2019年04月02日 (火) 18:54
どうも、令和元年目前ですね、鼠色猫/長月達平です。
全然関係ないけど、「令和」ってちゃんと変換されるんだね、驚いた。
さて、ずいぶんとお久しぶりの活動報告ですが、この一年も色々ありました。
すでにご承知の方も多いかと思いますが、リゼロのアニメ第2期の制作が決定しました! また動いて喋る! すごい!
平成はリゼロのアニメがあったので、俺にとってはとても思い出深い素晴らしい時代でしたが、令和もリゼロのアニメがあるので俺にとって素晴らしい時代になるかとすでにわくわくが止まりません。
そんなわくわくが止まらない状態で、エイプリルフールでした!
毎度、エイプリルフールかつ主人公の誕生日に投稿されるIFルート、今回は『ゼロカラツギハグイセカイセイカツ』でした。
相変わらず、「ツギハグ」みたいな使わない言葉を使ってのパターンでしたが、おおよそ内容としては字面から受ける印象そのものです。
ともあれ、この活動報告は作中で書けなかったこととか書かなかったこととか、いわゆる蛇足に当たる部分のお話をするので、ネタバレ全開になるから読んでない人は読んでからトライしてください。
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【この先、 ネタバレ !! 】
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■ナツキ・スバル【ツギハギ/ハリボテ/残骸】
・今年も大変な目に遭う本編主人公。本編でも大変な目に遭うのに、IFルートでも毎回ひどい目に遭うあたり、たぶん、異世界に向いてない。
・今回のお話は現在も続いている六章からの分岐で、記憶を『暴食』に食べられてしまったスバルくんが、異世界でみんなから認められる『ナツキ・スバル』を取り戻すために暴挙に出る、という内容になっています。
・記憶がないのと、『死に戻り』と、『死者の書』なんて条件が揃ったことによって、殺した相手の記憶から自分を復元することを思いつく悪い発想力。本編ではかろうじて実行しませんでしたが、このルートでは思いとどまることができず、『殺人が癖になる』をしてしまったパターンになります。
・ビジュアル的には髪の毛が白くなって、左目が濁っているなんて描写をしていますが、たぶん、最初の一冊としてベアトリスの記録を閲覧してしまい、彼女の孤独の四百年と、それを台無しにした自分の暴挙とのコンフリクトで精神が錯乱、ショックで髪が白くなり、何度も何度も壁や床に頭を打ち付けたことが原因で、かなり強い視力低下のようなものを招いた結果であろうと思われる。
・これまでのIFルートと微妙にメンタリティが異なり、若干の常人性を有しているのと、「悪いのは自分」という考えが根底にあり続けるため、顔見知りだろうと顔見知りじゃなかろうと、殺すときにめっちゃ心がひび割れる。
・とはいえ、『ナツキ・スバル』を取り戻して『死に戻り』すれば、何もかもが取り戻せると考えているため、殺すことへの抵抗感はあっても躊躇いはない。最終的に『ナツキ・スバル』に自分がなるのではなく、『ナツキ・スバル』が戻ってくる判定と考えているので、極悪人のツギハギスバルは消えるつもりなのである。
・ただし、このスバルが勘違いしているのは、みんなの英雄『ナツキ・スバル』は自由に時間を遡れると考えていること。つまり、セーブポイントの概念ではなく、フローチャートの概念と考えている。そのぐらい、みんなの記憶を閲覧したスバルにとっても、『ナツキ・スバル』のやってきたことは意味がわからない。固定されたセーブポイントに何度も戻るだけでクリアするように見えないのだ。
・そのため、掛け値なしにこのスバルは、『ナツキ・スバル』なら自分が発生する前に時間を遡り、全てをやり直せると信じている。無論、それは間違い。
・仲間たちの記憶を閲覧して、『ナツキ・スバル』をパッチワークしようとしても、その根底にあるレムの記憶がすっぽ抜けているのと、『暴食』に食われて白紙の本にしかならないレムを確認する術がないため、このお話は始まった瞬間からバッドエンドが確定している。
・唯一、シャウラだけはスバルを愛してやまないので、彼女とできるだけ長く長く一緒にいて、ラインハルトを殺す目処さえ立たなければ、少なくともスバルは希望を失わずに生きていける、はず。希望への道は善意で舗装されている。ただしイケメンに限る、みたいなお話でした。
■イマジナリアたんとイマジナリー家臣団
・イマジナリーエミリアたん略してイマジナリアたんを始めとした、スバルの脳内にしか存在しない家臣団です。身内を殺してその本を読み、彼らの人生を追体験することで思考形態などを学び、それによってスバルの霞んだ左目の世界にだけ顕現する、おおむね、平和でハッピーな日常を演出するお人形たち。
・ツギハグはもちろん、「継ぎ接ぎ」という言葉からきていますが、それは『ナツキ・スバル』を作ろうとするスバルのことだけではなく、スバルの脳内で再現される実感や本人の魂を伴わないイマジナリー家臣団にも当てはまるかなと。
・賢明なる読者の方々はお気付きでしょうが、イマジナリアたんを始めとした家臣団はスバルの思考の方針に対して色々と意見を述べたりしますが、基本的にはスバルの意見に反対しません。否定もしない。結局、彼女たち本人ではなく、スバルの中の都合のいい人格――自分の行為を否定されたくないスバルが作り出した存在たちであるので、まぁ、否定はしませんよね。これが本物なら、エミリア陣営の全員から総スカンを食らう事態です。ロズワールは普通に協力してきそうなので、そのあたりはイマジナリワールにも出ていましたが。あと、普通にみんなの記憶を見たスバルの目でも、ロズワールが許されてることの意味がわからないらしい。
・イマジナリー家臣団の中でも、『ナツキ・スバル』が恋していたと思われるイマジナリアたんに対する対応だけ微妙に異なる。それはイマジナリアたんの言動にも表れており、ちょこちょことスバルに助言めいたことをしたり、シャウラを気にかけてあげた方がいいみたいなことを言うのは、彼女たちがスバルが作り出した幻影であることを考えると、いったい誰の本音なのか。まぁ、それは明言しないのが華と言いますか、そんな感じです。イマジナリアたんマジ天使。
■オットー・スーウェン
・エイプリルフールのたびに何らかの被害を被るオットーですが、今回はある意味最大の被害者というべきか、最大の障害だったというべきか。
・ここは本編でもIFでも変わらないのですが、エミリア陣営の全員で話し合いをした場合、「一番敵に回したくないのは?」という質問の答えがスバルで、「一番敵に回したらヤバいのは?」の答えがオットーです。
・時間を与えて対策を考えさせると、理路整然と何をしてくるのか全くわからないところが怖いので、今回のスバルは最初の一撃として、都市を一個水底に沈める奇襲作戦でオットーを仕留めにかかりました。
・目前でガーフィールがやられながらも、冷静さを保ち続ける自分に嫌気が差すオットーですが、一番警戒されたのがその性質そのものです。なお、オットーを追い込む作戦には道中でスバルが得たレギンの記憶が大いに貢献していて、オットーがわざわざ説明していない『言霊の加護』の細かな対処法までスバルは熟知。そこで、利用される生き物のいなくなる水攻め作戦を思いつき、決行した形です。
・最後の最後、相対したツギハグスバルから聞かされた陣営内での自分の評価ですが、あの場面でイマジナリー家臣団が見えていたのはスバルだけなので、オットーからすればわけのわからない一人芝居を見せられただけの状況。『ナツキ・スバル』を目指す過程で、パッチワークだらけの紛い物となったスバル。それが『ナツキ・スバル』になれるだなどとちゃんちゃらおかしい。
・エンディングが見えたわけではないにしても、オットーはツギハグスバルの望む空っぽの未来を嘲笑い、「偽物」と痛恨の一撃を残してやられる。
・なお、イマジナリー家臣団に加わったイマジナリットーですが、イマジナリーフィールと合わせ、以前のように楽しく過ごしています。それはそれで幸せなことかもしれません。たまに、堪え切れない違和感でフリーズする以外は。
■ガーフィール・ティンゼル
・オットー共々、水門都市で犠牲になった陣営の盾でした。
・水門都市にガーフィールが残しているものを考えると、メンタリティ的にも水攻めの光景でガタガタになったところを襲撃された形でした。
・作中でも見せた通り、ガーフィールの戦闘力であればシャウラの遠距離攻撃に対処することは可能で、被弾覚悟で突っ込めば接近戦に持ち込むこともできたのではないかと。ただ、そこはスバルくんがイマジナリカの助言に従い、自分の姿を見せることで注意を引いて、その隙をシャウラに突かせる作戦でフィニッシュ。
・腹をぶち抜かれ、『地霊の加護』の効果と引き離された状態でしばらくはシャウラと応戦したガーフィールですが、強敵相手に一歩及ばず。スバルの水攻めはオットーに味方する生き物を一掃する計画でもありますが、ガーフィールの回復力を削ぐのも狙いであったため、水門開放はエミリア陣営壊滅のための作戦でした。
・オットーは論理で、ガーフィールは本能で、それぞれスバルを『ナツキ・スバル』ではないものと見抜くあたり、三人の関係は本物であると思われる。
■アミュー・シアーズ
・哀れな目に遭わされる被害者の子。
・スバルがラインハルトを足止めするのを目的として滅ぼした村の生き残り。書き始めたときは滅んだ村をアーラム村にして、アミューではなく、ペトラの友人であるリュカやミルドにするアイディアも頭を掠めたが自重した。
・問いかけに嘘でも「知っている」と答えた場合、スバルは彼女を見逃すことができないので、二択の選択肢で正解を選んだ運命の勝ち組。とはいえ、家族や村人たちは全員やられてしまい、先々の展望は暗い。
・スバルの友人として、ラインハルトはスバルが生み出した被害者のための支援を始めたりしているので、アミューもそうした支援の世話になると思われる。
・名前は気に入っているので、本編でも出番があるかもね。
■エキドナ(アナスタシア)
・スバルたちとプレアデス監視塔へ同行し、一人だけ生き延びた人物。
・スバルによる、『死者の書』閲覧のための攻撃が始まった際、いち早く、異変に気付いて塔の地下から脱出。パトラッシュは塔、というよりスバルから離れようとしなかったため、ジャイアンを使って砂丘を突破した。
・ただし、その生存には彼女の存在を利用して、プリステラで罠を張ることを考えたスバルの思考が大いに影響しており、彼女が生きて砂丘を突破できた背景には、シャウラによる魔獣のスナイプアシストがあった。
・塔で起きた出来事を思い、アナスタシアの意識を覚醒させ、彼女が苦しむことを恐れて肉体を返すことを断念。リカードと語らいながら、さして長くない時間をどう過ごすかと考えるも、その願いは叶わず。
・釣り餌とバレる前に計画を決行する。そのスバルの策謀により、水攻めの被害に遭って彼女は死亡する。最後の瞬間、リカードがなくした腕に取り付けた鉤爪で彼女を引き寄せ、抱きしめていたのは単なる突発的な行動だったのか、それともアナスタシアの体を守ろうとしたからなのか、それは誰にもわからない。
■ギルティラウさん
・頭にも掠めなかった。
■王選候補者たち
・エキドナ(アナスタシア)が帰還した報告を受け、プリステラへと集まったのは陣営としてはクルシュ陣営、アナスタシア陣営、フェルト陣営の面々。
・負傷のことがあり、静養していたオットーとガーフィール。クルシュはいったん屋敷へ戻され、フェリスだけが都市へきていた形。アナスタシア陣営は『鉄の牙』の全員が揃っており、フェルト陣営もラインハルトとフェルトが都市内に。
・結果、溺死したフェリスは自分の能力で蘇生して生存。アナスタシア陣営はエキドナとリカードだけでなく、ミミたち三姉弟も全滅。フェルトは案の定、ラインハルトによって安全圏へ逃がされるも、そこをシャウラによって狙われ、守りに向かったラインハルトはスバルたちを取り逃がす結果となった。
・なお、前回同様にプリシラ陣営だけは水門都市を逃れ、王選はプリシラとフェルトのほとんど一騎打ちの状態へもつれ込むと想定される。ただし、このルートではロム爺を失ったフェルトのモチベーションがしばらくの間、大きく低下するので、プリシラによる親竜王国の統治が始まる可能性が高い。
■魔女教
・出番自体はなかったが、影響自体は爆発的に残した。
・そもそも、ツギハグスバルの誕生が『暴食』によって記憶を食われたことが原因なので、このお話の全ての元凶はルイ・アルネブである。
・なお、このルートのスバルは『ナツキ・スバル』の奪還に夢中で、塔を攻略しようとすら考えないため、レイドの本から『記憶の回廊』へと乗り込み、そこでルイと遭遇するイベントと、「立ちなさい!」と背中を押されることもない。
・ちなみに、ルイとは別口で塔にはライとロイの二人もやってきたのだが、たぶん、彼らは塔の中にいた赤毛の剣士に叩きのめされ、やられている。
・五章のあとなので自由にしている大罪司教は実質、カペラだけ。ある意味、魔女教よりヤバい活動をするスバルとシャウラが全国行脚中なので、カペラはカペラで悪巧みしながら粛々と過ごしていくと思われる。とはいえ、彼女もいずれ、スバルが殺さなくてはならないリストの一人なのだが。
■メィリィぱいせん
・イマジナリー家臣団の中でも、微妙に距離を置くメィリィぱいせん。彼女だけは『ナツキ・スバル』に迫るためではなく、意味もわからない状況下で殺害した結果だけを押し付けられた形なので、スバルの覚悟と別の立ち位置にある。
・そのため、彼女の言動だけはさしてスバルに優しくない。ある種、六章の本編内で発生したイマジナリィと同じポジションを保っている。
・とはいえ、徐々に自己を正当化するスバルによって、彼女の態度も軟化していき、立派なイマジナリー家臣団の一員となるだろう。それを仲間になれたと喜ぶのかどうか、イマジナリーなのでわかりませぬ。
■ラインハルト・ヴァン・アストレア
・カサネル、アヤマツ、オボレルと色んな形で登場するラインハルトですが、今回もツギハグスバルにとって、『最後の壁』として登場する。
・これまでのルートと違い、明確にスバルと友好関係を築いたあとのルートであるため、ラインハルトのメンタル的な喪失感がハチャメチャにでかい。なので、どれだけスバルが悪辣に振る舞っても、ラインハルトの中では「友達」としての判定が抜けず、その行動に心を痛め続けている。
・厄介だから味方につけたカサネル。最大の敵だけど、殺さなくても倒すことができると方法を選んだアヤマツ。敵ではあるけど、戦う必要がないから相手にしなかったオボレル。と、これまでラインハルトへの対処にも色々ありましたが、今回のルートのスバルの目的上、ラインハルトを殺すことは絶対必要条件。そのため、実はこれまでのどのルートよりもラインハルトが一番の強敵になります。
・ただし、スバル自身は標的の多さと、イマジナリー家臣団への信頼度から、ラインハルトを殺せないほど高い壁とは考えておらず、やり方次第で殺す方法などいくらでもある、と考えている節がある。とても甘い。
・実際のところ、スバルが世界中の人間をイマジナリー家臣団に加えて、その上で最大限のパフォーマンスをシャウラが発揮したとしても、ラインハルトにはどう足掻いたところで勝つことができない。なので、ラインハルトの『死者の書』から『ナツキ・スバル』を復元する試みは成功しないし、最後に交わしたシャウラとの約束――ラインハルトの次にお前を殺す、も叶えられることはない。
・なお、友人が闇堕ちした事実に責任と罪悪感を覚えているため、ラインハルトはスバルが生み出す被害者のための基金や支援を始めていて、またしても望まぬ形で英雄としての名声を高めていく結果を生むこととなる。
■シャウラ
・ツギハグルートのメインヒロイン、監視塔の三下系グラマー美女です。
・自分に懐いてくる理由に全く心当たりのない美女がメチャクチャ距離が近い。作者である俺の感覚からすると、正直恐怖しかない存在。
・とはいえ、スバルからすれば、『ナツキ・スバル』と自分とを比較することをせずに接してくれる上、どんな指示にも疑問を持たずに従ってくれる強キャラであるので、手放すことなどできるはずもない重要なキーパーソン。
・六章が終わってない段階で彼女についてあまり深くは語れませんが、ひとまず、IFルートではスバルと共に監視塔を脱出し、彼女的にはお師様との血塗られた蜜月を何の疑問も抱かずに楽しんでいる模様。
・イマジナリー家臣団も合わせると、今回のお話は数あるIFルートの中でも明るいシーンが多いなと思うんですがいかがでしょう?
・超遠距離からの必殺攻撃が強すぎるので、スバルが仕組んだ殺しのほとんどは容易に達成可能。ただし、それでも対応してくる化け物クラスの強者はかなりの数が存在するので、それ一辺倒で勝ち抜けるほど楽でもない。
・監視塔の中にはスバルのヒロインが複数いるため、シャウラの独壇場とはならないが、今回のルートのように固定ヒロインとなった場合、重くて強いシャウラの慕情がかなりはっきり明示されてよいのではないかと思う。シンプルだけど、重たくて面倒くさい。俺の好きなタイプです。
・シャウラが「愛してる愛してる」と軽々しく口にするのは、シャウラにとって嘘や駆け引きをする理由がないことと、胸の中に仕舞っておけないぐらいに愛が溢れているから、みたいなことなのだと思われる。そうでもなければ、四百年も一人の男のために延々と、誰もこない塔の上から魔獣スナイプして過ごせない。
・最後、スバルは「愛してる」とは絶対に口にしませんでしたが、「この世で大切に思う存在の中で最後に殺す」という言葉は、きっとシャウラが生きてきて一番嬉しかった言葉でしょう。まぁ、本編じゃ絶対にこの言葉言われないしね。
・だいぶいっちゃってるけど、シャウラが可愛く見えていたら、このルートはもうそれで作者的には満足です。
と、こんなところでしょうか!
じゃあ、今年もエイプリルフールを楽しんでくれてありがとう!
アニメの2期も含めて、今後もリゼロをよろしくお願いします!