2015年09月06日 (日) 15:35
ちょこっと余裕ができたので、近況報告がてらに怪談なぞをww
あ、怖い話は後半にするから、前半はふつうに読みすすめてくれて大丈夫ですよ~。
7月7日から滞っていたこの活動報告。なんでこんなに間が開いたんだっけ? と思い返すも、それすら記憶にないぐらい忙しい時期だった気がします。
っていうのも、
1.小学生息子の学校役員でフットサルの大会手伝いに奔走→日焼けアレルギー発動でダウン
2.高校生息子の夏期講習&進学準備で奔走→睡眠時間平均4時間弱の強行軍
3.高校生息子の学校役員でイベントを仕切る→来年の役員長を引き受ける羽目になる
4.合間はすべて仕事
な日程。
おかげさまで一段落ついた8月の中旬には血尿が出ましたわ。……っと。下品な話で失礼。
まあそんな中でも『働いた分だけ遊ばないと気が済まない!』な私は、8月16日に愛知県の豊川稲荷へ、同月29日~30日にかけて奈良&京都に出かけたわけであります。詳しくは『逸脱! 歴史ミステリー! ……的旅行記?』に書け……たらいいな(汗)。いつになるやら~。
そんなわけで、先行して、ちょっと概要だけお伝えさせてください。復習しておかないと忘れちゃいそう。
8月16日に決行した『豊川稲荷』行き。
拙作『黒い神』でちらっとだけ紹介したのですが、豊川稲荷というのは日本三大稲荷の1つ(他は京都の伏見稲荷、佐賀の祐徳稲荷)です。ところがここには他のお稲荷さんには見られない特色があります。
それは……。
豊川稲荷のみが『荼枳尼天(だきにてん)という鬼を祀っている神社』だということ。
荼枳尼天とはインド神話の『ダーキニー』という死肉を食らう鬼女がモデルになっています。でも大日如来(お釈迦さまの人格の1つ)に力づくで諭されて改心していい仏さまになったの。
もともとが鬼なので人の願いを叶える力が強いとされているんだよね。で、豊川稲荷は、本当は明治の神仏分離令で荼枳尼天を廃仏しなきゃならなかったのだけど、特別にお目こぼししてもらったわけ。
そんな豊川稲荷の敷地の片隅に、ひっそりと立つ慰霊碑があります。『豊川工廠の空襲の犠牲者』を祀ったもの。今回の旅行目的はその慰霊碑にお参りすることでした。
第二次世界大戦中、愛知県の豊川市には海軍の機銃や弾丸を作った工場がありました。規模は『東洋随一』と謳われたほどの大きなものです。
ところが、そこで製造に従事していた従業員の多くは、近隣の市区町村から駆り出された中学生高校生の女の子たちだったんです。
豊川工廠が空襲に見舞われた日、彼女たちは、米軍のわずか30分の猛攻撃により、2600人以上の死者を出しました。1945年8月7日。終戦の1週間前のことです。
この情報をN◯Kの特集で見てから、なんだか居ても立ってもいられない気分になりまして……。そのうちに必ず手を合わせに向かおうと思っていたところ、今夏、その想いを叶えることができました。
……当日ね。ジリジリと焼ける真夏の太陽に照らされながら「あっつーい」と嘆く息子たちを伴って慰霊碑に手を合わせていたら、もう足腰の弱ってしまったお婆さんが、娘さんらしい方に付き添われてやってきたんですよ。
そのお婆さんは、慰霊碑の側面にびっしりと書かれた犠牲者の名前の一角に立つと、急に泣き出して「ちくしょうちくしょう」と呟きながら慰霊碑を拳で叩きはじめたんです。
ああ……空襲のときに現場にいた方なんだな、と予想がつきました。
みなさんは戦争ってなんだと思いますか? 歴史上の負の遺産?
私は『300万もの人が亡くなった大事件』だと捉えています。1人1人の方々が亡くなった原因を突き止めるべき事例なのだと。
戦後70年になリ、シベリアに捕虜として抑留されていた方々の情報も出てきました。アメリカの情報開示のタイミングでもあります。
自分の先祖や知人の親類の不明だった消息を少しでも手に入れること、そのためにアンテナを張ること。曲がりなりにも作家を目指すのなら、これを忘れてはいけないと再確認する1日でした。
さ~て。ではここからオカルト行きますよ~。
8月29日~30日に行った奈良と京都ですが、きっかけは6年生になった小学生息子のこの一言でした。
「修学旅行の下見に行きたいっ」
息子の小学校では修学旅行の行き先に京都&奈良を選びます。コースもお決まりの『奈良なら奈良公園。京都なら清水寺』な感じ。
ところが我が息子、「五重塔があるのは東大寺だよね?」「奈良公園の鹿は触れるの?」とかのボケをかましまくり。「五重塔は興福寺だね」「鹿? 触れるどころか食われるぞ」と返事をしても「ふ~ん?」な反応。
結果。今回の旅行でいろいろな経験をさせて「鹿って凶暴」という結論を導きだしたようでございます。息子のTシャツにはいまも鹿に蹴られた蹄の跡がくっきりとwww
まあ目的はそんなとこでしたが、母の好奇心は『鹿の生態』や『清水寺の土産物めぐり』では満たされない。
息子の指導をしつつ、残された少ない旅行時間を何に費やしたかというと……。
『京都の心霊スポットめぐり(はあと)』
……いえ、何も言わなくていいです……。ツッコミ無用です……。自分でも「その歳でなにやってんの?」って思ってます……。
補足すると、私は、心霊体験は多いけど、自ら『心霊スポット』って呼ばれる場所に行くことってないんです。なにせ、中学時代にとあるキャンプ場に行って霊障に当てられて高熱出した経験(『
深夜ラジオ 第四夜』参照)から、『そういう場所には近づいたらダメ』っていう教訓があったので。
でも今回は事情があって『心霊写真』を撮ってみたかったので決行。
結果的には、写真はたぶん不発(『逸脱! 歴史ミステリー! ……的旅行記?』には載せるよ。視える人もいるからね)。でも妙な経験はしました。
以下、詳細。
京都の心霊スポットとしては5指に入るぐらいの有名な心霊マンション『メ◯ボ広沢』。京都市街から見ると北西方向にあたるこの大型マンションでは、過去、幾度となく心霊愛好家や芸人などが訪れては怪奇な現象を体験しているという。
その大筋はこう。この8階建てのマンションではかつてオーナーの娘さんが飛び降り自殺を図った。そのときの地面に落ちた音が、娘さんが自殺を図った時間に聞こえるという。
8月30日の訪問時、私が知っていた情報はこの程度でした。飛び降りた時間も知らなければ、飛び降りた場所も『最上階の8階である』ということしかわからない。
さて、当日。
天気は小雨の合間を縫った曇り空でした。京都駅から市バスを乗り継いできた私たち一行(小春&高校生息子&小学生息子)は、メ◯ボ広沢から150メートルほど離れたバス停に降り立ちました。
降りた瞬間、私の耳に届いたのは、2回に及ぶ「どーん! どーん!」という衝撃音でした。工事現場で鉄骨を地面に乱暴に振り落とすような音。
首を巡らせて周囲に工場がないかを見渡しましたが、あたりは完全な住宅街。工場らしいものは見当たりません。
なんとなく釈然としない気分を抱えながらも、旅行中の疲れも手伝って、深くは考えず。すぐに目的地のマンションに向かいます。
『メ◯ボ広沢』はバス通りにもなっている幹線沿いにあります。8階建てのコンクリート造りの建物で、すでに黒ずむほどの劣化が見られる様相。隣り合う民家とは2メートルほどしか離れておらず、民家との間には鉄板敷きの路地が渡してあります。
その路地に踏み込んだ瞬間。
「ああ、ここだわ」
とつぶやいた私。
音がします。何かが落ちる音が。イメージが浮かびます。真っ暗な地面を凝視する断末魔の視線のイメージが。
……でもおかしいんですよね……。
音は、なぜか、かなり遠くから響いているような重苦しい音なんです。すぐ真横に飛び降りた現場があるというのに。
そして、おそらく死ぬ間際に娘さんが見たと思われる断末魔の視界は、いくつかの別の場所を重ねあわせたように映像がぶれているんです。
『なんか、死んだの1人ばかりじゃない気がする~』
と思わず自分の怪しげな『霊感(笑)』に苦笑。情報とここまでかけ離れてしまうと、もう自分の勘なんか信じてはいられません。
『きっとこれは先入観が見せている妄想なんだろうな』
ってことで、その場は強引にオチをつけました。
そんな京都旅行を終え、自宅に帰り着いてからのこと。
片づけも一段落し、腰を落ち着けてテレビのスイッチを入れると、『心霊』のタグで自動録画された番組があることに気づきました。マイナーなタイトルのトーク番組2本。それぞれ15分と30分という短い放送です。
なんとはなしに見ていると、なんとその両方であの『メ◯ボ広沢』が紹介されていたんですよ。
「偶然だな~」
と言いつつ、自分の訪問先がテレビで取り上げられたことにちょこっと高揚していたら。
……そこに答えがありました。
特に15分番組のほうの内容になります。
ある芸人さんがそのマンションに魅入られたように出入りを繰り返してしまう、という体験談を披露していたのです。その芸人さんは、最初は面白半分で『メ◯ボ広沢』を訪れたのですが、そのときにした怪奇現象を『心地いい』と感じてしまって、未だに足を運んでしまうのだとか。
彼の話によると、『メ◯ボ広沢』で亡くなった方は、オーナーの娘さんだけではないそうです。なぜか住人ではない人が、年に数人、わざわざこのマンションを訪れて飛び降りるのだとか。
そしてその場所。『メ◯ボ広沢』はロの字の構造になっていて、表通りからは見えないのだけど、中央が吹き抜けの中庭になっているのだそうです。自殺者はその中庭に向かって身を投げてしまうとのこと。
私が聞いた音は『遠くから伝わってくるような重苦しい衝撃音』でした。人が中庭に落ちたときの音がマンションの建物を伝わって漏れ出たと考えれば納得できます。
死ぬ間際の光景が複数に分かれていたのも、自殺者が1人でないというのなら理解できます。
録画してあった番組内では、亡くなった娘さんの名前を『ミサオ』と紹介していました。
私は、これは仮名だと思っています。『ミ』は合っているけど別の名前だろうな、と。
この予想が合っていたら、自称『霊感(笑)』に対して少しは自信がつきますかねww
あ、鹿は凶暴。野生です。
「なんかあるんだろうな」や、妙な巡り合わせは、そのままお話を書くことと結びついている気がします。体験上ですが。
だから私も、できる限り体験しようと思います。けど……そっち系に行きすぎると、余計なものまでくっついてきそうで怖いんですよね(汗)。
そちらは大丈夫だとは思いますが、やっぱりそういうところに行くときは、気をつけてくださいね~。