2015年07月07日 (火) 01:45
実は東尋坊編以降の続きがあった四月の旅行。今回はもろ『逸脱……』系の話になります。さあ、めくるめく古代史の世界へいらっしゃ~い♪
……ってのは半分冗談で、大半は願慶寺というお寺の住職さんとの掛け合いになると思います。
この住職さん、本当にすごいんだな。なにがすごいって、全然お坊さんらしくないところ。なにせ口癖が、
「福井の行政はもっと福井の歴史を県民に教えるべきだ」
って、まるで歴史家のようなんだもの。
「高向の宮なんて知らんでしょう? 県民ですら名前を聞いたことがないって言うんだから、まったく(溜息)」
と嘆かれて、
「……すみません。わかりません」
って恐縮したら、
「天皇の住まいだったところで……」
って説明しだしたから、
「あ、継体天皇!」
って大声を出したら、
「ああ、知ってた?」
だって。そら知ってるさ。皇室系譜の中でもっとも議論されるホットスポットじゃないですか。
まあこんな感じで、私の中にある知識が住職さんの話で裏打ちされるような快感を覚えたお寺でした。しかもけっこう目からうろこ! 中世史も出てくるので、戦国時代に興味のある方もぜひお越しくださいな。
ではここから譲り受けたバトンに答えさせていただきまっす。
ルールは『引き継いだ文字から始まる自己紹介を書け』というもの。『仮面虫』の作者『ヤミヲミルメ』さんからいただきました。引き継ぎ文字は『よ』で~す。
世捨て人になって公園の土管にでももぐりながらひたすら執筆活動をしたい小春日和です。ここんとこ、一日の予定が一個で収まったことがないぜい(汗)。
書きたいジャンルは冒険小説。書いてるジャンルも冒険小説のつもりですが、どういうわけだか得意分野はホラーと歴史物だと思われています。小説用資料の備忘録のつもりでしたためた『逸脱! 歴史ミステリー!』では、ひと月に十五万近いアクセスを頂戴して、押しも押されぬ代表作になってしまった。あれは資料集なんだってば~。
読みやすさはある程度自信がありますが、出版社からもらった文章力の評価はB(フツー)。自作品の中でもっとも読みにくいと思われる『黒い神』がわりと高アクセスをいただいているのに反して、密かに優良をつけている『火出国(ひいずるくに)の姫』が最低評価に留まっているところから、私自身の基準が間違っている可能性が大であります。
さて! そんなわたくしが推す(おいこら)ヤミヲミルメさんのオススメ作品は、現在連載中の
『月なき夜に抱きしめて』であります。これはジャンルで言うとミステリーかな? 狼男とそれに惚れ込んだメイド少女の緊迫した推理モノです。
『仮面虫』を読まれた方は知っていると思うんですが、ヤミヲミルメさんはキャラの作りこみが非常に魅力的な作者さん。『月なき……』のほうも、それは存分に生かされています。
あと、登場人物たちにそこはかとなく色気が感じられていいですね。好感の持てるキャラが苦悩する様ってグッと来ません? 『月なき……』の狼男もそんな惹きつけられる人物の一人です。
色気のあるキャラクターを書ける作者さんって希少で、なろうで見つけた作品の中では
『演劇やろうぜっ!~ボクらの方言賛歌~』と
『桃の色香』が顕著かなあ。あ、
『剣の風が凪ぐとき』も忘れちゃいけないね。
私も目指しちゃあいるんだけど、なんかオッサンぽくなるんだよね(汗)。『黒い神』の『崇志』も『火出国(ひいずるくに)の姫』の『黒岩』も、年齢設定が二〇代のわりには若さがない。肉食系すぎなのかしら……。
とまあ、いつも息子に「文章は短く! 伝えたいことは一言でまとめろ!」と怒られている母系物書きではありますが、今後ともよろしくしていただければ嬉しいです。
以下、バトンテンプレ。
自己紹介でしりとりをするバトンです。ルールは以下のとおり。
一 前のバトンの人の自己紹介の最後の文字から書き出す。
二 最後の文字は"ん"で終わってはいけない。また、"を"で終わった場合は"お"として扱う。
三 最後の文字は前の人とかぶってはいけない。
四 自己紹介は三文以上で書くこと。
五 バトンの最後には自分の最後の文字を示すこと。
最後に指名する方を何人か。(フリーも可)
指名は『演劇やろうぜっ!~ボクらの方言賛歌~』の鮎川渓さん、『桃の色香』の啓さん、『剣風』の陸さんにお願いしますっ!
お題文字は『ま』ね♪
放置していてごめんなさい~。
では遅まきながらもお返事を。
坂崎さん。
私の書く日本語が坂崎さんに理解されるかどうかは置いといてww
そもそも継体天皇が正式な皇位継承者なら、先帝の武烈天皇の親族と婚姻させる意味はなかったと思うんですよね。ヤマトが継体天皇の即位を『無理な位置づけ』と捉えたからこそ、継承権の低かった男大迹王(即位前の継体天皇)を格上げする必要があったのかな、と。
出雲と北陸、もっと言うなら大国主と息長氏(&同族)には関連性があるのだという説は私も賛成。さらに水銀つながりで言うのなら伊勢神宮だって無縁じゃない。実は、つい先日、奈良の大仏殿に行ってきました。あのご尊体に塗られた大量の水銀は伊勢の算出品だという話。
大陸の歴史に疎いのでイメージでしか語れないんですが、邪馬台国以降『祭祀と権力で国を維持していこうとした中央政権』に反して、出雲や北陸や東北は技術革新を推し進めていったのではないかしら。そしてその技術を、大陸と交流することによって『中央政権に地方の内情がばれて』攻められた。
出雲の国譲りも、この継体天皇のヤマト入りも、もっと時代を下るなら奥州藤原氏の滅亡も、なんか同じ匂いがするんですよね。
将門や温羅の怨霊は、実は現実主義の私はあまり気にしてない(笑)。『怨霊を恐れる』という日本人の特性を体感したくてオカルトを認めていますが、そこに振り回されるのは本末転倒というか……。
『子どもに夜更かしをさせたくなくて「寝ないと鬼が来るよ」と脅したエピソード』が、後年になって『鬼が実在するから怖くて寝られない』になってしまったら、身も蓋もないでしょ?
坂崎さんは神秘主義なほうでしょうか? たま~に坂崎さんとの間に感じる齟齬は、この感覚の違いなのかなとも思っているのですが。
ヤミヲミルメ さん。
せっかくご訪問くださったのに返事が遅れてすみません~(汗)。
ちょっと、馬鹿みたいに忙しくて(内心怒)『月なき』が途中になってしまっているんですが、ツイッターでも読了宣言するぐらいこの作品は大好き♪
『仮面虫』でもキャラクターの描写は秀逸でしたが、『月なき』はさらにブラッシュアップしてるよね。ミステリーってただ時系列に羅列するだけじゃ物足りなくなっちゃうジャンルなので、読むたびに「あ、ここがあの伏線だったのかあ」って発見するのも超楽しい!
オススメさせていただいた3作品は、文章の柔らかさから順位をつけると『演劇』『桃の色香』『剣の風』になるかな。ヤミヲミルメさんのタイプは『演劇』に近いと思うので、よかったら参考にしてみてくださいな。
バトン、振ってくれてありがとう!
あんまり自分の執筆のことを書く機会がないから、こういうのは嬉しかったりします~。
大本営さん。
へえ。劉備って出生不明な人なんですねえ。えっと? 三国の王は他に関羽と張飛がいたんでしたっけ? この人らの身分は高かったんだろうか。
漢王朝の末裔の劉氏ってなんだっけ、と思って遡ったら『項羽と劉邦』の劉邦じゃん。え? 前漢と後漢の劉氏は違うの? わけわからん(汗)。
日本でも経歴を騙るのってメジャーだったのかなあ。
もう15年ぐらい前になると思いますが、平氏と源氏の系譜について疑問を提する学説があって。当時はいまよりもっと知識がなかったんで『武家の身分は金で買えた』というのを信じてました。そんなことしなくても烏帽子親制度を使えば親族はどんどん増やせるのにね。
継体天皇の場合は、皇室にまったく関係のない人物というのは考えにくいかな。っていうのも、継体天皇の出身は福井じゃなくて近江なんだよね。ここって後年(継体天皇の在位から150年後ぐらい)に近江宮(大津宮)が創られたように、古くから都候補に上がるぐらい開けていた土地だもの。少なくともそこの有力者だった継体天皇のお父さんは『皇室に列挙されるぐらいの身分を持った豪族』だった気はするんですよねー。
中国のことをもっと勉強せねば(笑)。
……大本営さんのおかげもあって、近代史は少しずつわかってはきたんですけど。