだ。お兄様が朱音さんを見て顔を真っ赤にさせているのを。

――朱音さんはただ歌っているだけなのですが。作詞も朱音さんがしたわけではありませんのよ?

朱音さんが歌うラブソングはお兄様の胸を打ち抜きまくり。お兄様が途中に両手で顔を覆ってしまうくらいに。
どうやら朱音さんが歌っているラブソングに照れているようだ。
そんな朱音さんへの想いがダダ漏れなお兄様だけれども、朱音さんは歌詞を間違えないようにと文字を追うのに一生懸命で気づかない。
なんていうすれ違い。

――見た目チャラいのに、中身純情なんですのよね。お兄様って。

カラオケでの出来事を思い返しながら、私がぼんやりと考えていると「美智?」
という棗の声により現実の世界へと戻される。
さっと広がる視界には、不安そうな友人達の姿が。

「美智様。もしかして体調でも……?」
「ごめんなさい。少しぼうっとしてしまっただけですわ」
そう告げると少し離れた席に座っているお兄様達の方へと顔を向ければ、頬を少し染めながら身振り手振りで楽しそうに話をしているお兄様の姿を目にする。

お兄様の恋を応援しているけど、ちょっと寂しいなぁって時々思う。私も朱音さんの事が大好きなので、お兄様に取られてしまうんじゃないかって。

――先のことを考えても仕方ないですわよね。今を楽しまなければ!

さっそく後で朱音さんをお買い物に誘おうと決めた。







コメント全4件
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歌月碧威
2018年11月01日 23:04
>>ゆき様

誤字報告ありがとうございます!
該当箇所を直させて頂きました(*´▽`*)
誤字報告助かりました。

では、お知らせ下さりありがとうございました!
ゆき
2018年10月27日 00:51
真夜中にすみませんm(__)m
87ページの「浦波」さんの漢字が「裏は」となっている箇所があるのですが、間違いじゃないですか?
歌月碧威
2017年09月29日 20:05
>>明様

私もどっちもだと思います(*‘∀‘)
美智は朱音のことが好きだけど兄も応援中。
でも、朱音が取られるのが寂しいみたいな感じです。
確かに匠よりも近そうです。

では、コメントありがとうございました!

2017年09月23日 18:45
美智さんは、外堀を埋めているのか、匠と張り合っているだけなのか…。たぶん両方だと思いますが、確実に距離は、匠より近いですね!(笑)