2024年05月18日 (土) 15:04
※この記事では「王鳥と代行人の初代お妃さま 恋愛小説のヒロイン8」までのネタバレを含みます。閲覧の際はご注意ください。
(実は)第三部前半戦ラストスパートでした。第三部は大雑把にわけて前中後の3部構成となっております。といっても中盤戦はほぼ幕間というか、ピリピリしている第三部の緩衝材的なほのぼのパートですが…多分。
という事で、いきなりテストをさせられるというとんでもスケジュールも落ち着き、いよいよ学園パートらしくなってきて…るかなぁ?
あまり描写しても無限に長くなるのでさっと文で流してますが、授業受けたり学生達と交流したり、普通の学生やってます。
お茶会を経て政略結婚についてソフィアリア達がぶつくさ陰口を叩いてますが、この辺りはお国柄というか、価値観や考え方が国によってこんなにも違うというだけです。
ビドゥア聖島の爵位は領地とセットであり、領民を守る事をまず第一に考えなければならないので、感情で動く事は出来ないのです。
逆にコンバラリヤ王国貴族からすれば、ソフィアリア達こそが非人道的ではないかと言われるのかもしれませんね。貴族は自分の幸せを願ってはいけないのかと。
こんな感じでせっかく国を出たので、ビドゥア聖島はどのようにして成り立っているのかと、他国と比較しながら紹介してます。
ビドゥア聖島は国が狭い分(だいたい四国くらいの広さしかない)、王侯貴族の管理は王族が徹底的に行っているのでかなり厳格であり、そう教育されています。
なので政略結婚をしながら個人の気持ちのままに行動する貴族に対して、ソフィアリア達はかなり厳しい目で見てしまうのでしょう。
何か不審な点があればすぐ調査の手が伸びてくるので、滅多な事は出来ません。
少し先で島都学園にいじめはない、出る杭は打たれるどころか消されるからとミウムを脅してますが、不自然にならないよう細工に細工を重ねなければならないので、当然そう簡単に出来る事ではありません。犯行がバレると家が取り潰されるので。
まあそのあたりも王族の匙加減ひとつなので、消された方に問題ありと見做されたり、消した家を取り潰すのは…なんて考えで見逃す事も多々ありそうですが。つまり王族がろくでなしだと、簡単に国が傾くんですよね。だからフィーギス殿下が兄弟の中では自分が一番ましだからと頑張ってます。
そういう話ですので、別に貴族が感情のままに動く事がいいとか悪いとかはありません。ソフィアリア達がビドゥア聖島の人間ですので、感情で動く貴族に否定的に見えますが、ソフィアリア達がそういう価値観なだけです。
前章でチラッと登場していた自称ヒロインのミウムの全貌が明らかに!前半戦のキーパーソンの子です。
今までも多少盛り込んでいたのですが、第三部はテンプレ展開てんこ盛りでワチャワチャしよう!がコンセプトでした(過去形)。いえ、詰め込みまくったら予想以上にピリピリ展開になったもので、ワチャワチャだけ削除になりまして。
ミウムは異世界転生(疑惑)した乙女ゲーム…もとい乙女ゲーム的な謎の恋愛小説ヒロインという役回りを担わせられた子でした。
乙女ゲームという単語を使うと今後に障る気がしたので、ヒロイン固定で毎冊メインヒーローだけが違うという謎の形式の恋愛小説です。こんな小説実際にあるかな?探せばあるのかもしれませんが。IFルートとかはたまに見かけますね。
男性陣全員分のルートをさっくり考えてみましたが、100万部売れそうな要素が何一つない…!とか言わない。
現代人っぽく女性言葉を使わない。現代用語を連発するなど、異質感あふれるヒドインに見えればいいのですが。
担わされた、という言葉の通りミウム本人の意思ではなく世界の歪みのせいであり、その正体は夢による洗脳だと判明しました。それがわかっただけで、選ばれた基準は?元凶は?等わからない事だらけですが。
これだけ持論を展開して暴れていたミウムも被害者でしかありませんでしたという、なんともモヤモヤするオチです。多勢に無勢で散々詰め寄ってこれという。
王侯貴族組が最終的にミウムの事も処分するしかないかと諦めているのは、生かしておいてもロクな未来が待っていないとわかっているからです。第二王子をはじめ、多くの王侯貴族(おそらく高位貴族)の子息の未来を狂わせたのは事実であり、プライドの高い彼らが見逃す事を許すはずがないとわかっているので、じわじわ嬲り殺されるくらいなら、いっそ一思いの方がマシかと判断した結果でした。
何故メルローゼ以外の人間がビドゥア聖島に匿う事を提案しなかったのかと言えば、そのあたりは他国の事情なので、助けても責任が取れないという理由があります。バレたら国際問題だからね。
なので貴族令嬢…というか夫人であるメルローゼだけが手を挙げても、どうにも出来なかったのではないかな?
ソフィアリアが大鳥が起こした世界の歪みの事だからともっともな理由で背負ってくれなければ、助けられない人でした。
ミウムの話は、また番外編で本来のミウムの話やその後の話でも書く予定です。物悲しいオチにしかならなさそうですが、本来のミウムの話はしておきたいので。
まだまだ謎だらけですが、第三部の前半戦はこれにて決着です。色々な紹介と疑惑はあらかた振りまいたので、次からは回収……の前に小休憩に入ります。
中盤戦、別名『修学旅行編』。お楽しみください。