2023年03月15日 (水) 14:32
オリバー「機が熟し、とうとう、今世でも約束を果たしましたね、マキ」
麻紀「いや~、あたしは別にあんたと会おうが会うまいが、ぶっちゃけどうでもよかったんだけど・・・」
麻姫「何言ってんの、最後、号泣してたくせに~」
紀「あれはさ、魂の反応であって、懐かしいとか、そういうヤツだから!」
オ「マキ、わたしの真の目的を、ここで申し上げましょう」
姫「え、何?何?マキのこと心配して、会いに行ったんじゃないの、オリバー?」
オ「そうではないのです。わたしがなぜ、何度もあのカフェに足を運んだか、その理由はですね、かつての主君に、下僕であったわたくしがために茶を淹れさせるためです」
(眉を顰める麻紀に、間を置いた後、隣で笑い転げる麻姫)
オ「マキ、もとい、ミリアムお嬢様、天からご覧になっておられたでしょうが、わたくし、マウラ様をなんとかまともな領主に仕立て上げるため、並々ならぬ努力を生涯怠りませんでした」
姫「それは見なくても解るわ・・・。とても大変だったでしょう・・・」
オ「はい。それがわたくしの当時の役割だったとはいえ、どうしてわたくしのいうことを聞き入れて下さらないのか、夜更けに枕を濡らしたことさえありました」
姫「それは、可哀想に・・・、オスカル、よく頑張ったわね」
(オリバー、もといオスカル、お嬢様の手を握る、「失礼します」と言うのを忘れず)
オ「そのお言葉をお嬢様からいただけただけで、わたくしは報われた気がします。ですから、今世で、マキに茶を淹れていただくのは、いわゆる『リベンジ』なのでございました」
(ミリアム、手を握られたまま、笑いを堪えきれずにぷるぷる震える)
マ(紀)「何なのよ、それ!!!!あたしはあんたにとって、厄介者の主だったってことなの???」
オ「そうは言っておりません。感謝はしておりましたよ。ですから、京土産を持って行ったではありませんか」
マ(紀)「あんな年寄り臭い菓子なんてね、ありがたくなかったわよ!」
(目を見張るオスカル、そして、また笑い転げるミリアム)
オ「あれは茶道で出される、京の菓子職人が一つ一つ手作りするとても繊細なものなのに・・・」
マ(紀)「フツーの日本人はね、ああいうのじゃなくて、大福とか、羊羹、今川焼を食べるものなの!」
(侮蔑の意を込め目を細めるオスカル、頭を横に振る)
ミ(姫)「まあまあ、二人とも、ホントはお互いへの愛情たっぷりなんだから、そんないがみ合わないの。冷静沈着なお前が、マウラのこととなると、面白くなるわね、オスカル」
オ「面目ございません・・・」
ミ(姫)「それよりか、メールで教えてた豆餅とか、阿闍梨餅は食べたの?」
オ「もちろんでございます。他には、あぶり餅、やきもち、どれも濃い茶に合う素晴らしい和菓子でした」
マ(紀)「そういうのよ!そういうのが欲しかった!姉さまに聞いてたんじゃないの~、もう!!」
ミ(姫)「いつか一緒に京の都へ行けたら、食べましょう」
オ「ああ、そのような機会がございましたら、もうわたくしは今世に思い残すことなどございません」
マ(紀)「お前はまた、大袈裟ね~。あ、それとさ、お隣の大阪で食い倒れツアー、なんてのもよくない?ねえ、ねえ!」
ミ(姫)「いいかも」
オ「はい、喜んでお供いたします」