リレー小説バトン
2013年06月09日 (日) 18:09
高梨優さんから連合小説バトンが回ってきました。

回す方は黒木琥白さんと、白虹さんに。
お忙しいのは重々承知ですので、お暇ができた時にでも受け取ってもらえたら嬉しいです(*´ω`*)


・ルール
地雷なし、フリーなし一人二百文字以上書く一人か、二人誰かを指名する。回してきた人の物語を自分が書く前に貼り付けること。

(例)私は目覚めた。が前回書いてあったとしたら、次に書く人は…私は目覚めた。目覚めるとそこには見たこともない景色が広がっていた。一体、ここは…


以下本文


私は目が覚めた。
それにしても、一体ここは、どこなんだろう?
というか、私、何やってたんだっけ。
寝ぼけた頭をフル回転させていく。
確か…
英語の授業中、窓から心地よい風が入ってきて…眠気に誘われて…そのまま寝てしまったんだっけ?

うーん、確か…そうだった気がするけど…
でも、だとするなら、何故教室じゃないの
保健室でもなさそうだし…考えを巡らしていると誰かが来る気配を感じた

誰だ?そう思いその気配のする方向に顔を向けてみると、そこには見知らぬ黒いスーツを着た男と思われる体型の人物が僕に向かって歩いてきていた。
顔は深く帽子を被っているために分からない。


「貴方は…誰ですか?」


僕は思わずその男にそう問いかける。
今、僕の置かれている状況を理解するにはそれが一番だろう。


そしてその男はゆっくりと帽子を手に取って…


「久しぶりだな」

「あ、貴方は…?!」


今帽子を外したその男は…僕の、僕の……え?


「ストップ!!!あの、ちょっと顔隠してて貰えますか?」

「え?あ、ああ。構わないが……?」

「ありがとうございます」

さてさて、物語の進行が止まった所で『僕』の疑問に付き合って頂きたい。『僕』は『僕』のことを今は『僕』と呼んでいるが、よく思い出してほしい。


『私は目が覚めた』


気を取り戻してから数十秒間は自分のことを『僕』ではなく『私』と呼んでいたのだ。


どうして『僕』は『私』から『僕』へと呼び方を変えたのか?
そもそも男と女どっちなのか思い出せない。
自分のことなのに分からない。それ以外のことならすぐに思い出せるのに。……あ、この男が誰なのかも。
もしかしたら自分は『男の娘』、または『自分を私呼びする中性的な男』なのかもしれないし、普通に女なのかもしれない。


「……まだか?」


……ッ!駄目だ!自分の性別が思い出せないなんて知られてはならない!

この際男か女かなんてどうでも良い!ペースを握る為にとにかく強気な態度をッ!!

思い出すんだ……あの黒歴史を……ッ!
あの時の自分をッッッ!!

「…………は、ハッハッハ……」

「……?」

「(#゜Д゜)フゥーハハハ!!」

「ッ!?」ビクゥッ!


これだ……これが『我』だッ!!


「貴様は何者だ……?」

「え?……ああ、久しぶりだな…」

「……ほう。これはこれは……」

今帽子を外した奴は……我の……、


「幼い頃に生き別れた兄上!!」

「違う」

「じゃあお兄様?」

「だから兄ではない」

「にぃにぃ!!」

「呼び方を変えただけだろうが!!……まったく本当に記憶が無くなっているとはな」

男の言葉に僕のテンションはすっかり元に戻ってしまった。やっぱりアドリブは無理があったようだ。


「アハハ、ごめんなさい。では改めて聞かせて下さい。貴方は一体誰なんですか?それにここは?」


恥ずかしさをまぎらわすように笑うと、男は呆れた表情でこっちを見てくる。
そんな顔されたって本当に分からなかったんだから、しょうがないじゃないか。プンプン!


「……分かった、説明するからよく聞けよ。まずは『俺が誰か?』だな」

男の言葉に僕はゴクリと喉を鳴らす。そして……


「俺は……お前の相棒だ」

「僕に相棒? 居る訳ないじゃないか
だって僕、宇宙一強いもんというか僕の相棒はドラゴンなんだけど……」


「そういう事を言ってるんじゃない
ドラゴンなんて居る訳がないだろう」


「え~……
なら、何の相棒なの?
というか、結局誰なの?
出してみようか?」


「お前が話の腰を折ったんだろうが!
いや、遠慮しておく……」

目の前の男がゼェゼェと息切れを勝手に起こしてる
この人何がしたいの?
というか、早く言ってほしいんだけど……
(イライラ……)
何時までも肩で息整えてんじゃねぇぇぇぇ!


「早く言え・・・さもなくば貴様の首を跳ね飛ばす。」


「はい・・・。」


「宜しい、で? 貴方は一体誰なのかな~?(来る~きっと来る~)」


「俺は……お前の親友だ」
「ぼ、僕の親友?」

「そうだ。それが私だ」

「じゃあ、いつもお昼ご飯を一緒に食べていたのも」
「それも私だ」

「隠していたテストの存在が母さんにバレたのも」

「それも私だ」

「歩いていたら鳥の糞が頭に落ちてきたのも!?」

「それもわた……違う。ってか私って何だ俺は俺だよ」

「オーマイゴッド!! それじゃ何か!? 都合の良い事はお前が原因で、都合の悪い事は僕のせいだと言いたい訳!? 何て無責任な!」

「待て待て待て! 何故そこで俺が無責任になる!? 俺のした事はちゃんと認めたじゃないか」


「へーんだベロベロバ! 言い訳しやがって!」


「こいつムカつく!!」


 そう言って黒い男は怒りを込めた握りこぶしをプルプルと震わした。よし! このままいけば僕の勝ちだ!


 そう思っていたら男は何かに気づいた様に頭を横に振る。そして、ムカつく様なニヤつき顔でこちらを見てきた。


「頭でも冷やしてこい! ボッシュート!」


 すると僕の足元が急に開き大きな穴が出来た。


「う、うわぁぁぁあぁぁぁぁぁ!?」


 ちゃらっちゃらっちゃーんと僕は穴に落ちていくしか出来ないのであった。


気が付くと落下による身体の浮遊感は無くなっていて、ただあるのは背中に当たる冷たい地面の感触と肌寒い空気だけ。瞼を開けて体を起こし、自分が今居る場所を把握しようとする。

「暗くて何も見えないーー」

だがしかし、耳に入る僅かに滴る水の音と鼻を突き抜ける妙な異臭ーー落下から予想するに、落ちた地点は下水か地下牢か。僕にとって考えるのは容易だった。
いや、だけどあそこで調子に乗ったのは少しマズかったな。まさかこんな結果になるとは正直思わなかった。

此処でじーっとしていても仕方が無いので、僕はゆっくりと立ち上がり、見えないながらも壁に手を付いて歩き始めた。壁は岩盤か、手に触った感触からしてゴツゴツしている…

暫らく歩いていて僕はふと立ち止まった。今 この 空間には俺の足音と息遣いだけが聴こえるのだが、何故だ、足音と息遣いが二重な上に気配までする。

「誰か居るのか?」

僕の声は手前から奥まで響き渡り、伝わり、背後から返ってきて、前で途切れた。今僕の前方に何か居るのか? そうとしか考えられない。

僕は恐る恐る足を動かし、前方の 何か に近づく。徐々に徐々に距離が近づく毎に僕の息遣いは荒くなって行き、足の動かす距離も伸びる。

突然、足下に何かが触れた。これがまさかーー僕はそっと下に手を伸ばし、足に触れたモノを探る。

手に触れる感触は何とも言えない柔らかさを誇った丸い何かで、しかも結構大きい。一体コレは何なんだろうか…

「むにゃ…な、ちょッ! どこ触ってんの?」

「女の人の声、しかも聞いた事がーー」

「あんた、○○じゃない。何でこんな所にーーって、いつまで触ってんの変態/////」

女の人は僕を○○と呼び、少し 赤く なりながらも僕の手を払い除けた。 赤く なってーーいや、声からしてそうなったように聞こえて…

「キミは誰?」

「私? 私はーー」



「――あんたの幼なじみじゃない」

「…えっ?」

 幼なじみってもしかしてあの小説とかアニメとか、ゲームにも使われる「これさえいればキャラ設定は問題ない」とか言われる程のフラグ乱立役でしかも僕の大好物のあの幼なじみのこと?

「…本当にそう言われてるの?」

「いや、今作った。…って心読まれた!?」

「だだ漏れよ。本当、バカなんだから」

 あれ、口に出したつもりは無かったんだけど…無意識って怖い。

「というか本当に僕の幼なじみなの?全く覚えに無いんだけど」
「顔見れば分かるはずよ。あんた、いつからここにいるの?」

「ついさっきからだけど…」

「じゃあ駄目ね。夜目がきけば見えるようになるはずだからそれまで待つしかないわ」

 成る程、確かにそうしたら分かるかもしれない。じゃあそれまで待つしかないか…

「あれ?って事は君はもう夜目が聞いてるの?」

 僕の事を誰か分かるってことは見えてるって事のはずだけど…

「まあ、かれこれ二時間ぐらいはいると思うわ。時計ないからよく分からないけど」

「そんなに!?結構長くいるんだね…」

 この暗闇の中一人でそんなに長くいれるなんて…僕なら耐えられないな。
 …そういえばどうやってこの人はここに来たんだろう。僕と同じように落とされたのかな?

「ねえ、君ってどうやって…痛っ!」

 いきなり何かが頭に当たる。結構痛いんだけど…何が落ちてきたんだ?
 周りを手探りで探すとそれらしき物に手があたる。
「あれ、もしかしてこれ…」

「何、どうしたの?」

 僕はそれを目にギリギリまで近付けてみる。ぼんやりとした形から察するに…これは多分ライトだろう。これでやっと灯りを得ることができる。多分さっきの僕の親友とかいう人が落としてくれたんだろう。少しだけあの人に対する評価が上がった。まあ人を落としたことを許す気はないけど。
 手探りでスイッチを探し、押してみる。するといきなり眼前の視界が明るくなった。眩しさに思わず少し手で目を庇う。

「やっと灯りが点いたよ。これで君の顔が見れる」

 そう言って僕は彼女に灯りをかざす。って…あれ!?

「き、君は…!」

ーーーーーー

眩しすぎる、と今だに固く瞼を閉じる幼馴染らしい彼女をまじまじと見つめる。
そして思いっきり息を吸い込んで、上にいるヤツに届くように発する。

「僕の親友じゃないかあああああああ!!!」

その叫び声と重なって三つの音が耳を突き抜けた。

反響する僕の声。
「いや、だから幼馴染だって…」という彼女の声。
それから、背後になにかが落ちた音。

その突然の背後の音に、
びくりと身体を竦めて固まる僕とは対象的に
腰から剣を抜いて構える彼女。

「って、お前かぁ…」
「なんだ、アンタか…」

少しの安心と残念そうな双方の声に、
張り詰めていた空気が再び穏やかに浮遊し始める。

って、いや、ちょっと待って。
上にいたヤツに声が届いて、反応したところまでは良い。
だが、何故わざわざ自分が落下してきたんだ!?

僕の計画では、あれだけ親友だと豪語していたヤツのことだから
彼女から僕を引き離そうと地上に戻されるはずだったんだが。

ちょっと無理がありすぎた…?
それにしても、自分が落ちてくるのはおかしいだろう!

ふとここで沸き出た疑問が口をついて出る。
「貴方が落ちてきたら、だれがここから助け出してくれるんです?」

「あ……、」
しまった、といいたげな表情。

でもどうやらその言葉は、被害者である二つの痛いほどの視線で
押しとどめられたらしい。

「だ、だって相棒とかいう言葉が聞こえたんだもん。
キミの相棒は俺だけなのに……。」

いや、男にだもんと言われても全く可愛さは感じないし、
ましてや俺様的な口説き文句を言われても気持ち悪さしか感じないのですが。

またもや固まる空気は、我慢の限界に達した彼女の剣によってシュッと切り裂かれた。

ついでに、反応がなくて涙目になっていたヤツの服も切り裂きながら。

しかしそれに気付く前に怒涛のお叱りが始まった。

「なんなの!なにその後先考えない行動は!
あんたって昔っからそうよね。
そのせいであたしらがどれだけ迷惑したとおもってるの!
あたしに彼氏がいないのもあんたのせいだし、
あたしがガムを踏んだのもあんたのせいだし、
あたしがこの暗闇の中で泣きそうになったのもあんたのせいなのよ!」

最後のはあっていると思うけど、
彼氏とガムは自分のせいかと思います。

だけど、僕もさっき同じようなことをしたわけだし、
飛び火をくらいたいわけでもないので黙って野次馬する。

「まぁでもドラゴンとの戦いで死にかけたあたしを救ってくれたことだけは感謝するわ。 ありがとう。」

ドラゴンとの戦い?
目覚めた直後の会話でその存在をバッサリ斬り捨てたのに。

頭にハテナを浮かべる僕に気づいてか、
今まで黙っていた"あんた"が口をひらいた。



以上本文



二百文字か、と思いつつ書き進めていったら止まらなくなり、
最終的に1072文字書いたアホです、こんばんは(´;ω;`)

とても楽しませていただきました!
なんか色々とすいません…。
高梨優さん、素敵なバトンをありがとうございました。

コメント全2件
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茶宮 月姫
2013年06月11日 20:37
主人公の一人称が僕で、親友なのか相棒なのかの人が俺だと思う〜。
違ってたらひいいいっ_:('Θ' 」 ∠):_
返信間に合わなくてごめんね…っ
でも、すごく上手くまとまってたし違和感なかったしで、
なんかめっちゃ良かった!!!!!
バトンの受け取り、ありがとうございました(*´ω`*)
黒木琥珀
2013年06月10日 09:01
むむ、いまいちやり方がわからぬぞ……。文章コピペしてその後に書けばいいの? それと主人公の一人称は俺なのか僕なのかわからんし、親友なのか相棒なのかわからない人の一人称もやっぱりわからないところはどうすれば(゜.゜)