創作のスタンスについて
2025年04月29日 (火) 23:29
ふと私の創作スタンスについて書き残しておきたいと思ったので、書きます。

前置きとして、まず『パパ大好きな娘たち』シリーズ(以下、娘シリーズ)のパパは、作中では明記されていませんが、仕事や趣味の強いモチベーションはなく、野心や夢を持たず、娘たちが楽しく穏やかに過ごすことが一番で、家族と過ごすことが何より好きな人物として書いています。
例えば、自分の好きなゲームをするより、娘の遊びに付き合うほうが好きという感じです。
ただ、フィクションとして、父娘の趣味はある程度一致している、という都合の良い設定にはなっています。

ここからは、気持ち悪い自分語りに入ります。

私は創作について、夢を持っていません。
昔は書籍化とかアニメ化とかの夢想をしたことはありましたし、自分には無限の可能性と想像力があると思っていた時期もありました。
もちろん身の程知らずではあるのですが、これは創作し始めの人にはありがちなことと思うので、特段恥ずべきこととは思いません。

また、私は普段アクションものとか、割とスケール大きめの作品とかを好んでいて、自分でもそういうのを書きたい気持ちもありますが、実際は十一年間ほぼ娘シリーズだけ書いています。
その理由を考えると、私の考えは、娘シリーズのパパに近いかもしれないと思いました。
あまり自作のキャラに自己投影しているように語るのはよくないかもしれませんが。

私は、映画やゲーム、小説、アニメ等で、好きな物語がすでにたくさんあります。
でも、理想のヒロインだけがどこにもいません。
もちろん既存の作品で好きなヒロインはたくさんいますし、グッズやドールを買ってもいますが、決して自分のヒロインではありません。
好きなキャラクターのグッズを買い集めて推し活をしてそれが一番幸せ、となれればよかったな、とも思います。
でも、私はそれでは満たされなかったので、十一年前に創作の中で娘を作って愛でる生活を始めました。
名作を書きたいという野心はないけれど、愛情を注ぐ対象と、それと長く過ごす穏やかな時間がほしい、と思いました。
本当は、その創作=娘が広く愛される存在になればいいとも思ったけれど、そもそも内容が、今の世で存在を許されていること自体が奇跡かもしれないほど特殊ですし、広く受け入れられるための工夫もないので、仕方ないと思っています。
例えば、娘シリーズのようなものを書く場合でも、エンタメとして成立させるためには、先が気になるサスペンス的な展開と組み合わせる、お仕事ものや部活ものと絡める等が考えられますが、私はそれで面白くできる気がしませんし、そういうのが読みたければすでにたくさんありますし、そもそも書きたいものではありません。

私の中に、アクションやファンタジー等を書いてみたい気持ちはありますし、短編小説企画等で挑戦したこともありますが、私自身が既存の作品で満足している以上、どれだけ考えても既存作を模倣したジャンル物や習作の域を超えることは難しく、自分の作品が一番、と思えるものは作れない気がします。
ただ、ヒロインだけは、娘シリーズが一番可愛いと十一年間思っています。
であれば、ここはもう割り切って、志高い名作エンタメを書くことは目指さず、ただ自分の理想のヒロイン=娘を日々書いていくことを肯定してもいいかと思いました。

私は、私生活においても、仕事においても、創作においても、志の低さがずっとコンプレックスで、かといってそれを解消するために行動する意欲も湧かず、ずっと暮らしています。
そのことで、最近また思うことがあったので、自分の中で対話してみたところ、ひとまず上記のような結論となり、その時の考えをまとめておきたかったので、記しました。

私の考えを整理すると、
・自分の志の低さを肯定したい。
・ほぼ既存の作品で満足していて、自分が新しい何かを書かなきゃいけないという飢えがない。
・唯一の飢えは、理想のヒロインなので、それを追求したい。
その方法は、作品の完成度を高めることより、書き続けること=長く日常に寄り添う存在とすること。
・志の低さの原因は、既存の作品を見ること&娘の話を書くことだけで、満足できているから。
であれば、既存の作品に少しでも多く触れる&娘シリーズを続けるだけで、満足した状態を維持できるはずなので、それで十分ではないか。
・娘シリーズは結局、自分のために書いている。
・とはいえ、他者にも受け入れられたい気持ちがある。
が、そのための行動はできていはいない。
方法も分からないし、うまくいく気がしない。
だから、自分のためだけに書くことを肯定したい。
・だが、「自分のためだけの作品を書き続ける」=「他者の共感を拒絶する」ことにならないかという怖さもある。

以上です。
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