「ちょ！？気を付けなさいよ！」
「悪い！」

　こちらに向けられる抗議の視線を交わし俺は走り続ける。俺には守るべき人がいる。そのためには今立ち止まるわけにはいかない。
　直後、後ろから大きな銃声が鳴り響く。普段ならすぐに駆けつけるところだが、そんな余裕もない。

『私なら大丈夫。伊達にこれまで逃げ延びて来たわけじゃないんだ、きっとあなただって気付かない』

　最後に会ったあの日、彼女はそう話した。ずっと側にいたかったけど……それでは彼女は救えない。
　今の俺に出来ること、それは諸悪の根源を断つのみ。

「おっと、そこまでだ兄ちゃん！死にたくなけりゃ大人しくするこった！」

　俺の前方、銃を構える女が立ちはだかる。俺は彼女から視線を逸らさず語り掛ける。

「生憎だ、俺は立ち止まるつもりはねえ」
「へっ、上等！」

　放たれた弾丸を間一髪の所で交わした。後は一目散に駆け出す。
　飛び交う銃声、幸いそれ以上の追撃は無かった。

(行ける！後一歩で、本陣まで……)



…………。


　ここからなら、間違いなく今夜中に始末が付く。
　とはいえ、随分派手に騒いじまったわけだ。今日はこれ以上近付くのは得策じゃないかもしれない。

　なら今の俺に出来ること……。





　そのまま、眠りに落ちてしまった様で、気付いたら朝になっていた。

　そして、ラジオで悲報を知る。

　俺は、何処で間違ったのだろうか？











a文頭で女とぶつかった時点

bそもそも彼女と分かれた時点

c途中女に襲われた時点

dラストに本陣に乗り込まなかった事

※まさかの心理テストです……。