「姉の聖女の力を封印してしまった」完結記念キャラ語り
2023年04月29日 (土) 07:16
皆様こんにちは。
「姉の聖女の力を封印してしまった」、本日無事完結しました。

あとがきのほうにも書いてますが、「こんなに長くなるとは思わなかったなー」というのがこの作品を書きあげた感想です。
10万字程度の予定が40万字超えってなにそれ。なぜこんなに長くなったのかと言えば、キャラが勝手に人格を持ちやがったからだという気がします。わたしはわりとセリフ多めな作風だと思いますが、しゃべらせるとキャラに人格が生まれてさらにいっぱいしゃべってしまうんですね~。
というわけで、愛着が出てしまったキャラたちとこのままお別れするのが忍びなく、自己満足のキャラ語りをしたくなりました。わたしがやりたいだけです。許してください。
ネタばれを含みますので、ネタばれがお嫌いな未読の方とお寒いのがお嫌いな方は、以下の駄文はないものとしてそっとこの場を閉じてくださいませ。



以下駄文↓

さて。まず作者自身の推しキャラですが。
カイル・エッカルト子爵です。すみませんすみません(なぜあやまる)。
彼はねー、名前だけ出てきた時点では単なる雑魚敵で破滅の予定だったのですが、わたしに気に入られて狂言回しポジションに落ち着きました。なんもかも俯瞰で見ていていけ好かない奴ですが、そういうところが好きなんですっ! あと単純に顔がいい。一番絵で見たい奴です。描けばいいんだけど、わたしは絵柄が古くて歳がバレるので、描いてもどこにも公開せずに一人でにやにや眺めるだけだと思います。カイルはディートハルトのことを結構気に入っている様子ですが、ディートハルトのほうは今のところカイルに対して何も思ってないですね。ゆくゆく「意外と如才ないやつだな」ってディーも気にかける日が来るかも。てか、来てほしい。そしてカイルはこの先、うっすらとディートハルトの味方であり続けてほしいと思います。うっすらとがいいです。

常識担当のアウレールはお疲れ様でした。彼には苦労かけました。ごめんよー。
アウレールとドロテアが安定してるから、君は王都で上手いことやっていけたんだよとミアに言っておきたい。ドロテアは賢い世継ぎを生みますので、いろいろあったけどカレンベルク本家はじきに権勢を取り戻すと思います。よかったね!

本作の勢い担当、モニカ・ストロッツィ。「勢いのあるバカ」なのは最初から決めていましたが、思った以上に突っ走ってくれました。バカ強キャラは書いていて爽快で良いです。今後はアンネちゃんとコンビで王様と宰相にこき使われてほしい。こき使われつつ、王様だろうが宰相だろうが利用し返すようなふてぶてしさを持っていてほしい。他国に潜入スパイとかどうすかね。アンネちゃんのハニートラップに引っかかる男はもれなく破滅です。二人のバディもの、是非読んでみたい。陰謀とアクションてんこ盛りでわたしの手には余るので、人気作家のワス・アズワルド先生お願いします(日本語で)。
モニカはゲートルド人なので価値観も宗教観もほかのキャラとちょっとちがうのだと思います。アンネリーゼに人の心を取り戻させたのはフローラだけど、その心を自由にしたのはハルツェンバインの常識にとらわれないモニカでしょう。
ローレンツもモニカの開放的なところに惚れたのでしょうね。ローがゲートルドで漢を見せたのは、ゲートルド王アルヴァロがモニカの元彼だったからに違いない。ニヤニヤ。

で、本作の悪役令嬢アンネちゃん。我儘放題に好き勝手やっているようで、実はハルツェンバイン貴族の価値観にがんじがらめになっていたのが彼女なのかなーなんて思います。コルドゥア様が生きていたら、アンネちゃんに真の我儘を教えてくれたのかもしれません。
悪役ですけど、ときどきまともなことも言ってます。文句言うなら当事者が出てこいとか、悪しざまに言うなら具体例をあげろとか。ラングヤール侯爵に謝らせたときは正直爽快だったので、アンネちゃんもわたしにとってはヒロインです。
アンネリーゼは今後被災地でも戦地でもガンガン癒しに行って「黒衣の聖女」って呼ばれるんですけど、戦地では瀕死の兵士を一瞬で癒して即戦場に叩き返すので、聖女に戻ったのに結局「魔女」って呼ばれて恐れられたりします。きゃーかっこいい!

フローラはわたしもよくわからんです。この話、フローラ視点が存在しませんし。精霊に一番近いのがフローラなんでしょうかね。聖人度でいったらフェリクスよりフローラが格上、そりゃフェリクス殿下もガーンとやられちゃうってもんです。ところでこの二人、結婚するらしいけどちゃんと事に及んで子とか成せるんでしょうか。心配だ……。
どこからともなく「百合の間に男を挟むな」って声が聞こえてくる気もするんですけど、わーわーわー知らない聞こえないっ。

本作には1ミリも関係ありませんが、フェリクスの魔力は火属性と風属性の混合型で、本気出すと三兄弟で一番殺傷能力が高かったりします。やさしい性格の奴にでかい破壊力を持たせるのと、きつい性格の奴が回復系なのは、わたしのヘキです。ほかの作品でもやってますし、きっとまたやる……。

書いているうちに男前に仕上がっていったのが王妃様です。「さっぱりした性格」くらいのふわっとしたスタートだったのですが、感想にもいただきましたが出て来る度になんかやってくれる。チョップとかアイアンクローとかげんこつとか。武人を多く輩出している家の出身で、腕っぷしの強い男兄弟が何人もいるという裏設定が後からできました。長男と三男のことは「やばい。自分に似た」と思ってるだろうなあ。聖堂が性に合わなくて、コルドゥアと二人で不良聖女だったと思います。どこで王様(当時王太子)に惚れられたんでしょうね。なんかドラマがありそうです。考えてないけど。

シシィとヘッダ。わたしは女の子どうしがきゃっきゃするシーンが大好きで、中でもお嬢様とメイドのきゃっきゃが大好物です。ミアがシシィとヘッダときゃっきゃするシーンは書くのが楽しかったなあ。シシィがミアの帰省旅行で仲良くなった騎士とくっつく話は、本編と全然関係ないのになぜか早いうちから妄想していました。後日談に書けてよかった!

今のところ全然予定はないですが、もしスピンオフ作品を書くとしたら今度はユリアンがヒーローかなあ。本作でのユリアンは失恋しちゃってかわいそうだったので、お年頃になったらかわいい(でもたぶん強気な)女の子といいかんじになってほしいです。学園物になる気配濃厚ですねえ。いやほんと書く予定まったくないですが。

こんなところかな。
あ、メインの二人忘れてました。「元気がいいねえ」って思いながら書いてました。いつだったか、「ハッピーエンドにしたいならハッピーエンドが似合うキャラを主人公に据えろ」という話を聞きなるほどと思ったのですが、ミアとディーはまさしくハッピーエンドが似合うキャラだなーと思います。


本作は「田舎で暮らす親のいない女の子が実は貴族の令嬢で、王子様と結婚する」という、昭和の時代からありそうな少女小説の王道が書きたくて書きました。公募に出すわけじゃなし、流行とか知らん、もう好き勝手書いてやれー!と気の向くままに出力した結果がこれです。予定の四倍近く長くなって、タイトル回収できたときは感激しました。長い作品はキャラの関係性が育ってくるのがとてもうれしい。この物語はキャラたちが作っていってくれたかんじがします。いつかまた長いお話を書きたいです。

この長いお話に最後まで付き合ってくださった皆様、本当にどうもありがとうございました。毎日PVをチェックするたびに、ぎゃっ、読んでもらえてる!と小躍りしていました。公開直後にいいねをいただこうものなら「ありがとう! 愛してます!」と心で叫んでいましたよ~。さすがに次作はもっと短くタイトにまとめるよう努力しますね。

では、いつの日かまた別の作品でお会いできますように。
サカエでした。
コメント全2件
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サカエ
2023年05月03日 16:57
千賀藤兵衛様

こんな駄文にまでコメントありがとうございます~。

カイルは「破滅させない」と決めたら決めたで、使い勝手がいいキャラでした。作者までたらしこむんだから、きっと身分以上に出世しますよ。
大僧正様はきっとほんわか癒し系の顔してます。たぬき顔です。(関係ないけど宰相は、一見人が好さげに見えて糸目を見開くと悪い顔になるタイプです。きつね顔です。)
ジェッソは「死界の番人」とか言われちゃう禍々しい風貌ですが、中身はアレですw

最後までうちの子たちにお付き合いいただきありがとうございました!
千賀藤兵衛
2023年05月02日 21:44
 カイルは、言われてみればおいしい場面をいくつかもらっているようですね。たとえば「90・アンネリーゼの聖なる愚者」での出番はカイル以外の人物でもかまわないような役ですが、カイルを出したかったわけですな。
 シシィとヘッダはバランスのよい、よいコンビだったと思います。
 上で触れられている人物以外では、有能誠実でなおかつちょっとトボけたところのある大僧正や、不器用の権化ともいうべきジェッソが印象的でした。