【特典情報纏め】『たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。』
2020年08月17日 (月) 11:05
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書籍発売まであと3日――!!


ってことで、書籍購入でついてくる店舗特典と、この書影の帯に書いてある"特別短編"についてのお話をしていこうと思います!!

まずは店舗特典!!
合計4つだ!! 順番にいきますよっ!




店舗特典1 アニメイト様
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『フウタの筋トレとコローナの話』
 ――王城内部。フウタの私室。

 その日は雨が降っていた。
 ぱらぱらと優しい雨音が部屋の窓をノックする、静かな日。

 時折扉を挟んだ向こう側で、廊下を歩く人の気配が多少はあれど。

 それもさほど気にならない程度で、のんびりとした一日と言えた。

 ベッドとソファとテーブルと。
 生活に必要な多くの品が並んで尚広々としたこの客間は、フウタにとっては有難い環境だった。

 何故かと言えば。

「55……56……」

 たとえ雨の日であっても、欠かさず鍛錬を繰り返すことが出来るからである。

 四つん這いになってから足を後方に伸ばし、腕を下ろして上げるポンプのような動き。いわゆる、腕立て伏せ。プッシュアップと呼ばれる筋肉トレーニングだ。

「め……め……」

 ゆっくりと下げて、ゆっくりと上げる。
 筋肉に効いていることを実感しながら、一回一回丁寧に。

 鍛錬は、やれば良いと言うものではない。
 姿勢を正しく、身体にダメージを与えないよう、しっかりと鍛えていく。

「61……62……」
「め……め……」

 息を吐く。滝のような汗をかいてなお、鍛錬はまだ半ば。

「63……64……よし」
「め……め……めめ」
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うん、なんか居るね。いつものメイドさんとの日常がお楽しみいただけます。





店舗特典2 ゲーマーズ様
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『ライラック・M・ファンギーニの憂鬱』
 ――王城、王女執務室。
 デスクの上でスクロールにペンを走らせていた彼女は、最後に自らのサインを入れたスクロールを上から読み返し、ゆっくりと息を吐いた。

 ペン立てにそっと筆を戻して振り返れば、窓からはか細い陽射し。
 湿った空気の、あまり日当たりのよくないこの場所を好んで執務室に選んだ彼女の真意は、およそ他人からは理解されない心理によるもの。

 王城内でも特殊な経路を通らねば辿り着くことの出来ない一室。

 それは、いつ悪意に狙われるか分からない彼女にとっては、警戒心を少しだけ薄めることの出来る安息の地であった。

 たとえそれが、あまり気分の晴れない部屋だとしても。

「……しかし」

 まじまじとスクロールを眺めていたライラックは、小さく言葉を零した。
 記載されているのは、一人の男の記録。
 有り体に言えば、この王都での住人証明。戸籍のようなものだった。

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第二章で、しれっとフウタの戸籍を確保していたライラック様――の当時の話。
うきうきで報告しようとして、自らのチョロさと葛藤する姫様が見られるぞ!





店舗特典3 メロンブックス様
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『剣は人を表す』

 ――植物園。

「剣は人を表す」

 その一言が紡がれたのは、いつもの茶会の席でのことだった。
 ティーカップをソーサーに戻したライラックが顔を上げると、真っ直ぐにこちらを見つめるフウタ。

 そして、まるで大道芸のようにあらぬ方向からフウタのカップに紅茶のお代わりを注ぐメイド。

 じょぼじょぼと音が響く一瞬。

 酷い空気だ、と苦笑いするフウタを前にライラックは軽く咳払い。
 せっかく少しカッコいい感じにことわざを口にしたのに、このメイドの仕打ちはあんまりだ。

「なんかごめん?」
「謝られても困りますが」

 こてん、と首を傾げるメイドが、ティーポットをテーブルへと差し戻す。
 呆れたような溜め息は、致し方の無いもので。

 この無礼なメイドが、それを上回るほどに有能で使えるうちは、中々文句の1つも出てこない。

 実際、手元のケーキセットも彼女の自作だ。
 そしてこうした場で、ライラックが毒見もさせずに口にする料理や菓子など、彼女の手製以外には存在しない。

 ある意味で貴重な存在でもあるのだから――。

「多少の無礼には目を瞑りましょう」
「ぶれいぶれーい」
「煽ってます????」
「全然、まったく、ちっとも」

 フウタの周りをうろちょろしながら、両手でピース、笑顔のメイド。
 流石にこれは煽られていると思っても仕方がないだろう。

「とりあえずコローナには、あとで特に意味もなく山積みの本を抱えて執務室と資料室で往復して貰うとして」
「届けるですらない!」
「というか、意味もなくって言っちゃいましたね王女様……」

 ライラックは、さてなんのことでしょう、とすまし顔。
 これにはフウタも苦笑いだ。
 それで、と彼女の蒼の瞳を見据えて問いかける。

「あのことわざが、どうしたんですか?」

 よくぞ聞いてくれました、とばかりに顎を引くライラック。

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楽しい植物園での日常の一幕をお届け。
ライラック様の優雅が生きるか死ぬか――!!





店舗特典4 ブックウォーカー様(ブックウォーカーで購入した電子書籍への特典)
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『お姫様のカッコイイ教室』
 ――王城、中庭。

 麗らかな木漏れ日が差し込む、貴族たちの憩いの場。

 特にリヒターを中心とした貴族派にとってのホームであるこの場所は、例によって彼らの茶会が開かれていた。

 侍従たちが忙しなく給仕に勤しむ中、茶会そのものを遠巻きに眺めている少女の姿があった。

 艶のある黒髪を二つに結んだ、可憐な少女だ。
 その見てくれだけを目にすれば、貴族たちとて茶会の肴にと中心へ招き入れることだろう。

 だが、気だるげに抱きかかえるその十字鎗が、決して男を軽率な行動に移させない。

 まるで杖のようにその鎗に寄りかかり、面倒そうに茶会を見守ってはいるものの。彼女はそれなり以上に、彼らの護衛の役目を果たしていた。

 す、と目を細めると、彼女は振り返ることもなく呟く。

「……あれ、王女様だ」
「――よくその距離で気づくものですね。あちらは楽し気にティータイムの真っ最中だというのに」

 少女2人の視線の先。
 外廊下から直接出られる日向の芝生では、ガーデンテーブルを囲う何人かの貴族と、何故か頭を抱えているリヒターの姿があった。

「何の話を?」
「なんかお金借りたいけど、お金借りたいっていうとなんか嫌だからお金借りれたら出来る事業をプレゼンしてるみたい」
「哀れなものですね、リヒターも」

 財務卿は大変だ、と他人事のように呟き。

「それで、行かないの?」
「今日は貴女に用があったのですよ、プリム・ランカスタ」
「私?」
「はい――"常山十字の輝夜姫"に」
「?」

 なんだろ、と首を傾げるプリム。

「わざわざコロッセオ時代の2つ名で呼ぶとか――って、そうか。私あの場でつい盛り上がって言っちゃってたや」
「そう、それです。2つ名。その話です」
「えっ」
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カッコいい二つ名を掘り下げようとして、たじろぐプリムと楽しそうなお姫様のお話がこちら!!






 お楽しみいただければと、願う次第です!!


 さて。
 そして最後の"特別短編"。

 これねー。大変だった。
 一巻ね。色々書き直して、シーンまるごと変わってるようなところもあるし、色々掘り下げも増えてるしで結構加筆修正はしたんだけど。
 その上でやっぱり、書籍ならではのエピソードが欲しかったのね。
 でもページ数が足りないの。
 マジどうしようかなと思ってさ。やっぱ、書籍買ったお得感欲しいじゃん? みたいな。
 で、編集に頼み込んで10000字くらいの短編を書きました。
 帯の裏側に仕込まれてるQRコードから跳べるようになってるSSデータなんだけど、どうかお楽しみくださればと願う次第。
 こちらはちら見せ無し。
 タイトルだけは言っておこう。まあぶっちゃけ、WEB読者が一番楽しめるようにしたよ。

『未だ知らぬは、大地に咲き誇る花の心』

 第二章前に、ちょろっと追加エピソードだ!

 どうか皆さん、諸々お楽しみに!!!
コメント全16件
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龍くん
2021年02月09日 15:26
売れ行きよくなくてエタったんかなぁ。
ななしさん
2020年09月08日 18:50
近所の本屋に無いので通販で購入。楽しませてもらってます!
桃狐
2020年08月23日 21:34
小説買わせていただきました!
書籍版も楽しませてもらいます!
キシト
2020年08月21日 12:14
すっかり予約するのを忘れていましたが、電子書籍版かいました!
仕事終わって帰ったら読むんだ!これが最強の暑さ対策な気がする。(ぉ
ひまぽ
2020年08月18日 02:22
地方なので来週中くらいかなぁ…(´・ω・`)
なお近くにそんな店はなかった・・・(´・ω・)
楽しみで楽しみで楽しみでしょーがないのです!
21日は寝不足確定か……
エネイブル
2020年08月17日 20:41
特典全部欲しいけど置く場所とお金とその他諸々の理由が(泣)
ロア
2020年08月17日 17:10
電子書籍の方でもQRコードの短編は読めるんですかね?
とりあえず楽しみです。
文椎八女
2020年08月17日 15:18
Q.「買わないという選択肢は?」
A.「(命が)ないです」
九十九
2020年08月17日 13:14
全部気になる…!
最後のはもっと気になるんですけどぉ!
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