2014年12月09日 (火) 16:25
こんにちは、SPICE5です。
ロングスカートの裾がエスカレーターにぎゅおおおん!と巻き込まれて裂けました。
短足の悲劇。
タイトルにあります『小説書きを問い詰めるバトン』。
毎回作家さん方の回答を楽しく拝読していたのですが、昨夜同時に
此花タロウさんと
小津カヲル さんにバトンをいただきました。
お二人共本当に大好きな作家さんなので、恐縮しつつも嬉しいです。ありがとうございます。
◆◆1:小説を書く際、資料などは使いますか? 何を使いますか?
(ひー、わからん!)と頭を抱える事も多々なため、気になったらちょこちょことネットで調べてみます。
確証が持てなかったり専門的な事を知りたい場合は図書館や書店に行き資料を探します。まずは児童書から。あすなろ書房の知のビジュアル百科が気に入っています。
◆◆2:プロットやフローなどは用意しますか? 用意するとしたら、どのように立てていますか?
頭の中に浮かんだキーワードや設定を思うがままに書き出す。
何のためにその物語を書くのかを頭にとどめつつ、キャラクターを脳内で動かし喋らせていく。
浮かんだ場面の妄想を音楽を聴きながら繰り返し、同じ映像が流れるようになったらOK。
その回で印象に残ってほしい台詞や表現をメモし、大まかな流れを脳内で作ったら、後は手の動きに任せる。
という適当さだったのですが、25日より投稿予定作品で取り入れた執筆方法が意外と自分に合っていたので。
↓
大まかな流れを決め、各回のあらすじや台詞を投稿可能な字数になるまで書き、先に全話予約投稿。
キーとなる回や押さえておきたい場面を執筆。
辻褄が合うように各話のプロットを修正。
要所が全て埋まったら、後は最初から執筆スタート。
最後に全体の流れがちゃんとしているか推敲&書き直しを納得いくまで。
◆◆3:小説を、どこかに投稿したことはありますか?
「小説家になろう(ムーンライトノベルズ)」
「pixiv」の二つ(三つ?)です。
以下、それぞれ登録した順と流れ。
SNS日記ネタの一つとして書き始めた小説の量が増え、作品として保管できる場所が欲しいなあと『小説 投稿』検索で最初に出たサイト(小説家になろう)に登録。
恋愛描写が下手なので練習をしたいなと思い、二次創作でなら特化練習できそうだとpixivに登録。
pixivにて交流小説というジャンルがあるのを知り、その面白さと難しさにハマる。
とある交流企画向けにドレインという娼婦の設定を作成したものの、本格参加する時間の余裕がなかったためキャラを下げる。
彼女を書きたい欲求が高まったため、主催者様に許可をいただきR-18作品なためムーンライトノベルズにてオリジナルとして執筆。
【追記】先ほど気付きましたが、これ、公募関係に出したことがあるかという意味合いが強いですね、失礼しました。
公募は昨年冬童話にへのへのもへじで参加したきりだったのですが、現在pixivで「ミライショウセツ大賞」の募集があっているため、そちらにタグ付けで参加しています。(既存作品OKだったため気軽でした)
それ以外で賞に応募したことはまだありません。
◆◆4:あなたの小説(文章)が一番影響を受けている作家さんを一人挙げるとしたら、どなただと思いますか?
コバルト文庫でゆうきりんさんの鉛姫シリーズを最初に読んだ時、私が書きたい世界が詰まっている!と感激しました。
読みやすくしっかりした世界観、シンプルなのに美味しそうな食べ物、時に容赦のない残酷さ、ふわふわとした甘さに守られていないヒロイン。永久に肌を合わせることのできない切なさと、故に際立つ甘さ。
どうしても「好きです」とお伝えしたくなり、緊張しながら初めてファンレターを書いた思い出。
少女時代に指標となる世界を見せていただけた作家さんです。
◆◆5:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな情景描写の言い回しを一つ、見せてください。(ネタバレしそうな部分は伏字などで構いません)
ぼうっと光る明かりが所々に通りを照らし、小さな魚達がちりちりとそれをついばむ。ゆるいゼリーのような風が頬をなぶり、私は藍色の街並みをもったりと進んでいった。足元からはゆうらりと藍色の影が伸びている。
街に並ぶ店の多くはガラス瓶でできていた。青いラムネの瓶に、透明なお酢の瓶、それから先の細い醤油瓶まで色形の違う瓶が横になって並んでいる。
ああ、あれはガラスでなくとっくりだ。
ほら、あそこには白陶の花瓶も倒れている。
<中略>
メニューを眺め、私は手始めに『水葡萄酒』を頼んだ。それから茹でソーセージのマスタード添えに鮭ときのこのグラタン。
「おまたせしました」
出された水葡萄酒は街の色合いよりも尚濃い、深い藍色をしていた。私はグラスを傾けながらしばらくその色を楽しんだ。闇に溶けてしまいそうなほどに暗い藍だった。
「お姉さん、ここのは本当に美味しいよ」
隣にいた家族連れのうち、一人の少年が私にそう言った。
「どの料理にもとっておきの魔法がかかっているんだ」
運ばれてきた料理は、どちらも素晴らしい味だった。香りの良いソーセージは水葡萄酒によく合い、グラタンはグツグツと音を立て、口に入れると甘いバターの香りがした。
「ね。美味しいでしょう」
夢中になって口に運んでいると、少年が再び話しかけてきた。
「けれどね、一度食べたらもう戻れない」
(「
藍色の影」)
◆◆6:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、一番好きな心理描写の言い回しを一つ、見せてください。
ヴァルダスは上着を脱ぐと窓を開け、細長い小箱を取り出した。開くと中には簡易式の煙管が入っている。
煙草の類は普段やらないのだが、呑んだ後や気を落ち着けたい時はこれで一服する事にしている。カチリと組み立て中身を詰め、火を点ける。部屋に煙が篭らないよう、窓辺にもたれてゆっくりと楽しむ。
去年までは一人、もしくは職場仲間とこうして夏や冬の休暇に湯治に来ていたものだ。
<中略>
『あなたが好き……大好きなの』
潤んだ瞳で告げるリリィの顔を思い出し、ヴァルダスは誰もいないのに一人咳払いをして頬が緩むのを誤魔化した。
正直、部屋を共にする事を意識せずにはいられない。煙管を出したのは酒が入ったからというよりも、気を落ち着けるためだった。湯上りの彼女を見るのは楽しみだったが、同時に両思いと分かった今ではいつまで己の理性を保てるか自信が無かった。
(「
リリィ・カーマイルの恋旅行」)
↑落ち着いて振舞おうとするものの、グヘヘェ…
◆◆7:あなたの書いた小説に今まで登場した中で、好きな台詞を三つ、見せてください。
「お前が下劣な手段でロウを汚し国を滅しようとした大罪はこの目で見届けた。
我が真名ヤーン・グルゼアスタ・ダ・ラ・ダーナンの名におき極刑を執行する」
(「
ダーナンの旅人たち」)
↑水戸黄門開始45分辺り
「――残念だが、『運び屋』はいるんだよ」
盗賊の半数以上がラクダから転げ落ち、血塗れの顔や喉を押さえて転げまわる中、ヴェールの女は両手に持った銀の細縄を、カチリとスイッチを押すと同時に一瞬にしてたぐり寄せた。
「私だ」
(「
運び屋ヨン」)
↑ため&自己紹介(逃がす気無し)
「吉備。逃れられない運命というものはあります。私が住むもう一つの現実から、私はもう逃げる事ができない。
けれど、抗える運命というものもまたあると思うのです。
私は彼女を手に入れるため、間接的にしろ国を滅ぼす大罪を犯した。それでも私は諦めず、あがきにあがいて彼女を手に入れた。
あなたはまだ抗っていないじゃないですか。
見苦しくてもいい、欲しいなら動きなさい。身分や立場といったものはどうしようもない差ではありますが、関わりのない者からすれば些細な事です。
あなたは、七村さんが欲しくないのですか?」
(「
NIGHT TEA」)
↑藤岡のこの台詞は自作品にしては長めです
冷静と激情を内包した彼の人となりが表れていれば
◆◆8:あなたがこれから小説に書こうとしている台詞で、「今後の見所!」になりそうな意味深台詞を三つ、ここでコソッと教えてはいただけませんか?
「――お前達の命だ」
「そそそれではししし失礼します……っ!」
「綻びだしたか」
◆◆9:小説を書く時に、音楽は聞きますか? 聞くとしたら、どんな音楽を聞きますか?
複数の作品を連載しているため、これから書こうとする物語に合わせた曲を事前に聴きこんでその世界に入ります。
全体のテーマ、場面に合わせた曲や登場人物に合う曲などをジャンル関係無く日々うろうろ探しています。
自作はファンタジーが多いため、結果的に民族音楽やインストが多めです。
執筆中は最近無音が多くなってきました。
(あと本っ当に超個人的選曲ですがいざという時のモチベ上げに使うのが、FFTA2の「
決意」です。思い出補正がかかり1分でやる気にw)
◆◆10:日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?
今のところはないです。
◆◆11:これから小説を書き始めようとしている方に、何かアドバイスがあればどうぞ。
もしも「いつか書きたい物語」をずっと心に溜めてはいるものの、書き出しだけで終わってしまった、もしくは、手をつけずにいるという方がいらっしゃいましたら。
まずは、ちょこちょこと新聞の切り抜きでもしているかのように、書きたい場面だけを書いてみる。
その物語の世界を少しずつ少しずつ書きためていくのです。
メモが溜まったら辻褄が合うように並べて調整をしながら、多少ちぐはぐになってもいいので一度は完成させてあげましょう。
あなたの中にある物語は、書いてみるまであなた自身にも読めないのです。
完成までの道のりはしんどくとも、完結した瞬間の喜びと達成感はひとしお。
アドレナリンをどっばぁああと出した後で、……あれ、もっと書いてみたいかも、と思ってしまう体験を、是非。
◆◆12:ありがとうございました。 もし良かったら五人くらいにパスしてはいただけませんでしょうか。
ぼっちなふらふらチキン、問12に怯える。
他の作家さんのバトンもとても楽しく拝読しておりますので、自分もやってみたいなと思われた方は、是非是非貰ってやってください。
以上、回答でした。
暇つぶしにでも楽しんでいただければ嬉しいです。
身長は十人並みなのですが、ここ数年脱ぎ着しやすい格好を追及するようになった結果
「出かけよう!」サッ、ズボッ、サッ(着替え完了)を一度覚えてしまうともう楽で楽で
そんなわけで本日もロンスカポンチョでふらついております
短足、にくし
プロットはこれまで立てなかったのですが、今回トライしてみてよかったです
作家さんの数だけやり方があるのだなあと皆様のバトンを拝読しつつ勉強させてもらっています
上記方法は、ずぼらな自分とわずかに生真面目な自分との折り合いがちょうどいい感じにつきました
セリフは核心をつかずともそれなりにキーとなるものを選んでみました
ダーナンは初期作品のためふらふらしたつくりではありますが、いつの日か楽しんでいただけると嬉しいです
そして、やったー、ナツさんも回答されてある!
これは楽しみ!