2018年04月17日 (火) 22:32
その島は、非日常でできていた。
ふわふわと浮かぶトラック。飛び交う煎餅。これは何かしら超常異能バトルのようなものがあるのではないかとワクワクしながらミツイ氏は島をゆく。
ファンタジーの気配濃厚な島の中で、一つだけ、異彩を放つ作品があった。
クロルさんの、
『ひたすら念力を鍛えるだけの話』。
超能力に目覚めた主人公。それは、たかだか数グラムの物質を動かすだけのもの。
しかし訓練に訓練を重ねて、徐々にその能力の上限を鍛えていく。
さあ、世界の存続に関わるような物語がここから始まるのか。それとも、ヒロインを謎の組織から守るような冒険活劇が始まるのか!
結論から言うと、始まらない。
ただひたすら、修行僧のように己の超能力を鍛え続け、始まらない物語の準備に余念のない主人公の姿がそこにはあった。
思わず声をあげて笑うミツイ氏。
氏はこのような阿呆が好きである。同類であるがゆえに。
飲み終えた三つのインカコーラの空き缶を、ものは試しにと宙に投げて、そこに浮けと念じてみた。
もちろん、缶はとどまることなくからころと地面に落ち、それを見て氏はからからと笑った。
愉快な気持ちと空き缶三つを抱えて、氏は島を後にする。
沖に出て振り返ってみれば、大きなタンカーが一隻、宙に浮いているのだった。
○ ○ ○
ども、三衣 千月の実務担当、集中力が途切れると踊り出す方、ミツイです。
こういうのを待ってた!www
クロルさんの、
『ひたすら念力を鍛えるだけの話』
カレーの話といい、今回の話といい、どうやらミツイはこういったシュールで阿呆なコメディが好きなようです。
真面目に切り替えて読むと、読者の認識と描写の間にうまくギャップを作ってあって、それが笑いにつながるのだと思います。
意図的にされているのだろうか。勢いだけで書けるとしても、自然とギャップの使い方を分かっているということなのでそれもすごいんですけどね。
とにかく、オモシロかった。
よし、笑ったところで明日も頑張ろう。
明日もお楽しみに!
超能力の使いようによっては本当に英雄に成り得る存在でしたね!
最初の3gからの成長がまたオモシロさを出している話でした。