2013年10月10日 (木) 13:05
本業の執筆がめちゃめちゃ滞っていて恐縮なのですが(汗)、ちょっと面白い題材を見つけたので、また活報をしたためてみます。
あ。『書籍化』に興味のない方にとってはあんまり意味のない内容かも。
みなさんの中で、わずかでも『自分の作品が本になること』に憧れていらっしゃる方はいるでしょうか。
私は出版という可能性を視野に入れている人間ですので、当然その希望は持っています。でもそうじゃなくて「出版っていう縛りの部分をほとんど意識せずに、自分の作品が書籍っぽく作れたらいいなあ」ぐらいの想いを持っていらっしゃる方は、案外多いのではないかな?
以前もちらっと紹介させてもらったのですが、なろう上で表示できる形式ではなく、ちゃんとページ繰りができたり、目当ての章に飛べたりという機能が一般使用できるサイトがあります。『忍者ツールズ』というところ。ここの『忍者サンドボックス』って機能がそれですね。
一応urlをご紹介。 http://sandbox.shinobi.jp/
525円という月額料金がかかるところ、書いたものを販売できるところ等、どちらかと言うと同人誌的な使用を狙った機能かな、と思います。
私も知名度さえあれば挑戦してみたいんですが、現時点でここに新作をアップしたとしても、おそらく『お客様(笑)』は皆無。もう1つ2つ、公募で入賞できてからにします~。
で、本題はこっちじゃなくて、電子出版社の話。
実は私は電子出版という方法も狙っています。っていうのも、紙媒体の既存の出版社だと門が狭すぎる。数千人に1人の受賞ってどこの神様仕様ですかwww
その点、新規参入の多い電子出版業界だと、作家登録させてもらいやすい特徴とともに、印税率が高いというメリットがあります。私の知っているところで40パーセント。書籍そのものが安価(文庫一冊分で300円から500円)というのも、購入する立場からは魅力ですよね。
が、ひとつ大きな問題が。こういう電子書籍を専門に扱う会社というのは、ともすると何でもありの無法地帯になってしまうんです。っていうのも、まるっきりの素人さんが校閲もほとんどなく作品として売ってしまうため、会社そのものに固定ユーザーがつかずに、けっきょく作者も編集者も無風の中で朽ちてしまうんですね。
そんな中、昨日サンプルをダウンロードさせていただいたある出版社さんは、ちょっと興味深い試みをされていました。それは、電子書籍にイラストと音声をつけるというもの。
こちらも一応url http://0bunko.com/
サンプルとして上がっているのは、なろうで活躍されている作家さんです。個人的に大ファンの方なので、こういう、なろう外でもお目通りできる機会を待ってたの(笑)。
既存の電子ブック形式ではなく、pdfでローカルに落とすという方法を取っている出版社なのですが、これはこれで「自分の作品がこんな形になったらテンション上がるなあ」と思える仕様。
会員登録という一手間が必要ですが、なろうでマンネリ化してしまっている作者さんにはいい刺激になると思いますので、よかったらぜひ覗いてみてくださいな♪
なろう作家の行く末を心配なさっている久美子さんに、ちょっと惚れたりしてwww 書籍との付き合い方に実に誠実に向き合ってるんですね♪
同人はファンが支える意識を持たないと潰れてしまう売り方。だからこそ『読者(サポーター)』としての重責も負うわけだし、逆に拡販していったときの充実感も他人ごとじゃないものね。
誰の言葉だったか忘れましたが、ある若い落語家が大先輩にこんなふうに怒られたことがあったそうですよ。「お前の芸は巧すぎて努力の跡が伝わらない。もっとお客に自分のすべてを見せなさい。お客は芸だけを見に来るんじゃない。お前の成長も楽しみに来るんだ」。
完成品を提供するべきプロとしては甘えのように感じられるこの姿勢、でも『完成』というレベルを持たない芸術家は『永遠に読者に支えてもらわなければならない』立場だもの。『読者』として『作家を大事にして!』と訴えてくれる久美子さんは偉大。そういう方とお付き合いできている私は幸せものですね。
『作家を使い捨てにされていないか』とのご懸念ですが、以前ネット上で拾った情報からの推測によると、アルファさんに関しては、作家を育てる意識が高いと感じました。積極性のない作家さんの即切りもしないみたいですし。
もし私が出版業界の人間だったら……なろうのようなアマチュア文芸サイトは、やっぱり『アクセス伸ばしに利用できる場所』という認識を持つかなあ……。浅ましいですけどね(汗)。
作品の人気が『アクセス解析』で可視化されちゃっているわけですから、体力のない出版社がそういう部分に飛びつくのは当たり前といえば当たり前。同じ作家さんのマイナー作で冒険しないのも、もちろん理解はできることです。
だから、今後、商業化を目指すアマチュア作家さんたちは『自分が何を求めているのか』を認識することが大事でしょうね。とりあえずプロ作家と名乗りたいのか、書きたいものを書ける土壌を持ちたいのか。
デビューの方法が公募のみだった時代に比べて、いまは雑多な才能が表舞台に出やすいでしょ? そして裾野が広がった分だけ『作品の購買層』にも変化が現れた。つまり『作家としてデビューしたい人たちが目標の出版社の本を買う』という現象が現れているのです。
でもね~。個人的には、私は『勉強のために読んでおくべき本』ではなく『読みたい本』を買いたいし、自分の書いたものも『内容に共感してくれる人たち』に読んでもらいたいのよね~。
『書け』と言われれば何でも書かないとやっていけないのがプロだとは思うのですが、できればその『無理』が少しでも緩い場所を見つけたいな、と都合のいい願いを持ってたりして(笑)。