2019年01月12日 (土) 09:29
2019年が明けて、しばらくが経ちましたね。皆様、明けましておめでとうございます。
大変ご無沙汰いたしております。涼風です。前回の投稿からどれだけ経ったのか、考えるより先に冷や汗が出るわけですが……この通り、ひとまず生きております。
本日は、これまで消えていた間の簡単なご報告と、今後の予定について、そして重大なお知らせを、こちらに纏めたいと思います。例によって例のごとく長くなりそうなので、「涼風のアレコレなんて興味ねーよ」な方は、下の方までざっと飛ばしてくださいませ。
正直、これほど長く執筆から離れることになるとは、遡ること2年前には、まるで予想していないことでした。通常の仕事と執筆のダブルワークもかなり慣れて、職場を変えても執筆のペースさえ崩さないようにすれば大丈夫だと確信し、実際上手く回っていたからこその予想外だったとも言えます。
この2年間、私の身に起こったことをざっと要約すると、
新しい職場に非正規で入社→数ヶ月後、非正規の私一人を残して職員が総入れ替えとなる→正規職員が足りず、半ば強引に非正規から正規雇用へ→新採用された現場責任者が、僅か数ヶ月で退職→仮ではあったが現場責任者となる(この時点で入社して1年足らず)→売り上げのために顧客を増やせという会社側と、人員不足で回らない現場との間でひたすら右往左往→更に、新園開設のための準備、新人教育、事務仕事なども振られ、もっと右往左往→オープンした新園の責任者も兼ねる→2園間を行ったり来たり→体調崩す→診断書を会社へ持って行く→「診断書が信用できない」と突き返される→何度も退職届を出して話し合い→2018年12月末で辞めることになる→「人が足りない」と前言撤回される→1月から3月は短時間勤務で残ることになる(イマココ)
って感じになるんですが……改めて読み返すとめっちゃ会社に振り回されてるっていうか、これは私キレても良いんじゃないかって箇所がチラホラありますね。
そもそも現場で子どもの命を守る専門職である保育士に、門外漢な分野の事務仕事任せる時点でどうなのって話ではあるんですが……まぁ、そういう常識が通用する会社じゃなかったってことです。現代日本に掃いて捨てるほどある、会社経営陣はホワイトだと思ってるけど内実は真っ黒な中小企業にうっかり就職しちゃったと、まとめればそんな感じでしょうか。就活中の皆々様、内定がなかなか出なくて焦ることもあるかもしれませんが、妥協してはダメなところはきっちり抑えて、可能な限り健全な職場をお選びください。個人的に最低限抑えておくポイントは、有給取れるかどうかと(有給の計画的付与とかいうので会社が勝手に減らしてくることもあるので要注意です。カレンダー通りに休めても、それが会社できちんと定められた休日とは限らず、祝日休みを勝手に有給に割り振られ、知らないうちに有給が減らされていることもあります)、昇給、賞与を出した実績があるかどうか(賞与の支給日書いてなかったり、会社の業績によって変動とかの但し書きがある場合は要検討案件です)、仕事の具体的内容の確認(保育士に請求書作らせるとか、営業電話掛けさせるとか、バカ殿時代のジュークもびっくりな仕事振ってくる会社が現実にあります)など、この辺りかなぁと感じてます。
そんなこんなで右往左往しておりましたが、それでも執筆はしようと私なりに頑張りました。が、やっぱり名前だけでも現場責任者になってしまうと、曲がりなりにも子ども達の命と育ちの責任を背負っている立場として、仕事に割く時間と精神の割合が多くなり、精神的に執筆が難しくなり……今に至るわけです。たまに活動報告しようかと思っていたんですが、なにぶん働いている会社がこんな感じでは、活動報告の文章がうっかり愚痴と呪いの言葉まみれになりそうで、マイナスな感情をなろうやTwitterにはぶつけたくないなぁと思うにつけ遠ざかっておりました。生きているかとご心配くださった皆様、何もかもが滞ってしまい、申し訳ありません。そして、忘れずにいてくださり、本当にありがとうございます。
以上を踏まえての今後ですが、12月末で辞めさせてもらうことはできなかったものの、どうにかこうにか短時間勤務の立場をもぎ取れましたので、取り敢えず執筆のペースを戻せるかなぁというところです。とはいえまずは書籍7巻の刊行に向けての作業が優先されますので(全編、書籍オリジナル展開予定です)、なろうの更新は今しばらくお待ちくださいませ。早くて春、遅くとも梅雨時までにはなろう側を再開できたらと考えておりますが、予定はまだまだ未定です。書籍の作業が詰まったら、息抜きがてら短編系を書いて不定期更新はするかもしれませんが(目下ネタがあるのはエルグランド学園)。
なろうユーザの読者様方をお待たせしてばかりなのが、ただひたすらに申し訳なく……悪役後宮はもちろんのこと、小説を書きたい欲で溢れてはおり、書くべき優先順に一つずつこなして参りますので、たまに思い返す程度で気にかけて頂けましたら幸いです。
以前にも申し上げたかもしれませんが、涼風が生きている限り筆を折るということはあり得ませんので、その点はご安心くださいませ。年単位で消えても、生きている限りはお話を書きに戻って参ります。
さてさて、長々と失礼致しました。お知らせだけ知りたい方は、これ以降をご覧ください。
本日、2019年1月12日、おそらく作者が一番楽しみにしていた、『悪役令嬢後宮物語』コミカライズ第1巻が発売となります!!
既に分冊版は、各電子書籍販売サイトで配信されていますが、それが一冊にまとまり、コミックスとして発売されます。
コミカライズご担当者様は晴十ナツメグ先生、様々なマンガや挿絵イラストで幅広くご活躍されている方です。『あなたの勇者浮気してますよ』や『カイダンにっき』などなど……既に何冊もコミックスを出していらっしゃるプロのマンガ家様にコミカライズを担当して頂けるとは、執筆滞っている現状も合わせて嬉しいより畏れ多い気持ちが勝ちますね。
自分が書いた話がマンガになるとか、10年前どころか5年前ですら想像していなかった現実です。特に『悪役令嬢後宮物語』に関しては、読み返すたびに「ライトノベルって分野に喧嘩売ってるなぁ」と感じる程度に文字が多く、さぞかしマンガにし辛かろうというのが作者の率直な感想でありました。コミカライズなんて、そもそも考えもしていなかったわけです。
そんなわけで、最初にコミカライズのお話を頂戴したとき、私の第一声は「大丈夫ですかね? 自分で言うのも何ですが、マンガにしにくくないですか?」でした。いくら編集様やマンガ家様が素晴らしくても、肝心の話が「文字数ェ……」な悪役後宮では、と。
しかしながら私は、プロの編集様、マンガ家様の凄さというものを、理解できていなかったと言わざるをえません。アリアンローズの有能なる編集者様方は、何枚も聳える高くて分厚い壁をばっさばっさとなぎ倒し、晴十ナツメグ先生という素晴らしいマンガ家様とお引き合わせくださり、コミカライズを実現してくださったのです。悪役後宮の世界観はそのままに、より面白く、読みやすく、親しみやすいコミカライズ版『悪役令嬢後宮物語』を誕生させてくださったその手腕に、ただただ脱帽します。
何より私が嬉しく思い、信頼し、尊敬したのが、編集様方の「自分達が納得できないものは、絶対に世に出さない」というポリシーでした。共に書籍の悪役後宮を作っていく中でも感じていましたが、コミカライズにおいてもそれは変わらず、譲らず曲げず、貫いてくださったのです。創作のプロとはこうあるべきと、編集様のお姿を拝見し、私自身も戒めと励ましを頂いたような気がします。
そして、晴十ナツメグ先生。文字と説明文が多い割に派手な場面が少なく、なのに衣装や建物だけはド派手で手間暇かかる(ネームにしにくくペン入れ多いって言うんでしょうか?)お話を、これほど素晴らしくコミカライズ化してくださって、本当に本当にありがとうございます。原稿を拝見するたびに、こんなところまで読み込んでくださっている、ここまで忠実に再現して頂いている、と感動ばかりしておりました。『悪役令嬢後宮物語』が、先生にとっても大切な作品となりましたら、原作者としてこれほど嬉しいことはありません。今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、原作者としましては、ここで読者の皆様方に向け、コミックスの見どころや素晴らしい点を力一杯プレゼンすべきなのでしょうが……正直、表紙から裏表紙に至るまで全部素晴らしく、見どころ満点なので、680円プラス税とちょっとお高めではありますが、是非ともお買い求めくださいとしか言えないのがもどかしいところです。これ、原作者の贔屓目とかじゃないですから。小説読まない知り合い何人かに読んでもらって、「めっちゃ面白い、続きないの?」って言ってもらえてますから。買って損はしないです!
特に、カイが大好きな皆々様。1巻からしっかり出してもらえて、小説時代のチョイ役臭が完全に消え去ってる彼を、どうかお手元へ迎えてあげてください。ちゃんと1巻の表紙に出させてもらえるなんて、出世したなぁ……(主人公のお相手としては順当な扱いというツッコミはスルー)。
個人的にはカイだけでなく、登場人物それぞれに見せ場があって、どのキャラクターファンの方でも楽しめること請け合いなのですが。リタも可愛いしエドも相変わらずだしシェイラは可憐だし……ホラこうやって書こうとすると「全部!」になる。
コミカライズ版の素晴らしさに、原作者の語彙力が追いつかないという体たらくではありますが、取り敢えず、面白いから読んでみてください。コミカライズ版『悪役令嬢後宮物語』も、小説版と合わせ、よろしくお願い致します。
あ、蛇足ではありますが、コミックス版の最後には、涼風が書き下ろしましたSSも収録されています。カイメインのお話です。ちょっとした付録感覚で、よろしければそちらもご覧ください。
できる限りコンパクトにと考えておりましたのに、やっぱり長くなりましたね……。長文病は、そろそろ治らない気がしてきました。
2019年はたくさん執筆して、なろうにもたくさん投稿できる年になりますように。まずは春頃の帰還を目標に、頑張りたいと思います。
それでは、皆様。今年も宜しくお願い致します。