新年のご挨拶と妹ばかりのSSupとブログに関して
2020年01月04日 (土) 20:15
遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。
昨年は色々お世話になりました。
今年もよろしくお願いします。
楽しんでいただけるお話を執筆出来るように精進していきたいです。
あと速筆になりたい…
テンション上げるために、今年はパンダの手帳を買いました。


時々SSなどを掲載していたブログを1月末くらいに閉鎖する予定です。
理由としてはここ数年更新がまめに出来なかったからです。
これからは活動報告とTwitterを利用していければなぁと思っていますので、
よろしくお願いします!


お正月ということで、SSをupします(*^_^*)
妹ばかり~のシロ視点のお話です。







お正月SS(シロ視点)


お正月ということなので、今日は朱音ちゃんとご主人様と初詣にやって来た。
ペット可の神社だから、僕もお参りが出来る!
なので、周りには僕の他にも家族の人達に連れて来て貰っている犬達の姿が……

お正月なので着物姿の子もちらほらいるみたい。

僕も犬用の着物を着ている。袴ってやつ。
朱音ちゃんが「シロちゃん、凛々しい! かっこいい!」ってすごく褒めてくれたんだー。
なんかその時、ご主人様が羨ましそうにこっちを見ていたけど。

お参りにミケおばあちゃんも誘ったんだけど、「ストーブの前から動くと思うか?」と言われた。
ミケおばあちゃん、寒いの苦手だもんね。

「三が日過ぎに参拝して正解だったなぁ。混雑のピークを越えているから、シロもお参りができる」
「うん。そうだね」
ご主人様の隣で、朱音ちゃんが頷きほほ笑んだ。

「今年はシロちゃんと一緒にお参りができて嬉しいよ。お参りが終わったら、他のみんなのように写真を撮ろうね」
朱音ちゃんが屈みこんで僕のことを撫でてくれる。
朱音ちゃんの手ってすごく優しいよね。
僕、すごく好きだよ。

「朱音、シロ。早速お参りしようか?」
「うん。行こう。シロちゃん」
リードを持っている朱音ちゃんに声を掛けられ、僕は足を進めた。

みんなでお参りを済ませて他の人達と同様に境内で写真を撮っていると、「ロロン!?」という叫び声と共に『こら! 勝手に走らないで!』という聞き覚えのある僕の友達の声と匂いが近づいてくる。

――あれ? この声と匂いって。もしかして、ノノちゃんが来ているのかな?


「なんだ?」
「佐伯さん?」
「わふっ?」
僕とご主人様達はほぼ同時に声の方向へと振り返る。
すると、ご主人様の友達の尊君が一匹のシベリアンハスキーからリードを引っ張られている姿が見えた。
尊君はもう一匹のゴールデンレトリバーのノノちゃんのリードを持っているけど、ノノちゃんはハスキーが自由に走っているのをなんとか止めようと声をかけている。

え、誰?

ハスキーは「お姉ちゃん!」と吠えながら、しっぽを振って朱音ちゃんのところに向かっている。
やがてこっちに来ると飛び跳ねるように朱音ちゃんにジャンプした。

本当に誰?

「もしかして、ロロン……?」
朱音ちゃんが首を傾げながら言えば、元気に吠えだす。

朱音ちゃんの知り合いなの?

「ごめん! 露木さん、匠! 本当にごめん。ロロンが正月早々迷惑かけてしまって。露木さんを見ていきなり興奮し出して駆け出しちゃって……」
尊君が頭を下げれば、ノノちゃんも「うちの弟がごめんね」と僕に言う。

「全然大丈夫ですよ。あけましておめでとうございます、佐伯さん」
「尊、あけましておめでとう」
「おめでとう、二人とも」
尊君が笑顔で言えば、朱音ちゃん達もほほ笑む。
朱音ちゃんは「大きくなったね」と言いながら、ハスキーを撫でている。

『シロ、久しぶり』
『ノノちゃん、久しぶり。半年前にドッグランで会ったぶりだよねー。この子誰? 弟って言っていたけど』
『あれ? まだ会ったことなかったっけ? ロロンだよ。二年半くらい前にうちに来たんだよ。私の弟だね』
『犬種違うよ』
『そりゃあね。弟みたいっていう意味。やんちゃで元気なんだ。シロも来ていたんだね、お参り。私達は毎年来ているよ』
『うん。初めてお正月に来たんだー』
ご主人様達が世間話をしている間、僕もノノちゃんと世間話中。
友達と会えるのは楽しいよね。

「佐伯さん、ロロン大きくなりましたね。前に会ったときは子犬だったのに」
「露木さんが会ったのは、高校二年の学園祭の時だよね。結構時間経っているもんなぁ。重くて今はだっこできないよ」
「前は可愛い系だったのに、今は凛々しいね」
え、待って朱音ちゃん! 僕のこと凛々しいって言ってくれたじゃん!
着物もすごく似合うって……
しかも、朱音ちゃん、さっきからロロンばっかり構っているし。
僕もいるよー。

ちょっと焼きもちをやいていると、ノノちゃんに慰められた。

『あちらのお嬢さんとロロンは久しぶりのようですから仕方ないですよ』
『確かにそうだけどさぁ……』
でも、焼きもちやくよー。
朱音ちゃんとられちゃって寂しいよーとご主人様に近づけば、「朱音とられてすねているのか?」と喉で笑うとかがみ込んで撫でてくれた。

「佐伯さんに似てイケメンだね。ロロンは」
「「え」」
朱音ちゃんの発言にご主人様達が声を上げる。

――え? なに? どうしたの?

「い、今のえ? は、尊がイケメンじゃないとかじゃないよ! 確かに尊はかっこいい。あ、朱音は尊のようなタイプが好きなのか!? ふ、普段イケメンとかあまり言わないから」
「俺っ!? 違うと思うよ。匠の方がイケメンだし! ねぇ、露木さん!?」
若干パニックになっている二人に対して、僕は首を傾げる。

なんでご主人様達は慌てているのだろうか?

『匠はこちらのお嬢さんのことが好きなんですね』
『僕も好きー。でも、なんでご主人様は慌てているの?』
『尊がイケメンって言われたからですよ。お嬢さんにイケメンって言われたいんです。好きだから。お嬢さんは、あまり言わないタイプなんじゃないかな』
イケメンってかっこいいって意味だよね?
ご主人様かっこいいよ。
僕だけじゃなくてみんな思っている。
ミケおばあちゃんや夜乃おばあちゃんも時々言っているし。

「俺も言われたい……朱音にイケメンと……」
『大丈夫だよ。ご主人様も十分へたれイケメンだから!』
肩を落としているご主人様に向かって吠えれば、
『シロー!! それ褒めてない! 前半不要!』
というノノちゃんの声が届く。

『そうなの? でも、イケメンって付いているよ。ミケおばあちゃんと夜乃おばあちゃんがへたれイケメンって言っていたもん』
『匠、へたれなのか……大丈夫だ。匠は優しいし頼りになるから』
「え、何? シロとノノがなんか俺に向かって鳴いているんだけど、なんだろ? もしかして励ましてくれている? なんかよくわからないけど、ありがとう」
ご主人様は微笑むと、僕とノノちゃんを交互に撫でた。

大丈夫。僕にとっては世界で一番のイケメンだよ。


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