2025年06月19日 (木) 21:17
『学苑の闇』第4章「裏切りと灯火」第6節~第10節までを投稿いたしました。
この後半パートでは、登場人物それぞれの過去の選択や“沈黙の理由”が徐々に明かされていきます。
裏切り、という言葉が扱うのは単なる対立ではなく、むしろ「迷いや葛藤の結果としての行動」だったりします。
今回は、読者の皆さまが感情移入してきた人物の一人が、「語らなかった理由」に触れる重要な場面も含まれています。
信じたいのに信じきれない、赦したいのに赦せない——そうした人間の複雑な感情を、丁寧に描くことを目指しました。
また、“灯火”という章のタイトルに込めたもう一つの意味、それは「真実に至るための小さな導き」です。
誰かが残したノート、録音、メモ、そして何より“記憶”。
そうした断片の一つひとつが、いずれ確かな証へとつながっていく兆しが、今回の節々に込められています。
次章では、いよいよ「核心」と「暴露」の局面に入ります。
真相を追いながらも、人間の感情の機微を忘れずに描いていけたらと思っています。