2015年01月02日 (金) 14:18
突発パラレル劇場~シンデレラ~
『妖精ルセの異世界少女観察記』
あるところに蓮華という可哀相な少女がいました。
蓮華「え、何これ」
家族に苛められ、国の女性全員が呼ばれた舞踏会にも行く事が出来ません。
蓮華「メインヒロインは遅れて来るものなの! 多分」
そこへ魔法使いが現われ、舞踏会に連れて行こうと言うではありませんか。
蓮華「あれルドルフ? 何してるの?」
ルド「可哀相な蓮華……。俺がお前のための世界を……世界を……」
蓮華「?」
ルド「何でパラレルワールドまで俺がルセの引き立て役しないとならんのだ! あのタイトルだって異世界の魔術師召喚目録と迷ったすえだったのに。ミスリードのつもりでルセをタイトルに持ってくるからこんなことに……」
蓮華「私に怒られても」
ルド「シンデレラの作者は卑怯だと思わんか。魔法使いがイケメン男子だったら何もしてない王子とどっちを選ぶべきか迷うまでもないだろう。なあそうだろう?」
蓮華「怖い怖い! 目が据わってる!」
ルセ「迎えに来たよ蓮華!」
蓮華「ルセ? ……爽やかな笑顔でルドルフ踏みながらどうしたの?」
ルセ「いや本編の鬱憤を少し。ガラスの靴なんて無くても、俺はお前を選ぶから」
蓮華「ルセ……」
無理矢理ハッピーエンド。
『精霊の偏愛』
あるところにリラという可哀相な少女がいました。家族に苛められ、ファスレイ王子の結婚相手を決める舞踏会にも行けません。
リラ「普通の家庭を味わうって、難しいよね」
そこへ魔法使いこと精霊ウンディーネが現われ、お城の舞踏会に……。
ウンディーネ「リラ、来たよー。でも何でリラを他の男のもとへ連れて行く役割なの? 嫌だよ……リラが他の男と楽しそうにするなんて、そいつ殺して僕も死ぬ」
リラ「舞踏会には行かないから、ウンディーネ、私と行こう」
そういうことで、王子様は運命の相手に選ばれずに過ごしました。
ファスレイ「知ってた」
『私と乙女ゲームと悪役お嬢様と』
あるところに可哀相な少女がいました。舞踏会にも行けません。
コレット「行けないんじゃなくて行かないの! だって王子と私はきょうだ……」
そこへ以前お忍びで街に出ていたところを知り合った令嬢が来て、舞踏会へ行くように促されます。
サファイア「まあ、まだこんなところに居たの。ほらドレスよ。か、勘違いしないでよね。女子全員来るようにってルールを守るためなんだからね!」
コレット「あの、好意は嬉しいけど……」
サファイア「来なかったら、私が怒られちゃうわね」
コレット「……」
舞踏会に行くと、ジェイド王子に見初められます。
ジェイド「結婚しよう。あ、十二時だね」
コレット「さよなら王子!」
逃げる途中でベタベタしたところに引っかかり、靴を片方落としてしまいます。
ジェイド「手がかりは靴だけなんて。でも僕はこの靴の持ち主としか結婚しない」
モブ女子「それは実は私の靴です!」
モブ2「いいえ私のよ!」
サファイア「はいはい順番よ。靴はここね。あら貴女は大きすぎね。貴女には小さいみたい」
ジェイド「あれ? お前なんで同じ靴……サイズは違うみたいだけど……そんなにたくさん?」
サファイア「馬鹿ね。正攻法で行ったって拒否されると分かってるなら外堀を埋めなくちゃ。一人だけに合う靴なんてドラマチックよね。拒否しても世間が許さないわ」
数ヵ月後……そこには死んだ目で王子と結婚式をあげるコレットの姿が!
一度はやってみたかった。
リラ好きです。