【あとがき】『パパと娘⁸のらぶらぶライフ ~うまれたときからアイしてるっ!~ 』【完結記念】
2020年12月18日 (金) 00:10
どうも、カンサーです。今まで活動報告で執筆の裏話等をすることは控えてきましたが、
『パパと娘⁸のらぶらぶライフ ~うまれたときからアイしてるっ!~』の完結を記念して、あとがきがてら振り返りをします。
最終話までのネタバレを含みますので、これから読む予定の方はご注意ください。

【第二章から最終話】
第二章では一章から大きく時間が飛びました。もっとじっくり進める予定でしたが、執筆速度が遅く、なかなか進まないので、決断的に大幅な巻きを入れました。とにかく一刻も早くあの最終話を提示したかったのです。大げさに聞こえるかもしれませんが、あの結末を世に出す責任がある、万一それまでに死んでしまうと永遠に浮かばれない、くらいに思っていました。

【省略したエピソード】
第一章は金曜夜の出来事ですが、その後、土曜にお家で過ごす様子、日曜にみんなでお出かけする様子も書く予定でした。だから、章題がウィークエンドだったんです。
二章以降は、姉妹一人ひとりの主役エピソードを順に描いていき、区切りでは家族旅行やクリスマス番外編等も交えつつ、日記と並行してさくさく進めることが理想でした。
ですが実際は、プロローグの最序盤、金曜夜の数時間の出来事だけで、執筆に一年半かかり、文字数も話数も膨れていったため、このままでは完結まで何年かかるか分からない……このペースなら十年単位でかかるのでは? と危機感を持ちました。そこで、日記の更新頻度を減らしつつ、内容も大幅に巻いて、終わらせることを優先するようにしていきました。
結果、構想したものの没にしたエピソードも出ましたが、今後形を変えて描かれるかもしれないので、ここでは紹介しないでおきます。

【時系列を気にせず、無限にエピソードを作れる】
最終話では家族に大きな転機が訪れましたが、これは物語の終わりを意味しません。未来はどこまで続いていきますし、過去の空白期間にも無限にエピソードがあります。
私の大好きな小説『ニンジャスレイヤー』では、連載中の最新時系列の物語の合間に、過去のエピソード間や、第一部の遥か以前の出来事が公開されることもあり、いずれも非常におもしろいです。こうした『ニンジャスレイヤー』の手法に勇気付けられ、一旦連載を閉じる決断ができた面もあります。

【結末を先に見せること】
漫画『からかい上手の高木さん』では、中学生の主人公たちの青春を描きつつ、本編と並行して連載されている『からかい上手の(元)高木さん』というスピンオフ作品で、主人公ふたりの結婚後の生活を描いています。ある意味、本編の結末というかその先をスピンオフでネタバレしているようなものだと思いますが、それでも魅力を損なわず、二作とも連載が続いています。これは、「恋愛物は結ばれたら話が終わる」という印象を持っていた私に衝撃を与えました。
考えてみれば、主人公の恋が実ることがあらかじめ分かっているほうが、安心して楽しめるのでは。「ハッピーエンドにならないかも」という疑念を潰せて良いのでは。という閃きがあり、「娘たちはいずれパパへの想いを卒業していくのではないか……」というお父さんたちの不安を一刻も早く払拭しなければならないという使命感に駆られました。

【これしかない結末】
さかのぼると、日記編を始めた頃は、シリーズ全体を通して父娘の関係に決着を付けず、その将来は読者の方々の想像に委ねる予定でした。そもそもテーマ的に、進展は描けないのではないかと思っていました。
ですが、徐々に意識が変わりました。「小説家になろう」投稿作を含め、いくつかの物語に触れるうち、「リアルさを優先するより、強引でもみんなが嬉しい展開にしたほうがいいこともある」と思うようになりました。結婚式のシーンは四年ほど前にはおおよそ頭の中にありました。

本作の娘たちが一番幸せになる道、それはパパと結婚することしかありません。ならば、責任を持って、そこまで描くしかない。彼女たちならやる。書き始めた頃より遥かに強くなっているのだから。「その展開は無茶だからやめて」と言っても、聞いてくれるわけがありません。あの最終話がお父さんたちに受け入れてもらえるか不安もありましたが、描かざるを得ませんでした。
一番最後のシーンを思い付いたのは、今年だったと思います。当初は、ここまで描いてしまっていいかかなり迷った記憶がありますが、今ではこれしかないと思っています。

では、今回はこのあたりで失礼します。次回は、シリーズ全体について書く予定です。
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