2015年01月05日 (月) 02:13
どうも、僕です。
突然大量に投稿されて「なんだこのジジィ!(驚愕)」ってなっている画面の前の読者先輩諸氏のために、ちょっと簡単に自作解題的なことをやろうかなって感じです。自作解題っていうか、まあ要するにこれ、今までコツコツ書いてた奴の一斉公開なので、その辺の補足説明をしようかなっていう意図もあります。
要するに、阿武都龍一改め空箱零士は、更新停止してた間なにもしてこなかったわけじゃないっすよってことです。えっと、『ガリ勉』を含めると2008~2014の間の活動ってことになるでしょうか。
SSバトル企画(『ジンクス』『愚者とウサ耳』)以降の僕は何をやってたかというと、まあそこの集まりとは別のところで短編とか書いてました。まあ、最終的には喧嘩別れ、みたいになっちゃったんですけど、どちらかと言えば僕の方がついていけなくなって蒸発した、みたいな感じですね。ここらへんは敢えて詳しく語りません。で、僕は別のサークルに拠点を移して、そこで活動をしたってことですね。本当に、色々ありました。
で、今回まとめて投稿したのは、主にそのサークルの冊子の掲載作品+αですね。αはぶっちゃけ文学フリマなんですが。
で、投稿するのはいいんですが、「いきなりこんな大量に出されてもどれを読めばいいか分からねえよお!」となる方も多めにいると思うんですね。
で、「じゃあこれなんかどうでしょ?」みたいなことをおすすめするための、そんな入門書みたいな立ち位置の記事でございます。え? 自作解題なんてやってる時点でダメダメ? 物書きだったら男らしく自作品だけで語り切れって? あっはっはっ! まあ否定はしませんが、でもいいじゃん。俺普通にへたっぴぃだし。
というわけで、以下、自作解題ですー。
まず、無難にオススメ出来る作品は、『おかえり、ガリ勉オンナ。』『今にも消えてしまいそうな空の下で』『銀河―The headphone girls―』『ばいばい、マイプレイス』の四点。
少なくとも『ガリ勉』はよっぽどのことがない限りはまず外さないかなって思います。個人的には『銀河』は一つの集大成的な完成度の高い作品だと思ってますし、『ばいばい』は色んな意味で僕にとっての「最前線」です。一番厨二っぽいのが『今にも』かなあ。
『ガリ勉』っぽい作品としては『ジンクス』や『もし幼女』。『ジンクス』はもうそのまま『ガリ勉』的恋愛模様。『もし幼女』は僕なりのHENTAI小説。
思想的な意味で尖ってるのは『マスク』と『憑き夜の晩に』。『マスク』は『ガリ勉』のいわばネガとも言える物語で、なんだかんだで決して無視が出来ない作品だと思ってます(面白いとは言ってない)。『憑き夜』的な想像力もまた、個人的には面白いなと思いますね。友人からは「お前なにがしたんだよ?」って言われたけどね! あっはっはっ!
『愚者とウサ耳』と『ひとでなし』は鼻くそほじるくらいしかやることないくらいに暇な時にでも読んでください。『愚者』はまあ、割と無難な作品。『ひとでなし』はせめて生暖かい目で読んであげてください……。
・2008年
『おかえり、ガリ勉オンナ。』
僕の原点。
元々はオリバト(「オリジナルバトルロワイアル」要するにバトロワの設定だけを借りた二次創作……ああ、本当に懐かしい)のラスボス格の過去エピソードとして構想されていたものを、色々あって某地方の文学賞用にそこだけ抜き出して書いた作品。そしてこれがきっかけで僕の出身大学に入ることになったんだけれども……今となっては、ホント、ほろ苦い過去ですよ(苦笑)。
とりあえず、僕の中の「純粋性」を真っ直ぐに出せた稀有な例かなと思う。だけども、こういう作品の方が、やっぱり僕には難しいのかもしれないです。それと、この時点では気づいていないですが、僕のロリコン(笑)的な性癖が垣間見えるという意味でも面白いかもしれない。
やっぱりこれが一番人気になるのかなあ。処女作が一番人気とか一発屋の純文学作家かよ。
僕にとってこれは、「原点」にして「例外」。
こういう作品をなんの疑問も抱かずに書けるようになった時、「空箱零士」は死ぬのかな、と思います。
ええい、ねじ曲がっとるなあ。
『マスク』
僕のもう一つの原点。
これも元々はこんな作品にするつもりはなく、なんかの企画(詳細は忘れちゃった)に提出するための作品だったんですよね。で、その時たまたま咳風邪をひいていて、「マスクとかつけんのマジやだわーないわー」っていうのを短編にまとめるつもりだったのが、どうしてこうなった、という感じにこんな感じになったっていう感じです。
今から見ると、やっぱり葛藤の仕方が幼いなあって素直に思います。まあぶっちゃけ僕の私小説(のようなもの)なのですが、少なくとも疎外感覚は克服出来たかなあって思います。ただし自己否定感覚は、少なくとも僕が向き合うテーマの一つとして生き残ってます。
僕は現在でも「自己肯定」という考え方に非常に否定的な人間です。一つの仮想敵ですらあります。そういう意味でも、これは原点。だから、これは掲載しますし、掲載するに足る作品だと信じています。
敢えてオススメはしませんが、僕の「物書き」としての原石に触れたいのなら、どうぞ。
・2009年
『ジンクス』
上でもちょこっと触れてる「SSバトル企画」から生まれた作品。簡単にいえば、お互いのSSのどっちの方が面白いかを投票にて競う企画ですね。合計四回のうちの、第二回目の作品ですね。この回が一番レベルが高かったのを覚えてます。
で、僕の同企画作品としてもやっぱりこれが一番出来がいいですかね。いやあ、「俺に星新一的なショートショートなんて書けるわけねーじゃん」なんて思ってたものですが、やれば出来るもんだなあって思いましたよ。まあ、ご覧の通り小学生同士の微笑ましい恋愛もの(俺が自身のロリコンを意識しだしたのはこの前後から)なんですが、実を言うとこれ、本来はもう少しヤンデレ気味のお話にするつもりだったんですよ。オチ自体は変わらないんですが、ちょっとニュアンスを変態気味にする予定だったんです。ですがまあ、当時の友人から「いやこれ普通に普通の恋愛モノでいいじゃん」的なことを言われ、そりゃそうだなと思い現在の形に変えた、というわけです。いやあ、正直それがなかったら全然違う作品になってたでしょうねえ。
今読み返すと割とストレートにこっ恥ずかしいですが、『ガリ勉』に近い作品だと思います。
『愚者とウサ耳』
これも「SSバトル企画」の作品ですね。第四回。僕も含めて(前世からやり直せとか言われた。人格否定ヨクナイ)その前の第三回が全体的に振るわず、概ね全員盛り返した回、という感じですかね。賛否両論だった感じはしますが、概ね賛寄りだったかなあ。ということがあったので、テンション的には『マスク』に近いです。
まあ、要するに「人って(良くも悪くも)そんな言うほど人のこと見てねーよ」的な自意識過剰くんのお話なんですが、これも某サークルにいた時の俺のテンションに近い感じですね。そういう意味では割と私小説的なんですが、しかしどんだけコミュ力ねーんだよ俺。これは概ね構想通りに書けた作品かなあ。特に裏話らしいものもないです。
まあ、シンプルではありますが、ガジェット的には結構気に入ってます。
・2010年
『ひとでなし』
2010年の(まとも(?)に見せられる)作品がこれだけって、この年の俺なにやってたんだよ? 霞でも食ってたのか? 艦これの霞ちゃん可愛いよね? 可愛くない?
早い話がマザーファッカー、じゃなくて母殺しの話です。いやー青いねえ。まあこんなのがこの年唯一の「まとも(?)に見せられる作品」の時点でお察しかもしれませんが、09~10の辺りは精神的にどん底な時期でした(っていうかその点『ガリ勉』とか『マスク』とか書いてた頃と状況一緒なのに……)。自分の心の不始末を色んな人に当たり散らしてて、その矛先の一つにカーチャンがいたっていう、そんな作品です。カーチャン、ほんとごめん……。
・2011年
『今にも消えてしまいそうな空の下で』
なんかメタギアのボスキャラみたいな死に際を書きてーなー、みたいなテンションで書いた作品。これはもともと文芸サークルの小冊子に載せた掌編だったのですが、思いの外面白くなりそうっていうか「これじゃあ尺たんねーよ!」ってことで、書いてみましたロングバージョン、みたいな作品です。
肝心の戦闘シーンを書いてなかったり、ガバガバな安直能力だったり、友人から「いやこれ、主人公が長台詞かましてる間に回復されて反撃されたらどーすんだよ」と突っ込みが入ったりと、そういう方面でガバガバなのはともかく。主人公と敵キャラのやり取りの描写という意味では結構いい感じに書けたんじゃないかと自負したりしています。
個人的には、結構気に入ってる作品だったりしますね、ぶっちゃけ。
『もし幼女が何でも一つ言う事を聞いてくれたら』
ロリコンくん、幼女を書いてみた、の巻。これも文芸サークルの小冊子に掲載した作品で、確かテーマが身体の一部だったんですけども、まあ俺も人並みにこういうの書けるんだなあとちょっとほっこりする感じですね。
結構ハイテンションで書いてるように見えるでしょう? 実は結構冷静でした(ということを批評会で言ったら友人のKくんに爆笑された。なんだかねえ……)。まあせいぜいノリノリだったのは書き始めくらいかな? 後は割とめんどくせーとか思いながら書いてた記憶があります。
ちょっとお下品にし過ぎたかなとは思いつつ、なんだかんだでまあいい感じに書けたような気がします。
・2012年
『憑き夜の晩に』
周囲からは評判悪いけど、結構気に入ってるんですよ、この作品。気に入ってるっていうか、僕の中で地味に重要な作品だとすら思ってる節がなきにしもあらず。
これも例のごとく小冊子の掲載作品。しっかしなんでこの作品書いたんだっけなあ……なんかこれだけあんまり覚えてないです。ただまあ「英雄」の依代としての「私」という設定は結構キテると思ったんですけども、思いの外ウケが悪かったんですよねえ(まあ俺がこういうことやってたら大抵ウケが悪いです。あっはっはっ!)。尺短すぎィ! とは思いつつも、まあでも最低限のことは出来たような気はするんだよなあ。
要するに、「お話を語るって一体なんだろう?」みたいな話には、一応なれたのかなあと思います。いずれにせよ、「英雄」と「私」という関係性は個人的にはかなりいい感じだと信じてますので、いつか気が向いたらこのシチュで長編書くかもしれないです。
・2013年
『銀河―The headphone girls―』
大西巨人風に言うなら、「前期の仕事」の終わり。具体的に言うなら、『マスク』テーマへの僕なりの回答。
文芸サークルの卒業冊子に掲載した作品なんですけど、まあ歴代最長作品だったらしくてですね。以降僕は「七万字先輩」というアダ名をつけられることになったわけですよ。あっはっはっ!
まあ要するに、肥大化した自意識を解体するお話ですね。よくある話だと思います(とある友人からは「高校生のうちに済ませとくべき作品」という大変ありがたいお言葉をいただきました。あっはっはっ!)。けど、一応オチには工夫を凝らしたつもりです。これのおかげで、どうにかある程度の広がりを出すことが出来たかなって感じです。もともとこれの着想の一つとして、「意味のある○○○」があったんですよ。それ自体は成功だと思ってます(まあ割と賛否両論だったんですがね)。
よくある話です。自意識をこじらせた高校生あたりがいかにも書きそうな話です。
それでも、僕にとってはとても、とても大切な話です。
この作品なくして、これからの空箱零士はありえない、というくらいには。
・2014年
『ばいばい、マイプレイス』
そして始まる次なる仕事。
これは文学フリマ出典作品ですね。卒論と友人の小説が乗った小冊子を50部ほど引っさげて参戦しました。約30部と、想定よりも遥かに売れてびっくらこいた記憶があります。
なにより、双葉ちゃんというキャラを「書いてしまった」ということに、割とショックを受けた作品でもあります。ホントに、ラストのあれとか、完全に「そんなはずじゃなかった」んですよ。今でもこの衝撃は引きずっています。
だけどまあ、ラスト以外は構想通りなんですよね。っていうか最初はもっとこう、『紅―ギロチン―』をものすっごくライトにしたような感じの、真九郎と紫ちゃんの喧嘩回、みたいな感じのことをやろうと思ってたんですけど、まさかの双葉ちゃん覚醒という、書いてる自分が「はっ?」って驚愕した小説でもあります。俺もう、単純娯楽的なラブコメ書けないんじゃないかな……。
そういう意味でも、これは双葉ちゃん的な存在とのファースト・コンタクト、みたいな位置づけの作品になるんですかね。
双葉ちゃん的な存在が、僕にとって「和解」すべきものなのか、「打倒」すべきものなのかは、今でもよく分かりません。
それに明確な回答を導き出すことこそが、僕の次なる仕事になることでしょう。
・SUICIDE JUNKY!!
まあ、せいぜい見ていてください。
ぼちぼち、頑張らせていただきますので。