2014年07月24日 (木) 23:40
「白玉団子とにがり、どちらを選び申すか」
老人は俺にそう問いかけてきた。
「両方をシャワールームへ運んでくるが良い。そこで食す。拒否権は無い」
「そうか、ならば……」
老人は後ろへと飛びすさり、機関銃を取り出すと、銃口を俺に向けてトリガーを引いた。
ダダダダダダダダダダダダ!!
数多の銃弾が吐き出された。
俺はそれらを全て見切り、チョップで切り刻んだ。
「拳法の達人は常に金属の骨格を身に纏う。俺は学生だから、その効果も二倍だ。つまり金属の骨格を重ね着している」
「おのれ……!」
ギリッ、と老人は歯を食い縛り、足元からジェット噴射。天高く舞い上がると、花火のごとく爆発四散。お星さまになった。
「彼もまた、天へと祝福される者の一人だったということか。それは上々」
俺は踵を返すと、シャワールームへと向かった。にがりを食うためだ。
「貴様には白玉団子がお似合いだ。にがりは俺がもらった」
「おのれトニー。どこまでも豆腐好きな男よ」
シャワールームでは、全裸のトニーが俺を待ち構えていた。彼は口一杯ににがりを頬張り、物欲しそうな顔で俺を見てくる。
「俺はトニーだ。だから白玉団子も俺がもらう。是非は問わぬ」
「決定事項だからか」
「そうだ」
「いい加減なことを……!」
俺はトニーにドロップキックを繰り出した。
トニーの顔面が吹き飛び、身体は天へと昇っていく。トニーはお星さまになった。まさに猟奇的殺人。
「地獄へ落ちるがいい」
忌々しげに吐き捨てるが、トニーがお星さまを辞めることはない。全ては天の導き。金を払わなければトニーが堕ちることはない。そして、金を払ってまでトニーを堕とそうとも思わない。金は大事だからだ。
「ああ、ジェシー。俺は君を愛している。不毛的闘争。狂喜乱舞。君は俺の一番星だ。群雄割拠。俺はこのセカイの支配者となる」
愛の慣用句を歌い上げ、俺は砂漠を横断する。目指すは我が家。
「オカエリナサァァァィ!!」
ドタドタというたどたどしい足音ともに、ゾンビと化した母親が玄関へ爆走。阿鼻叫喚の地獄絵図。この世に未練など残すからこうなる。
「圧倒的火力!」
気合いに満ちた叫びと共に右ストレート。咄嗟な反応で身体を捻り、パンチを躱す母。俺の右腕に激痛が走る。母が腕に噛みついてきたのだ。
「不覚をとった。死をもって謝罪してもらおう」
母の首に両足を巻き付け、ハサミのように力を込める。母の首が切断され、ドス黒い液体が玄関の床を汚した。
「ウイルスだ。このままでは死ぬ」
右腕の傷跡を見ながら、俺は焦りの声を漏らす。抗ウイルス薬は非常に高価だ。お金が足りない。
「ドンパチするしかない。道は一つ」
俺は薬局へと駆け出し、自動ドアを突き破った。バイトの店員がナイフ片手に涎を撒き散らしながら叫ぶ。
「チェケラッ!ドメスティックアタッチメント!」
ラップのビートで家族愛を叫ぶ。
これが薬物中毒者の末路。哀れなり。
「金を寄越せ!」
「イヤダー!チェケラッター!」
店員は幻覚を見ている。ナイフを四方八方に振り回し、過ちと共に失った家族愛を夢見ている。彼を夢から解放するときが来たのだ。
「家族愛などドブに捨てよ!さすれば貴様から金を巻き上げてやる!」
「ウワー!ゴウトウダー!」
店員は何を思ったのか、ナイフを自分の首に突き刺して自害。お星さまになった。俺はすぐさまレジを破壊。中から金を取り出し、天に金を払った。自動的に店員は地獄へと堕ちる。絶望的終着点。救いなど無いのだ。
「坑ウイルス薬だ。遂に見つけた」
戸棚から注射器を取り出すと、俺は迷うことなく投与。こうして命を繋ぎ止めた。
※
この辺りで目が覚めた。
「なんやねん、この無茶苦茶な世界観。アホやん」とか独り言呟きながら、とりあえず覚えている範囲で「小説家になろう」に執筆。
そのまますっかり忘れて、気が付いたのが今日。
短編として投稿しようかと思ったが、頭おかしい人だと思われるのは嫌なので、活動報告に載せる事にしました。
夢の中では、一面荒野が広がってたし、ビルとか倒壊してたし。
多分、『北〇の拳』みたいな世界観と『バイ〇ハザード』みたいな世界観が混じった世界じゃないかな。
世紀末すぎて生きていける自信が無いよ。
なんだよ金属の骨格を重ね着って。
ジェシーって誰だよ。
ドメスティックアタッチメントは家族愛って意味じゃねえよ。
その他もろもろカオスすぎる……!
あと、老人、トニー、店員さん、お母さん、殺しちゃってごめんなさい。
この場を借りてお詫びします。
夢の中って、自分の想像のつかないことが普通に起こるから面白いです。
まあ、「他人の夢の話ほどつまらないものはない」という言葉通り。
夢の内容を話したら、決まって「頭大丈夫?」って反応されるんですけどね……!