【完結しました】「落ちこぼれ聖女と、眠れない伯爵。」
2024年06月04日 (火) 09:36
「落ちこぼれ聖女と、眠れない伯爵。」
無事、完結しました(;_;)

この話は去年一年ずっと書きたくて、あれこれ考えていたものです。

残留思念が読み取れるヒロインを書いてみたい。

でも、残留思念が読み取れるって決していいことばかりじゃないよね、と。

だからそのちからを使って、チートで無双していくのではなく、
あくまでも自分の父親の行方を知るためだけに使わせたい。。。
そして、同じくちからを使える孤独なヒーローに会ったら
どうなるだろう? そして最後には、ちからがなくても
お互いを信じ合えるような関係になれたら最高じゃない?

と、思って、プロットを作りました。

決して暗すぎるとは思っていないのですが、
それでもキャッチーなネタではないことは自覚しており
ひっそり短編で、なんて思っていたのに
結局12万字近くなるという。最後まで読んでくださった方がいらしたら
本当にありがとうございます(;_;) 心から感謝です。

そして孤独な男女が出会う主軸にからめて、
親子の物語を描きたいと思いました。

アッシュの父も、フィオナの母も、子供を護ることばかり考えている人達です。

フィオナの母は、ちゃんと愛情を与えていたと思いますが
いかんせん身体が弱かった。早くに亡くなってしまってさぞ心配だったでしょう。
でも母の愛を知っているフィオナは強い子に育ちました。

アッシュの父は、先回りして全部解決しておくことが、子供を護ると考えている人。
子供にかける言葉は足りていないです。
アッシュは母に捨てられたという気持ちも持っていたから
本当に自分は望まれた子なのか?という疑問があったと思います。

でもそんな中でも他人に優しく接することができるアッシュは、
フィオナとは違う意味で私は強い人だと思っています。
(そして、そういうヒーローにしたかったんです!)

そしてアッシュの父は(母もですけど^^;)
言葉が足りていなかったけれど、もちろんアッシュを愛していて
その思いを知ったときに全てを許せるのではないか、と思って
そう書くことにしました。

私の大好きな曲に、宇多田ヒカルの「道」があります。
その一節に

「一人で歩いたつもりの道でも
始まりはあなただった
It's a lonely road
But I'm not alone」

「どんなことをして誰といても
この身はあなたと共にある
一人で歩まねばならぬ道でも
あなたの声が聞こえる
It's a lonely road
You are every song
これは事実
私の心の中にあなたがいる
いつ如何なる時も
どこへ続くかまだ分からぬ道でも
きっとそこにあなたがいる」

この曲は、恋人のことを歌ったというより親子のことを歌った
というのが私はしっくりきていて……そう捉えております

自分の中に、確かに親が存在している/親の愛情が根付いていると知った時、
アッシュもフィオナも前に進めるのではないかと。

アッシュが颯爽とフィオナの謎を解くこともなかったし
ロイド家の謎はアッシュ父が解決していたけれど
アッシュの父の愛情ゆえなので、どうかアッシュを頼りないと思わないでやってください。

そこには親の愛が確かにあり、
フィオナとアッシュはそのことを教訓としてこれから生きていく。
きっとフィオナもアッシュも子供に言葉は惜しまないと思う。笑
反面教師だったとしても、それが親が子供に背中をみせてあげられる、
ということなのかなぁと思ってます。

◇◇◇

こうしてクセ強作品を時々生み出してしまう私ですが(^_^;)
それも含めて、少しでも面白いと思ってくださったら嬉しいです。

次は短編で幼馴染のケンカップルを書くか、
長編で(シリアスですけど)訳ありヒロインを助ける大人ヒーローを書くか
悩んでいますが、恋愛色強めのを書く予定です。
またよろしければお付き合いいただけますと嬉しいです。

コメント全2件
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椎名さえら
2024年06月10日 02:49
>espressoさま

わーーありがとうございます。
忙しい日々の中で、私の小説のために時間を作って頂けることに、感謝です(:_;)
しかも楽しんでいただけたと聞いて、めちゃくちゃ励みになりました。
こういうじんわりした小説、私、大好きで……また時々書いていくと思います!
よかったらお付き合いいただけますと本当に本当に嬉しいです。
いつもありがとうございます!!
espresso
2024年06月09日 05:26
完結おめでとうございます。
更新を追えず、完結を待って読ませていただきました。ほんわかこころが暖かくなるお話でした。読了後もふたりの今後が想像でき、派手さはなくても、じんわりしていました。次回作ものんびりお待ちしています。