FTミステリー
2012年10月07日 (日) 09:49
「魔女の香る毒」昨日だけで百人以上の方に目を通していただけたようで嬉しいです。

 FTやSFの世界でのミステリーというマイナージャンル。好きなのですが、あまりお目にかかったことがありません。
 プロの作家さんだと西澤信彦さんや、米澤穂信さんがいます。個人的には、海外のミステリーというのは、日本人にとって異世界でのミステリーなので、近いような楽しみが持てる気がする。
 その中でも、ソ連崩壊直後のハードボイルド小説や、ナチス全盛期のドイツにおけるミステリー小説を書かれている、フィリップ・ポー氏の作品群はかなりおすすめ。燃えます。
 あと最近のだと、異星人達がいる星に派遣された地球人調査員による謎解き『シリンダー世界111』や、二つの街が混在して同一箇所に存在するという架空の都市で怒る殺人事件を扱った『都市と都市』が面白かった。どちらも洋物なので、文章が苦手な人にはつらいかも?ですが。


 オンラインノベルだと以下のようなお勧め作品があります。

「フィーア島殺人事件」を始めとする、セイラお嬢様の事件簿シリーズ。
http://sinra.egoism.jp/1/mys/index.html
この作者さんの作品。「魔女は二度死ぬ」なんかもおすすめです。

「灰色」ファンタジーとかSFではないけども、素晴らしい館物ミステリー。
http://anaretta.web.fc2.com/works/gray/graytoc.html

「真夜中の住人たちと捜査官と。」ゾンビ捜査官の、灰色の頭脳が光る一品。
http://nekoi.jpn.org/novel.html

「1/10の悪夢」今で言うとバトロアとかボトルネックみたいな設定の作品。10年前くらいに一度完結した作品のリメイクで連載中。ものすごいお勧めです。ハラハラできるし、ミステリ要素も高いと思う。
http://cchte.fc2web.com/akumu/index.htm
同作者氏の「アクロバティック0.75 」も発表当時は衝撃的だったなあ
コメント全4件
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nisho
2012年12月01日 20:46
む、難しいですかね……!!
自分は怠け者なので、簡単なものに逃げがちですw
nisho
2012年10月08日 23:55
>鴉野 兄貴さん
どうもこんにちは。
「ククク」があまりにも面白かったので衝動的にお気に入りにしてしまいました。

ミノタウロスの迷宮、探してみたら3回くらい死んだ……!!
こういう変わり種作品を思いつく方々はすごいな。
ゲームブックとか作るの大変そうですね。

>やっぱりウソ発見や邪悪感知、特定の行動に対するギアスやクエストなどのある世界で犯罪を扱うのは難しいのでしょうかねぇ。
や、や、
現実だって科学捜査が発展して、結構推理小説を書くのは難しとおもいますw
へんてこりんな縛りのある中で、その裏をついたイカサマや犯罪を考えて見破らせるというのは、それだけで燃えますよw
nisho
2012年10月08日 00:29
>愛理 修さん
こんにちは。
正直思ってもいなかったほど多くの方々のお目汚しをしているようで、戦々恐々としています。
愛理さんも、稚拙に何度も目を通していただいてありがとうございます。若輩者ですので、なにかご指導いただきたいとおもいます。

たしかに非現実世界のミステリはマイナというほどでもないジャンルになりかけてますね。少し古いですが、「水晶のピラミッド」だってあれはFTだと思ってます(笑。
「竜骨」は作者氏がデビュー前からFTとミステリを書いていた下地があり、ともに書き慣れている感が受けたのかも知れませんね。ついでにFTの方にもっと戻ってきてほしいな……と少し思っていたりもするのですが。
 同じ頃から赤川次郎さん作品が多く出ていたり、「探偵アリス」や天才テレビくんのSFミステリドラマなどが放映されていたりという世代ですので、変わり種ミステリを受け入れやすい下地ができているのも、このジャンルが市場に増えてきたかなと思っています。非現実な世界での限定条件の中で提示される問題というのに燃えれるというか。柄刀一さんの「アリア系銀河鉄道」という作品のパズル系ミステリ見たいのは大好物だったり。
ミステリーって、たとえば毒入りチョコレート事件で最新の医学書をとりあつかったり、常にその時代のいトレンドを取り入れて発展してきた、という印象があります。最近だと東野圭吾さんのガリレオシリーズなどがそれに近いのか。それに想像を刺激されて、SFミステリなども増えてきているのかなと。
個人的には、突飛な設定や、超展開でありつつも、どこが筋が通っているような作品が好きでして、この手のジャンルが隆盛してくれると嬉しいと思っているのですが……!!

自分はあまり、ミステリに本格推理小説としての完成度をもとめていないというか、六枚のとんかつが楽しめてしまう人間なので、そこまで吹っ飛んだものでなくとも、ミステリ+αな作品が増えてくれている風潮は嬉しかったりします。詠んだミステリの作品数は、プロの作品と、アマの作品(主にネット)が同じくらい、だったりするかも知れません(笑。
 もっと混沌とした変なジャンルになれ、ミステリー!と(笑。
愛理 修
2012年10月07日 19:08
「魔女の香る毒」、昨日に引き続き今日も好調のようで、僕のほうも嬉しくなっています。いいものは、やはり多くの人に読まれるべきです。

FTやSF系のミステリはいまではマイナーな存在ではないです。昨年の文春のベストテンで、「折れた竜骨」が2位になっていたことが、それを示しています。ひとむかし前では考えにくい状況です。読者層の変化と、推理ジャンルが新味を出すのに行き詰っていること、そしてFT・SF系の作家がミステリに手を染めだしていることによるものでしょう。今後もこの傾向は、しばらく続くと見られます。僕のような古くからのミステリファンには、頭が痛いことです。

ご推薦の「灰色」を読ませていただきました。館ものというより、真っ当な推理小説だという印象を持ちました。トリックにちょっと弱いところあります。あと、あっというサプライズを出したかったので赤の章を入れられているのですが、推理小説として読んだ場合、赤の章は無用です。そちらのほうが推理の面白さが強調でき、完成度も高まったと思います。しかし、普通のまともな推理小説を書くことが難しくなっている現在では、いた仕方がないことかもしれません。

「魔女の香る毒」、もう一度目を通して、今度は正式に感想を書かせてもらおうかと思っています。甘くないかもですので、よろしくお願いします。