2018年04月23日 (月) 23:28
ミツイ氏は見知らぬ浜で目を覚ました。
土日の間に長い航海をして、気が付けば遠くまできていたようだ。
航路図を見れば、どうやら思っていた場所とは違っているようだった。しかし、電子の海を気ままに進み、ふと出会った作品を読むのがこの旅の醍醐味である。
氏はひとつ伸びをしてから、近くにあった作品を手にとった。
梨 鏡弥さんの
『私は一時間後に死ぬらしい』
読み終わったときに、氏は呟いた。
「珍しい」
死に戻り、ループもの。ジャンルでいえば、この短編はそれらに属する。
しかしよくあるようなそれらと違うのは、視点がループする対象に無いというころである。
数多くあるループの中の一回。
しかしそれは、ループする者以外には、ただ一度きりの一回なのだ。
この話では、主人公は死を予言される。
そしてそれを救うために自分がいるのだと述べる相手を信じて行動する。
結末を前に吐露される、主人公の心の内は、とても心を打つものだった。
その一言をここで記すことはできないが、視点者を変えたことでしか生まれない台詞だったということだけは強く押しておく。
飲み終えたインカコーラの缶を舟に投げ入れようとしたが、手元が狂って海へと落ちた。
ぼずん、と水を飲み込み、空き缶は電子の海へと沈んでいった。
○ ○ ○
ども、三衣 千月の実務担当、三日に七食TKGな方、ミツイです。
なんあであんなに美味しいんでしょうね。仕事終わりに家で食べるTKGってのは。
さて、今日読んだのは、
梨 鏡弥さんの
『私は一時間後に死ぬらしい』でした。
おお、そっち視点かと思いつつ。
中編くらいで書いても全然問題の無いテーマだと思うのです。
こう、流行における一種のアンチテーゼ的な。
もう四月も終盤ですね。
春のコメビュー祭りも終わりが見えてきました。
だからといってどうということはないのですけれどもね。
さて、それではまた明日もお楽しみに!
ファンタジーな設定なのに、リアルに感じられるのがよかったですね!
いやあ、好きな部類でしたね!