あなたに聞く、新しいミステリの十戒
2013年03月31日 (日) 18:13
バトンを作ってみた

ミステリーを書く上で、これだけは守らなくちゃいけねえぜ!
ということについて書かれているノックスの十戒。
でも、もう内容が古すぎて参考にならないよ!

ということで、あなたなりノックスの十戒を書き換えてください。



一、 物語の当初に●●を登場させること
 →物語の始まりに、バールのようなものは必須

二、 探偵は●●的な方法で犯人を追いつめてはいけない
 →カツ丼的な方法で犯人を追いつめるのは、刑事の仕事だ

三、 犯行現場に●●があってはならない
 →犯人の指紋、DNA、身分証明書があってはならない。すぐ謎とけちゃうからね

四、 犯行やトリックに、●●を用いてはならない
 →氷とか、鏡を使ったトリックはちょっと……と書こうとしたけど、
  日本では、屋敷を使ったトリックを書くのが一番勇気がいる気がする

五、 ●●を登場させてはならない
 →プロの犯罪者を登場させてならない。
  ってのがヴァンダインの20則にあるけど、割とその通りだ。

六、 ●●に頼って事件を解決してはならない
 →ほかの探偵に依頼して事件を解決してはならない。

七、 ●●な場合を除き、探偵自身が犯人であってはならない
 →プリンを食べたのは誰とか、そんな事件の場合を除き

八、 ワトスン役は●●●●
 →ワトスン役は和登さんが至高。

九、 自由記入欄1(これだけは外せないでしょ)
 →証拠をどうやって集めるか、というのはサスペンスの領域。
  事実からどう推理を組み立てるかが推理小説。

十、 自由記入欄2(もっとフリーダムに!)
 →とりあえず、アメリカ探偵小説は、終盤に逆上した犯人に主人公が追いかけられる展開をもっと自重すること
コメント全2件
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nisho
2013年03月31日 22:17
紀田順一郎さんは存じ上げていなかったのですが、神保町の怪人は面白いよと勧められたことがあります。
そういえばこれもビウリオミステリ……!
さり気なく探すリストに入れておきます(笑。
本屋巡りが楽しくなるなあ。
ご存知かも知れませんが、安楽椅子ものだと「時の娘」も好きですよ。


>バールのようなもの
 ニュースや漫画の「ありがち」を楽しむ、ネットで発祥した表現で、そんな勉強とかになる言葉では無いですよ(笑。
 
>刑事小説
 というと、島田荘司のやつくらいしか読んだことがなくて、それもあまりぴんとこず、苦手意識が……
 屋敷ものについても、乱歩や島田荘司、綾辻さんや代わりダネだと森博嗣さんという大御所のせいで、
 なんか日本を舞台にした館というか、建築ものは、恐れ多くて書けない……!! という萎縮です(笑
 
>まともな人
 ノックスやヴァン・ダインのような、非常に緻密で論理的な作品を書く人が
 「中国人を〜」とか「自尊心(プライド)のある作家なら、次のような手法は避けるべきである」とか面白い事を書いているのは
 彼らの冗句だと思います(笑。
 こう、友だちとお酒とかお茶を飲んで、ゲラゲラ笑いながら作ったんじゃないかと個人的には妄想しています。
 
>探偵が探偵に依頼
 何かで知ったのですが、探偵会社という世界では、依頼をさらに下請けの探偵会社にまわして……というのが割とよくあるそうなんです。
 という話はともかく、探偵が探偵に頼む…という構造は、その両方のキャラクターを面白く演出できればけっこう良いのではないかと、後々考えて思いました(笑)。しまった、一つネタを外に出してしまった。
 ホームズ作品におけるレストレイド氏の存在はいままで知らなかったのですが、探偵の友人刑事を主役にした小説ってのは面白そうですね。少し興味が…!!
 
>探偵が犯人
 実はこれは思いつかなかったからプリンを書きました。
 探偵が犯人だろうが宇宙人だろうが被害者だろうが、べつに構わないかなと本当は思っています。
 ただ、主人公が犯人の叙述トリックはもはや陳腐化している気がします。
 生まれて初めてならば「やられた!」となるんですが、二度三度と叙述トリック遭遇すると、なんか食傷してくるんですよね。
 貴志祐介「青い炎」や先日亡くなられた殊能将之さんのデビュー作を体験してから、たとえばアクロイド殺しを読んだのですが、正直あまりあれは(原始的な叙述ということもあって)楽しめなかった。
 という事を含めて、じゃあどうすれば自分が満足する面白い叙述トリックを書けるのかと、考えるのがまた楽しいんですが(笑。なかなか思いつきません。
 
>和登さん
 手塚治虫はホント、ストーリーとキャラクター作りの天才ですよね。
 手塚作品って、ほかに「この作品にはこのヒロイン!」って人があまり思いつかないんですが、つまり和登さんは手塚のヒロイン力が凝集された結晶ということですよ!
 
 鉄腕アトムの単行本では物語の導入部分に手塚がでてきて「これはこんな話だよ」「僕はこんな思いをこめて、この作品を作ってるよ」「こんな演出を意識ているよ」という解説をするんです。
 小説の書き方ではないのですが、多分、物語の作り方、演出の仕方という意味で、一番影響を受けているのがこの解説で(笑
 漫画というのがまた良くて、こまめに読み返しています。
 
>サスペンス
 実は、ジャンルとしては推理ものより、サスペンスのほうが書くのも読むのも好きです(笑。物語としてのテーマを添えて創るなら、サスペンスのほうが作りやすいし読みやすいのが理由だと思います。
 伊坂さんや宮部みゆきさん、石田衣良さんなんかは推理小説というよりも、サスペンス小説がすごく上手な人というイメージで。
 前の日誌に書いた、フィリップ・ポー氏もどちらかというとサスペンスよりで、自分の中では野沢尚さんと双璧をなしていたりします。
 謎解きの面白さよりも、物語としての面白さを追求していくと、推理ものからミステリーもの、そしてサスペンスものへと至っていくというイメージを抱いているのかなあ。

>十
 すぐにはいくつも作品が思い浮かばないのですが(笑
 たとえば、アリバイのAとか、追いかけられてたんじゃないでしょうか。あの作品は全体的に素晴らしかったのだけれど、犯人に追いかけられるシーンが妙に物語から浮いているというか、物語的に不要な感じがしてすごく気になりました。

ああ、なんか色々と想いをかたってしまって長くなってしまいました……
気障なセリフバトンは、ちょっと気になっているので愛理さんのがどんな文章を書くのか、首を長くして待っています。なあに、平安貴族だって歌会でおなじようなことやってましたよ!

このバトン?は半分ジョークなのですが
なろうミステリ界隈の方々が、どんなことを考えているのかなという興味もあったりします
よかったら、人脈のある愛理さんからいろいろと広げてくださると嬉しいです!(笑
愛理 修
2013年03月31日 20:30
こんなのを書いちゃいけないですよ。美味しすぎるし、嬉しすぎます。(笑)

前回の活動報告もそうですけど、nishoさん、推理小説お詳しいではないですか。「ビブリア」より「死の蔵書」。わかります。じゃあ僕は、三上延より、紀田順一郎といきましょう。いまのところテレビでしか「ビブリア」は接していませんけど、あれはあれで僕認めてはいますが。

このnishoさんの十戒は面白いですね。いましめというより、これ読ませてもらっただけで、その人の推理小説に対する考えがわかりますよね。

一の「バールのようなもの」は、すみません、僕初めてこの表現方法を知りました。勉強させていただきました。

二のカツ丼は、警察小説ではありかな?

三を読んで、現場にその人の指紋がそこらじゅうべたべたあって、そのうえでその人物は一度もそこに行ったことがないという謎を思いつきました。当然、解決はできていません。

四は、nishoさんは、なにか屋敷のトリックにためらいがあるのかな。なんだろう?

五は、納得です。確かにわりとその通りなんです。ヴァン・ダインって、わりとまともな人なんです。二十則のせいで、誤解されているとこあるんですよね。

六も面白い発想ですよね。探偵が探偵に頼む。レストレイドがホームズに頼むみたいなもんですけど、それをレストレイドの視点から描いたら面白いかもです。レストレイドを主役にした小説があるのですが、そういう展開なのかな?

七がちょっとわからなかったのですけど、たぶん、日常の謎のようなもの以外ということだと判断させてもらいました。探偵が犯人であってはならない理由のほうを考えさせられています。

八、和登さんは絶品です。女性のワトスンでは、最高峰のひとり。日本では、後続はみんな和登さんの真似ではないかと思えます。でも、和登さん越えていない。

九、推理小説の本質です。さすがnishoさん、わかっていらっしゃる。僕なんぞが誉めても、ま、なにもありませんが。エッセイでやりたいのは、実はそれだけだったりしています。

十は、具体的にどの辺の作品なんだろう。アメリカらしい展開なのは、よくわかります。自重のお気持ちも。

バトン、とても楽しませていただきました。現在、活動報告の更新をしばらく止めるつもりですので、いずれ挑戦させてもらいたいです。フリーマンさんからのバトンもあり、それも保留していて、できるのかなと内心不安もありますが、できたらいずれ。
推理小説ファンとしては、挑戦し甲斐のあるバトンです。

楽しまていただき、ありがとうございました。