2014年09月06日 (土) 23:06
恋に破れ、泡沫を彷徨った。
愛おしい彼の人を探し、“それ”は終に、彼を見付ける。
[呪ってあげる]
それは何者にも生を阻害されない呪い。
それは1000回もの間、彼の人が恋に破れるという、呪い。
1000回の絶望を味わった後、1001回目の恋をすると、彼の人は心の臓を蝕まれて死ぬ呪い。
恋を知らない彼の人は素知らぬ顔をして、現在まで200年近く、生きている。
*
「これから、ちょび髭のおっさんに戦闘機を売りに行く。『兵装を整』え、『礼装』しろ。出来次第発つ」
大日本帝国、まだ名もない“無人島”。
台風が通り過ぎるその島、荒々しいその外形に似合う、鉄の塊が港を埋め尽くしていた。
「『商売用』空母三つと、護送に戦艦一つ、軽巡二つ、駆逐三つ連れろ」
「総司令。食糧と燃料詰み終わりました」
「よし。全員を乗せ、待機者はいつでも連絡が取れるようにしてくれ」
総司令と呼ばれたその男、着ているのは軍服ではない。七三分けにネクタイにスーツ。腕には紋付き袴。
一陣の風が舞うとともに、栗色の髪をした女性が降りてきた。
「頼むぜ、ラッキーガール」
『あいよ』
「これから我が商用輸送艦隊はドイツへ向かう。我が日本国とは大きな喧嘩もなく、友好国……である筈だが、私設艦隊ではどう対応されるか不明。心せよ。では出航」
戦艦二隻。航空母艦三隻。巡洋艦八隻。駆逐艦五隻。補給艦二隻。工作艦一隻。潜水艦一隻。揚陸艦一隻。閑散とした軍港とその奥に続く無人島。
これらは名の通り戦の為の艦であるが、有ろうことに総司令は兵装の半分をもぎ取り、艦橋を増設した。船室、食堂の広さが通常の艦の二倍程度になっている。
後に人員の輸送、回収、護送、食糧補給等に奮闘するこの艦隊、総勢二十三艦。それがこの男――上里清(かみさと・きよ)の持つ全てであった。
*
………………という小説が書きたいです。
あと、一艦隊にどのくらいいたかなーっていうのはガン無視です。
多分このくらいあれば大抵のものは運べるかな? という目測だけで編成しました、まる。
長ぇ、読むのかったりぃって方は、
『どこぞの不死の男が戦艦の兵装を半分捥いで食堂に回し、
自国で生産した船やら飛行機やら砲身やらを敵味方国問わず売り捌く話』
ととらえて頂ければ。
えーと、この上里さん(総司令)が持ってる艦も多国籍です。いろんな国から買ってる。でもこの人たち戦争はしない。輸送と補給のみ。撃って来られたら撃ちかえすくらいのもんです。
時間がないので書きたい方がもし万が一いらっしゃったら設定そのまんま差し上げます。改変してくださってかまいません。