2013年09月20日 (金) 00:15
読んだ覚えのない話が既読表示になってたら面白いんじゃないか、とか思って始めた仕掛けだったのですがどうやらあまり意味のない仕掛けだったようです。
9/17「読んじゃだめだよ?」
↓
9/18「読むんじゃねーぞ?」
↓
9/19「これは不幸の小説でした。」
タイトル、あらすじ、小説本文を一日ごとに丸ごと書き換えるということをやってみたのですが、普通同じお話を2回読もうなんて思わないから誰も気がつかなかったようでして……。
現在は「読んじゃだめだよ?」に戻っております。
活動報告を読んでくれる方もそもそもいないような気もしますけれど……。二日分の犠牲者は参考までにここに乗せておくことにします。
★一人目の犠牲者★
タイトル「読むんじゃねーぞ?」
あらすじ「絶対に読むんじゃねーぞ?」
読むなって書いたのになんでこのページを開きやがるっ?
くそ、くそ、くそ、冗談じゃない。
昨日のアイツが。まさか。
ああ、もう。
お前に言わなくちゃいけないことがある。
これは「不幸の小説」だ。不幸になりたくないヤツは今すぐ閉じろ。わかったな?
この先を読んでしまうと、もうどうしようもない。知ってしまうと、不幸になる。
だから、この先を読むんじゃない。今すぐ閉じろ。わかったな?
――ここを読んでるってことは、お前、不幸になる覚悟はできたってことか?
じゃあ、遠慮なく語らせてもらうとしよう。
……昨日ここで「読んじゃだめだよ?」という短編を読んだヤツはいるか?
この短編が既読表示になっていたなら、読んだんだろうな。
俺は昨日、その短編を読んで、アイツの代わりに不幸になった。
ああ、今日初めてここを読んだヤツはわけわかんないだろうな。
昨日までこの話は、「読んじゃだめだよ?」という短編だったんだ。
内容はくだらねー話だった。
馬鹿っぽいオンナの一人称で、「不幸の小説」とやらについてだらだら書いてあった。
不幸の手紙だとか、チェーンレターだとかぐだぐだ語った後。
その「不幸の小説」を読んだ人間が、お話の中に閉じ込められるというくだらないオチだ。
俺はもちろん鼻で笑ったさ。
よくあるオチだ、つまらない。
……だが。
馬鹿みたいでウソみたいな話なんだが、俺はその短編を読んだ結果、不幸になった。
つまり、あいつの代わりに俺がこの話に閉じ込められた。
意味がわかんねーだろう? 何言ってんだって思うだろう?
俺もそうだった。「読んじゃだめだよ?」なんてフリだろう。つまり読めってことだろう?
そう思ってくだらねーって鼻で笑ってたさ。オチもつまんなかったしな。
だけど実際このザマだ。
俺は、|ここ(・・)にいる。
俺は、お前が今読んでいる、短編の中にいる。
――だから、俺も、アイツと同じ手を使った。
ここを読んでるってことは、お前、俺のフリにまんまとひっかかったってことだろう?
あはは、ひっかかりやがって。
これは「不幸の小説」だ。読んだヤツのうちの一人が不幸になる。
つまり、俺と入れ替わりにこの話に閉じ込められる。
ここまで読んでしまったら、もうおしまいだ。
――だから、読むんじゃねーぞって言っただろう?
明日は、お前の番だ……せいぜい頑張れよ。
★二人目の犠牲者★
タイトル「これは不幸の小説でした。」
あらすじ「たぶん、読んでも不幸にはなりません。」
いくつか短編を投稿したことのある経験上、投稿して三日目ともなればがくりと閲覧数は落ちるものですし、いったいどれだけのひとがこのお話を読んでくださるのかそれとも読んでくださったのか、それすらわたしには想像すらつきませんし、ですから最初にこの「不幸の小説」が投稿されてからの全てを読んでくださった方が果たしていらっしゃるものやら、まったく想像もつかないことではありますが。
……まぁ頑張ってみることにします。昨日の名前も知らない「俺」さん。
一度読んだお話を毎日読み返すなんてことはないでしょうし、どなたもお気に入り登録されたわけでもないようですので、三日連続でこのお話を読んだ方よりも、むしろ初めてこのお話を読む方のほうが多いのではないかという気もしますが実際の所どうなのでしょうね。
初めてこのお話を読まれる方には、ここまでずいぶんと回りくどくよくわからないことを書き連ねているようにしか思われないでしょうけれど、このお話、昨日までは「不幸の小説」だったんです。
内容からするとむしろ「呪いの小説」と言ったほうが近いのではないかという気がします。前、「呪いのビデオ」なんて流行ったりしたでしょう? ビデオを見た人が一週間以内にみんな死んじゃうってやつでしたっけ。あのサダコさんとかがテレビの中からでてくるような、呪いのビデオ。
まあこのお話は小説なので文字だけですし、画面から何か変な物が出てきたりはしなかったのですが、このお話を読んだ人のうち一人が、このお話の中に閉じ込められてしまうという、「不幸の小説」だったわけです。
え、じゃあ何か、今語っているお前は何者なのか、って話になりますよね?
……わたしはたぶん、三人目の犠牲者です。
最初の人がどうも、被害者を装った加害者の疑いもあるのでもしかしたらまだ二人目なのかもしれませんけどね。
――つまり、今こうして語っているわたしは、このお話の中にいます。
いや、信じる必要はないです。「不幸の小説だった」と過去形で語った通り、わたしの思惑がうまく行ったなら、もうこのお話に閉じ込められる人は今後いないはずですから。
どういうことかって?
簡単に説明すると、このお話は、ある種の儀式だったのです。
不幸、呪いを成立させる条件は大きく二つ。
ひとつ、読んだ人が呪いを受け入れること。
ふたつ、一定量以上(おそらく八百字程度)の文字を読ませること。
この一つ目の呪いを受け入ることというのは「これ以上読むと不幸になる」という意味合いの文言を読んだ上で、自分の意思で先を読むことを意味します。
今語っているわたしは、あえてこの一つ目の条件を無視しました。条件を示さずに不幸の内容、つまりこのお話の中に閉じ込められるということを語ってしまいました。
なので、今日のお話を読んでこのお話に閉じ込められる人はいないはずです。
……二つ目の条件、これは想像となってしまいますが。
「わたしはこのお話の中に閉じ込められています」。つまり、このお話に書かれている全ての文章が「わたし」であるとも言えます。
つまり、「わたし」を一定以上読むということは……だいたい想像がつきますね?
わたしが
あなたの
記憶に
知識となって
あなたと「入れ替わる」んじゃないかと、