2019年06月12日 (水) 21:59
なろう小説を上げようかと思ったけど、文豪からになりそう。
いや、だって・・・文豪の方が面白いし・・・。え?古臭い?・・・ちょっと、コレ読んで考えてくれ。面白いから。
◆Q.0:前スレを立てたのは?
志茂塚 ゆりさんの割烹からいただきました。
◆Q.1:繊細さや美しさに圧倒された作品を教えてください。
志賀直哉。あの簡潔でわかりやすい情景描写は"神様"と呼ばれるも納得。すごく参考になる。城の崎にて――とか。
ただ・・・悩みがあっても、ノーテンキと言うか、あまり考えない・・・。
違う・・・【植木等:だまって俺について来い】の歌詞に在るように、『そのうちなんとかなるだろう』って楽天的な人だから、悲観論者の私は反りが合わないところが少し在る。
あと、川端康成。長編は読んでない。メンドイから・・・短編集を持ってるから、そっちを何度も読んでる。
さすがノーベル賞とってるだけ在る文章だと思う。
◆Q.2:人はともかく、自分は好きだった作品を教えてください。
坂口安吾。暴動起こしたり。酒のんで、麻薬やって・・・なんてアホやりながらも、自分をキチンと客観的に見ていたり、世の中への皮肉を書いてるエッセイ・随筆作品が良い。志賀直哉にケンカを売ったのも凄まじい。
エッセイなども面白いが、もちろん、物語小説も素晴らしい。
【不連続殺人事件】など、江戸川乱歩が、坂口安吾のことを嫌いながらも、(こちらにもケンカを売っていた)『この作品は良い!!』と太鼓判を押して、探偵小説賞に推薦するほど。
たぶん、万単位の犯人当ての応募があって、犯人があたったのは片手で数えられる人数しか当てられなかったという推理小説。
私も・・・ものの見事に外した。
ただ、不連続殺人事件は、エログロ入ってるから、今ならR-15位かなぁ・・・。
連載されてた頃は、全年齢だったのに・・・。
◆Q.3:アイデアや思想に驚かされた作品を教えてください。
・・・作品ではない。学習院大学での公演の内容。だけど、書にまとめられている。
夏目漱石:【私の個人主義】というのが、とても良い。
漱石が代表作:吾輩は猫である・・・で、デビューしたのが38歳。それまでは優秀な講師として、勤務していたが、そのなかで、漱石がどんな苦悩を抱いたか・・・。
嘉納治五郎や先輩に職を周旋してもらった・・・それほどありがたく思っていなかった。
あるいは、【坊っちゃん】の赤シャツは漱石自身だ。とか――。ネタが豊富。
特に読んでいて苦しいのは、
『私はそんなあやふやな態度で世の中へ出てとうとう教師になったというより教師にされてしまったのです。』
『腹の中は常に空虚でした。空虚ならいっそ思い切りがよかったかも知れませんが、何だか不愉快な煮え切らない漠然たるものが、至る所に潜んでいるようで堪まらないのです。』
・・・と、周囲に流される中での虚しさを説いているのが何とも苦しい。そんな中、いよいよ小説家に成ることを目指したと言い――
『こだわりがあるなら、それを踏潰すまで進まなければ駄目ですよ。』
と、若者にエールを贈っている。
ただ、このあと、漱石の小説家らしい、皮肉の目から忠告がコメられている。
『換言すると、あなた方(学習院学生聴衆)が世間へ出れば、貧民が世の中に立った時よりも余計権力が使えるという事なのです。』
『権力とは先刻お話した自分の個性を他人の頭の上に無理矢理に圧しつける道具なのです。』
『権力と金力とは自分の個性を貧乏人より余計に、他人の上に押し被せるとか、または他人をその方面に誘き寄せるとかいう点において、大変便宜な道具だと云わなければなりません。こういう力があるから、偉いようでいて、その実非常に危険なのです。』
こういう、庶民目線、地を這いずるものの視点をもって、皮肉・箴言が言えるのが漱石らしい。西洋価値と日本価値の間に悩む。人生に悩む・・・そんな近代をよく見ている。
芥川、太宰、三島・・・後進も、人の本質に迫ったものを書いてるから、夏目漱石はこの視点を切り開いた開拓者なのだと思う。
【私の個人主義】・・・一読の価値があります。
◆Q.4:次の回答者を3人まで指名してください。
えー、読んだ人みなさんに・・・だって、誰かが面白いって言ったのを読むの面白いですし・・・。無理ならやらなくて良いですよ。
以下テンプレ
――――――(テンプレ)―――――――――――――
◆Q.0:前スレを立てたのは?
◆Q.1:繊細さや美しさに圧倒された作品を教えてください。
◆Q.2:人はともかく、自分は好きだった作品を教えてください。
◆Q.3:アイデアや思想に驚かされた作品を教えてください。
◆Q.4:次の回答者を3人まで指名してください。
楽しみにしてます。 (*^^*)