『無能冒険者の強化学習〜死亡すると強くなる"報酬"を与えられる冒険譚〜』の感想を書きました
2020年10月02日 (金) 22:56
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まだ序盤も序盤故、評価しづらいところがありますが……勢いだけで設定を決めてしまっているところがあると思います。
また、主人公の境遇を作るために、他の人間が操り人形になっている気がしました。

気になる点
うーん、良いと思ったところがない状態でごめんなさい。
まず、ノリだけで設定を決めちゃだめです。例えばトゥワイスの設定ですが、剣撃の速度が二倍というのがまずないです。物理的に言えば、速度が二倍なら運動エネルギーは4倍になるとか、そういう無粋なところまでは突っ込みませんが……ですがね。たとえば、私が野球で130㎞の球しか投げられないヘボ投手だとして。
でもその能力があれば260㎞になるわけですよ。スタミナ消費が四倍になって、1日80球投げられるところを20球しか投げられない……としてもとんでもない投手ですし、肩を労わる100㎞のスローボールですら200㎞の超速ボールになる。野球ゲームのプレイ経験があるかわかりませんが、速さ2倍になるってスキルがどれだけ壊れかわかりますね?
野球で例えましたが、これが剣と剣のぶつかり合いならもっととんでもないことになりますからね。あまりの速さに攻撃を防御されないから、急所を一撃で決着も付きそうですし、むしろ壊れスキルなレベル。役立たずと評価される意味が正直わかりません。
まぁ、そんなことは些細な問題です。すでに感想欄でも言われておりますが、珍しい未知のスキルでありながら、それを研究しようというものが一人もいないというのはどういうことか。世の中、何の意味もないことを研究するようなもの好きはいます。
世の中、信じられないような行いをする人もいますけれど、そういう人を考え付くのも作家のたしなみではないでしょうか?
何でそんなの研究するの……? と、首をかしげること間違いなしなイグノーベル賞とか、そういうものは一度は覗いてみるといいかもしれません。
一言

さて、この後の展開です。まずは物語の方向性を定めるためにも、主人公のスキルがどんな能力なのかをメリット、デメリット共に提示したほうがいいと思うのです。
要するに展開が遅いといいますでしょうか。
読者が展開を予想しやすいように、ですね。読者に予想はさせておきましょう、そしてその予想は裏切ってもいいのです、期待を裏切らなければ。
ですがこの能力、どれほど制限や制約があるかはわかりませんが、『どんなに死んでも戻れるから、ちょっと怖いし痛いけれどまあいいや』……で、進んでしまうと緊張感が皆無なんですよ。緊張感のない物語だと、登場人物も成長しませんから何も面白くなくなってしまいます。そのため、死んでやり直せる能力というのは、ある意味一番の地雷能力なんですよね。
たとえば心を読むスキル持ちに能力がばれ、それからというものスキル無効のスキル持ちとか、封印して殺さないスキル持ちとか、そういうのに狙われながらなんとか『安全に死ぬ』ために仲間と協力するとか。死ぬたびに、実は何かが失われていて、それを防ぐために何か対策をするとか。
死んだら過去に戻れるけれど、過去の過去にはもどれないせいで、取り返しのつかないことになっていた……とか。
どんな展開であれ緊張感を持たせる展開があることを望みます。
コメント
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