2025年04月02日 (水) 15:57
エイリークが、わずか二年という短期間でトマトの種子などを集められたのは、チチェン・イッツァの協力があったからです。
エイリーク達はキューバ島のバハマ湾に村落を築き、そこを拠点に腰を据えた探検をしました。
そこで出会った文明が、メキシコのユカタン半島の北東の商業都市国家であるチチェン・イッツァ。
エイリーク達一行はチチェン・イッツァで何を求めたのか?
もちろんエイリークにとってはトマトなのですが、他の船員達が求めたのは「女性」あるいは「伴侶」でした。腰を据えて何年も拠点にいることを考えたら、当然といえるかもしれません。
チチェン・イッツァ側からしてみれば、「エイリーク達は女がいない部族か?」と疑問に思いつつも、女性を提供したことでしょう。
一方でチチェン・イッツァが求めたのは鉄製品、さらには鉄の製造方法です。
当時のチチェン・イッツァに青銅器時代。鉄器はありませんでしたので、それこそ喉から手が出るほど欲しかったに違いありません。
そこで鉄の製造法を手に入れるべく、チチェン・イッツァはエイリークの主君である、ジャン=ステラちゃんに使者を出すことを決断します。
さらには、王族の血統を有する女性を正使としました。これはジャン=ステラちゃん側と婚姻関係を結ぶことが目的です。
「女がいない部族なら、重宝し、丁重に扱ってくれるはずだ」と送り出したチチェン・イッツァ側も想定していたことでしょう。
それにしても、まさか大西洋を超えることになるとは、チチェン・イッツァ側も思ってもみなかったことでしょう。
そもそも、まともな通訳者もいない中で、身振り手振りの摩訶不思議な交渉が重ねられ、その末にこの使節団が誕生したのでした。
こんなエイリークの苦労話や、チチェン・イッツァの使者が巻き起こす面白話を書きたかったのです。しかし、第二部の主題である「神聖でローマな帝国」からすると外伝になってしまうので、泣く泣く収録を諦めました。
やっぱり、第二部の主題を進めないと、ですよね。
という事で、次話から欧州戦乱が始まります。
ピザ大戦じゃないですよ☆彡