魔法王国
2025年03月23日 (日) 20:32
 マリカさんたちは『大陸東方はとっくに人類が滅びている。いたとしても野蛮な部族世界か犯罪者流民の類が住んでいる』と認識していた。


 が、子孫であるフミカさんの時代は太陽王国が民主主義を掲げて市民軍によって王国陥落させて帝国にまで攻め込む、最終的に帝国と「ひざのくに」が組んで太陽王国相手に帝国本土決戦となり撃退。

 王国は色々あって復活するも、三国ともずったぼろになる。


 ニンフ貝の脅威が去ったのをいいことに三国+相変わらず便乗する藩王国の邑々から、かつての『車輪の王国』が大陸全土に築いた『街道遺跡』を使っての植民団が東方に派遣される(島流しかあるいは侵略か……)。


 記録では温暖で豊かな草原と豊かな資源を抱えている山々があるはずの大陸北部から中原を目指して旅に出る人々。
(※この世界では鉄ももちろん重要だけど、魔導強化技術の対象となる金銀銅水晶、軽量化魔法と魔導強化の副産物でどんな構造色でも発色できる魔法金属ミスリルの原料となるチタン、最近では透明化技術が確立されたアルミ資源など鉱山資源は重要。領地のほとんどが氷の上で陸地を持たない帝国本国では特に重要な資源。他にもアルミ装甲を破壊し帝国貴族にも有効な攻撃手段となる液体金属なども大事)


 みんなで都合よく『おお約束の大地!』 ……とか思っていたのに、そこには魔導装置が暴走してもはや誰も元に戻せない謎の酷寒地帯が広がっていた。

 ここでニンフ貝とニンフの脅威から国土を気象魔法で凍結されることで生き残った、英雄時代の『魔法王国』が政治経済の形態変えつつ未だ存続していることが判明!

 当然戦争になる。


 失われた魔法技術を保有しているが、魔法で守れる国民以上を確保できないことから金融も保険も銀行も廃れ、経済活動はいまややる気がない魔法使いたちが担っていて、実態は官僚に丸投げ。
 そんな彼らが貴族と王族となった魔法王国。
 彼らのやる気は最初から低かった。

 なんやねんこの西から来たおかしなん。

 えっ? 人間食う支配者の帝国?
 ありえんだろ。えっそいつら銀行運営していて自分たちに反旗翻す奴らの借金をも金融商品にして経済回してる? あかんわー。こいつらとは相容れへんわー。

 そして本国から離れすぎている三国と藩王国の邑々は魔法王国にあえて賠償を払って、魔法王国以東への通行を許可してもらうことで合意。


 魔法王国も国土維持できたらそれでいい。
 魔法王国は三国経済に参加して経済拡大すると国民増えすぎて自殺行為。
(※ひょっとしたらさらなる東方には気象魔導装置を直す技術があるかもしれないし)

 というか、三国は帝国銀行が機能していて経済規模なら圧勝しているが、わざわざこれ以上極寒の国を制圧する意味がなかった!

 この面倒な閉鎖的国家さえ通れば暖かい土地がある。
 一応魔法王国は藩王国含めて領土権を主張しているが。(※この時代でも藩王国は節操がない)


 後年、朝貢してくる藩王国の邑をめぐる魔法王国使節団の貴族娘のドレスがたまたま緑だったからとそれはヒ素と抜かして公衆の面前で脱げとか言い出すアホが騒ぎを起こす(ミハル)。

 魔法王国との戦争を知らない世代の冒険者たちが各国の思惑と魔法王国の認可を受けてさらなる東方に向けて旅立つ(ミハル一行)。目指せ旧『車輪の王国』!


 こんな流れである。


【そのざっくりした歴史】
 魔法王国は戦神を奉じる部族が、魔導帝国崩壊後の混乱期に国を守るために発動していた魔法装置維持のために苛烈なカースト制度を敷いていた魔導帝国の生き残りたちと争い最後は融和することで建国した。

 カースト制度(※姓で身分がわかってしまう)撤廃の必要から独自の創氏を何百年も気を長く行う必要があったので、男性は男性名詞、女性は女性名詞の名前を持っている。

 そして彼らが結婚することで二人の名前がくっついて家名(『ゆりと剣』『金剛石と栄光』など)と新しい生業が決定する。
 土地柄経済規模を縮小することで生存してきた閉鎖的かつ小さな経済をもつ国家だが、いろんな職につくこと、自由恋愛はむしろ推奨されている。

 基本みんな知り合い。
「なんや。あそこのハナタレが総理か」なノリ。
 ある意味藩王国ににている。

 基本男女問わず長子相続だが二人目以降は二人の名前を合わせて創氏する。長子同士でも互いの恋愛感情が優先。
 きょうだい、時として親子の結婚も認められる。ただし遺伝病がないわけではない。


【支配者】
 名代(※王様)
 立憲君主。戦神(※初代王と同一視されている)の代行者。
 戦神を奉じる部族主力は部族王とともに去った(※チーアたちの時代の西部都市国家群)のだが、残った部下たちがカースト制度に喘ぐ民や降伏した魔法使いたちを率いて融和し建国したため。とっても尊敬されている。

 教皇
 現在の魔法王国は各宗派入り乱れた結果、独自の神話を生み出した多神教だが、『主神の父は天空神』とされるのでその代理(※チーアたちの時代における正義神?)。この国ではそれこそ各家庭レベルで奉じる神も変わるが、神々の争いを調停。しているはず。多分。

 教皇さまの発言は個々の神さまの教義より重要。
 一応魔法使いたち(貴族王族)を束ねる。争いなくて魔法で色々やってたら幸せな人々。

 総理大臣たち
 実務担当。
 教会が金持ってると腐敗するので魔法使い以外が多く……というか魔法使いたちが魔法使えない民に財務とか俗世の庶務を丸投げしたため伝統としてお金の管理をしている。特にこの国では代ごとに創氏するせいで官僚機構を作るのが大変で、教会とか貴族王族と別れた。

 総理大臣及び議員は身分性別問わず選挙とクジを合わせた独自の直接選挙で選ばれる。

 余談だが今代の名代と教皇と総理大臣は全員女性。
 公用語は古代語。カジュアルなときは新古代語。文字は共通。だいたい文法は同じで発音だけ違う。

 さらにこれらは魔法言語である上位古代語や精霊語を語源としている。その魔法性のため外国人には複数の母音と子音が同時に入り混じって聞こえてしまい、基本まともに聞こえない。

 神様や人間に化身や別名がめちゃくちゃあるせいでその時その時に応じて様々な神様や言語を使い分ける実にややこしい言語文化を持つ。

 ただ話すだけなら、口頭言語を是とせず口笛言語と香りによる花薫文字と踊り言語を主とするひざのくに半島三部族よりややこしい連中。
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