文章の書き方
2022年06月03日 (金) 01:47
たまに聞かれることがあるのですが、筆力向上のために気をつけるべきこととはなんでしょう、というお話です
まず大事なのは読みやすく分かりやすい文章を心がけることですよね
これは何にも勝ります
どうすれば読みやすくなるのかというと、それは文章のリズムであり読点の位置であり漢字とひらがな比率であったりします

文章のリズムについては感覚的なものがおおきいので説明は難しいのですが、例えば「およそ人間の用いる尺度で計った強さを頼りに、立ち向かえるような相手ではない」という文章の場合、最初の一文は七つの単語が詰め込まれていて非常にごちゃついています。いわゆる悪文といわれる文章の典型なのですが、音読にすると「およそ、にんげんの、もちいる、しゃくどで、はかった、つよさを、たよりに」となり、各単語が3~5文字にまとまっているため意外とリズムが取れて読みやいかとおもいます。

さらに滅慕から今度はちょっと分かりにくい例文をひとつ
「森を切り拓いて作られた黒エルフの集落。辺りに人気はなく、閑散とした路地は非常に見通しがよい。」
この文章の場合、最初の一文、森を拓くには樹木の伐採は必須なので、わざわざ「切り拓いて」と表現する必要はありません。あってもなくてもいいのなら、きほん省いたほうが簡潔でスマートです。「森を拓いて作られた黒エルフの集落」のほうがこれ単体で見るとリズムが取れているように感じます。ただ、全体を通してみると、後ろの文章とのバランスで、「切り拓いて」としても読みやすさという点ではそれほど変わりません。これは「森を切り拓いて、作られた、黒エルフの集落。辺りに人気はなく、閑散とした路地は、非常に見通しがよい。」というように、言葉の区切り、まとまりにあまり違いはないからです。

つぎに読点ですが、これはいろいろ細かいルールが多く、それに従って書いていると読点が多くなりすぎてむしろ読みにくくなります
わかりやすいのは音読したときの一瞬間を開ける部分、そこに読点を入れると安定します
実際に声をだして読む必要はありませんが、そのあたりを意識して書いていると感覚的な理解が早まるかとおもいます

さいごに漢字とひらがなの比率
これはあまり意識する必要はありませんが、一般的に漢字3ひらがな7の比率が読みやすいとされています
わたしが気をつけてるのは漢字とひらがなの印象の違いですね
漢字は硬く鋭い印象、ひらがなは柔らかく穏やかな印象です
シリアスなシーンでは漢字多め、日常パートなどではひらがな多めにしてます
また、かぎかっこ内のセリフではひらがなを多用すると子供っぽさの演出となり、ホラーな場面では不気味さを引き立たせるといった手法にも使われます
文章作法では漢字の開きは統一すべきとされていますが、わたしはケースバイケースで場面によって使い分けてます

あとは文章を書く際の言葉選びでしょうか
これには語彙の豊富さが必要なのでいろいろな作品に触れてみるのがいちばんです
文章力にはあまり関係のないようにおもえる漫画やアニメ、ゲームなどでも語彙力は養われます
語彙が増えれば選択の幅も広がり、文章作りにおいて非常に有益です

ざっくりとした説明になりましたが、個人的に気をつけてるのはだいたいこんな感じですね
なろう作品を読んで自分もなにか書いてみようかな、と考えている方にとって実になるものがあればさいわいです

コメント全4件
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SH
2023年02月18日 21:45
お待たせしてもうしわけありません
がんばります
ゆーりや
2023年02月17日 04:26
最初に物語が始まってから長い時間が過ぎてしまいましたが、続きの物語を心待ちにしております…!
SH
2022年06月04日 23:30
お役に立ててよかったです
ボルト
2022年06月04日 00:42
文章の書き方の説明が丁寧で、分かりやすかったです!
文章のリズムとか、漢字の話はすごく理解しやすく、面白かったです!
今、小説を書き始めたところなので少しでもsh先生のような文章が書けるように精進します!