2016年06月23日 (木) 01:22
まずは『シャルパンティエの雑貨屋さん』を沢山の方々に読んで戴けましたこと、そのお陰をもちまして完結までたどり着けましたこと、重ねて厚く御礼申し上げます。
……と、二年ほど前、同じようなお礼を書かせて戴いたような気もしますが、やっぱり今も変わらない気持ちなのでご勘弁下さいませ。
第一回アリアンローズ新人賞の公募を知り、手を着けて3年、改めて振り返っていますが、長いようで短い3年でありました。
ここでは、今だからオープンに出来るようなネタを、少し掘り下げてみようかと思います。
その1、その2は以前の活動報告にありますので、よろしければご覧下さいませ。
シャルパンティエの後書きみたいなもの その1
シャルパンティエの後書きみたいなもの その2
※この時はまだ、受賞の連絡を貰っていませんでした。
改めて振り返れば、自分でもバカだなあと思えるほど余計なことをいっぱい考えながら、物語を書いていましたね。
でも、それが『私』なのかもしれません。
例えば……一次選考は、通る『予定』で書いてました。
流石に二次選考以降はちょっと厳しいだろうなと考えていましたが、根拠のない自信、というあれです。
でも、公募に出されたことのある作者様になら、多少は気持ちを分かっていただけると思います。
賑やかしだよ、力試しだよと嘯いたところで、自分を誤魔化せるはずがないわけで、選考は通過したいし、もちろんその先の受賞もしたいし、その為の努力を惜しまない人の方が多いんじゃないでしょうか。
保証なんてどこにもないけど、とにかく、これは通るんだ。
上手い下手とか、作品の出来とか、そんなのは関係ありません。
裏付けも何もなく、これぐらいの壁、飛び越えられる! ……と、高を括ってました。
……最初の内は、ですが。
逆に、不安だらけの部分もありました。
公募とか久しぶり過ぎて、何をどうすればいいのか、本当に分からなかったです。
特に……一次選考が発表された後、打ちのめされました。
通過作一覧にざっと目を通して、なにこれ勝てるわけあらへんやん……と、思いました。
ここが公開公募の恐いところなのですが、自作以外の応募作品も、読みたいときに誰もが読めるようになっているのです。
もちろん、応募している私も。
公開なので当たり前ですが、そんなことにも私は気付いていませんでした。
アリアンローズ応募作のタグに気付かず、読者として楽しんでいた作品が結構あります。
お名前だけで、ああ、あの作品の作者さまかと、すぐに分かった方もいます。
割と、打ちのめされました。
私は、他作品に振り回されちゃだめだ、惑わされちゃいけないと、頑なな考えで自分を縛り、とにかく書くことにしました。
ところがシャルパンティエが、二次に受かり、最終に残り……考えを改めました。
「もしかして、あと一歩で手に届くところまで、来た……?」
最終候補は6作品、その中に残ってるわけです。
本屋さんに自分の書いた本を並べて貰うのは夢でしたから、諦めたくはありません。
「ここで力入れないと、たぶん一生後悔する!」
勝ち残るためにはどうすればいいんだろうと、考えを巡らせました。
この時、生まれて初めて公募で受賞することに対して『本気』になった気がします。
で……少し状況を俯瞰してみようと考え、自作以外の候補作品を『自分が出版社の人なら、どれを選ぶかな?』と考えながら、みっちりと読ませていただきました。
その時に私が考えた、あるいは判断した内容は、流石に差し障りがあるので言及しませんが、この『第一回アリアンローズ新人賞』がどのぐらい激戦区だったのかと言えば、その後、選外となった作品も含め最終選考に残った候補作全てが書籍化されているというあたりからお察し下さい。
とにかく、このまま書いてても選考から落ちるなと、思いました。
恐怖です。
でも、夢も希望も捨てきれない。
ならば、対策を講じて実行するしかないわけです。
色々と悩んだ末に選んだ方法は、生活の為に使っていた時間をお金で買い戻し、3月いっぱいは作品執筆に投入する時間と手間を最大限にするという一手でした。
ちょっとズルい(特に、主婦業or会社員の方々に対して)かもしれませんが、やっちゃいけないわけじゃない。
けれど、かなり大変。でも、やるしかない。
具体的には、お天気がいいのに洗濯は乾燥機能を使う(20分は時間が浮きます@電気代上昇)、食事はお総菜を買って食べる(洗い物まで考えて、これも30分ぐらいかな?@食費大幅アップ)、ついでに読書やゲームの類は封印(当たり前です)、人付き合いは極力減らす(取られる時間が半端ない)……。
とにかく、捻出した時間を使って書く、見直す、調べる、考える。
誤字誤用を減らし、矛盾を解消し、少しでもクオリティを上げる。
2014年の3月は、これしかやってなかった気がします。
その努力のお陰で壁の向こう側に行けたんじゃないかな、と思っていますが、同時に、幸運に恵まれたことも間違いないだろうなと考えていたりもします。
もちろん受賞が確定してからは、上に書いた努力なんてまだまだ甘っちょろいという現実を突きつけられたわけで。
いやもう、ごめんなさいとしか言いようがないです。
……現在進行形ですが。
『シャルパンティエの雑貨屋さん』という作品そのものの細部や小ネタにつきましては、後日、間を置いてこちらに書かせていただこうと思います。
ではまた。