2019年05月19日 (日) 09:54
この記事の内容には『ポンコツ魔術師の凶運』の若干のネタバレを含みます。
まだ読んでいないという方、またネタバレいやだよという方はブラウザバックすることを強くお勧めいたします。
重ねて申し上げます。ネタバレは嫌だという方はここで引き返すことをお勧めします。
またこの活動報告の内容はあくまで設定集であり、本編に登場していない内容も含まれます。
そういった記述を見たくないという方もまたブラウザバックをお勧めします。
私は一向にかまわん!という方のみ、このまま下へお進みください。
※※※ここより先は『私は一向にかまわん!』という方のみお進みください※※※
ポンコツ魔術師の凶運のご愛読いただきありがとうございました。
四年を超える連載を経て、この度ポンコツ魔術師の凶運が完結いたしましたことをご報告いたします。
四年超に至る康太の物語、いかがでしたでしょうか。偏に楽しんでいただけたのであればこれに勝るものはありません。
さて、今作ポンコツ魔術師の凶運が完結するにあたって、本編では語られなかった、あるいは別ルートに入ったため語られることがなかった設定に関して少しお話しできればと思います。
ツイッターなんかでちょくちょく話題に出てたりしたんですけどね。
①『初期構想 康太最終形態について』
本編ではデビット、そして雷の精霊と同化し、半神半人となった康太ですが、連載初期においては全く違う方向に進む予定でした。
初期における康太の最終形態は『黒い瘴気をまき散らしながら大量の亡者を使役する』というものでした。
デビットと同化するというところまでは同じでしたが、その結果得られる能力が『空気中の塵や埃、灰などを利用し、二万近い人間の亡者の肉体を構成して操る』というものでした。
要するに、二万近いゾンビもどきを一人で操る存在になっていたって感じです。
このゾンビもどきたちは康太が顕現させているため、康太が意識を失わない限りは消えず、破壊してもすぐに再生するという嫌な感じの能力を持っています。
行動可能能力としては普通の人間と同程度なので、魔術師にとってはそこまで脅威ではない?と思いましたが、物量がきついですね。
最終形態の姿としては、黒い瘴気を纏い、人ではない何かになった姿を想像していました。
当然康太自身の戦闘能力は落ちていないので、康太自身も相手をしなければいけなくなります。
ゾンビもどきたちに武器を持たせて一人で軍団形成という恐ろしいことをできたわけですね。
これ、トゥトゥと連携するとえぐいことになるんですよ。
水の龍やその水の奔流にゾンビもどきたちを乗せることで、相手との距離とかを一気に詰めて相手を掴ませる。それで大抵詰むんです。なのでこの案が没になったんです。
そして、その記憶や知識もデビットと同化することで、アリスに対してちょっと強く出ることが出来なくなってたりするような形でした。
また、時折デビットのしていた呼び方などが表に出てきてアリスを困惑させたりもする予定でしたね。このあたりは書いてもよかったかなと少し思ってます。
あと、これは本編の方になりますが、康太の装備ですがいくつか増えています。番外編で鎖鎌は増えていましたが、本編最終話でちょっと出てきた巨大な杭(突撃槍)の改良版とかいくつか出てきます。
最終的な康太の装備(武器)は
・竹箒改二(槍)
・笹船改(双剣)
・稈鞘(突撃槍)
・斬一文字(刀)
・節稈枝(三節棍)
・空打(グローブ)
・連葉(鎖鎌)
となっています。
本編康太がその後どうなったのか、それはあえて語らずにおこうと思います。
②『小百合の設定』
本作における藤堂小百合というキャラクターにはいくつか裏設定がありました。本編の中に語られた中にも情報はありましたが、そのなかで小百合の起源についての話があったと思います。
小百合の起源は本来異なるものだったという内容でした。
これの真実とでもいえばいいでしょうか、その話を少しだけ。
小百合の本来の素質はあまり良いものではありませんでした。現在どころか、康太よりもずっとずっと劣るものでした。
そんな中、小百合の両親は娘のその貧相な素質を知って嘆き、何とかならないだろうかと、努力を重ねます。
その結果とある術に行きつきます。
素質の改善。今まで誰も成功していなかった術式を、何年にもわたって作ろうとし、そして完成した術式を小百合に施そうとします。
その結果、術式は暴走し、両親の肉体は消滅してしまいました。
いえ、正確に言うのであれば両親の素質の一部が小百合に引き継がれたというべきでしょうか。
優れた両親の二つの素質を引き継いだ小百合はバランスの悪い素質となりました。そしてその副作用として、自らの本質でもある起源が変化したということです。
そして小百合は、両親が消えていくその光景をその目で見ていました。
自分の両親が目の前で消滅するその光景を見て、小百合が何を思ったのか、それは定かではありません。
その結果、今のそれに近い性格になったのかもしれません。
小百合が身内には比較的甘いのは、そういう理由があったりします。誰かが死ぬところを見たくない、誰かが消えるところを見たくない。そういう理由から小百合は強くなりました。
そして神加を救い、弟子にしたのも、実はこの背景があってこそです。
目の前で両親が魔術師に殺され、自らは精霊の力によって生き残った神加を見て、かつての自分と重ねてしまったというのもあります。
小百合の中にある幼いころの記憶が、両親を亡くした小百合が師匠である智代に導かれた記憶が神加にも同じことをしようという気を起こさせたのですね。
③『神加の悪墜ちルートについて』
この話に関しては完璧に蛇足、というかパラレルワールドの話になります。あくまで妄想設定とでもいえばいいでしょうか。
神加は幼いころから康太たちと一緒に修行をし、かなり高い能力を持っていました。
ありとあらゆる可能性を秘めた彼女の中には、とある可能性もありました。
それは世界を滅ぼすという選択肢です。
とある選択が続くと、彼女は協会史上最悪の魔術師となり、世界を滅ぼす方向に歩みを進めます。
アリスの使う老衰を遅らせる魔術を使い寿命を延ばし、自分を信奉する魔術師をまとめ上げ、協会には劣るものの、魔術師の組織を作り上げます。
そしてその素質の高さと、精霊たちを操る力を用いて人類文明を滅ぼそうとします。
そのとある選択肢というのが、今回上げた番外編の中にいくつか登場します。
以下の条件をすべて満たすと、神加は悪墜ちして世界を滅ぼす方向に流れていきます。
・康太が結婚する
・文が康太の子供を妊娠する
・神加が誰にも相談せずに悩みを抱える
・神加が康太をあきらめる
・神加がアリスの術式を習う
・神加が依頼中(どのような形であれ)康太に勝利する
・小百合から刀を渡される
・日本支部支部長が交代する
・神加が康太の部隊に入隊する
・神加が小百合の跡を継ぐ
・康太と本部がガチでやりあう
・神加が康太を殺す
以上の条件が達成されると、神加は世界を滅ぼすために行動を始めることになります。
なお、康太を殺した時、神加は康太の神としての部分を一部取り込み、Dの慟哭を扱えるようになります。
結果、本編終了から七十年と少し経過して魔術協会は壊滅させられ、その後協会によって制御されていた魔術師たちが神加の設立する組織に加担し、本編終了後から百年を経て現存する文明の多くが滅ぼされます。
その世界で、アリスは何とか神加を止めようと奔走します。
こんな世界があっても面白いなと、そんなことを考えていました。
荒廃した世界で魔王となった神加、それを止めることが出来るのはいったい誰なのか。
そんな妄想です。
あり得たIFの話。こういう話を考えるのはとても楽しいです。
長々と失礼しました
他にもこういう話を語ってほしい、この話はどうなったのかなど、書ける内容であれば書いていければと思います。
まとめ
・実はこんなこと考えてたよ
・あくまで設定だよ
・ほかに書いてほしいことがあればどぞどぞ
以上です。
これまでポンコツ魔術師の凶運をご愛読いただき、誠にありがとうございます。
次から始まる新作もまた楽しんでいただければと思います。
登場人物の中の誰一人救われずに全滅する未来が見える.....