「従うか、消えるか。」更新しました!
2025年06月22日 (日) 09:42
第5章「刃の向かう先」第6節~第9節までを投稿いたしました。

この後半では、いよいよ物語の核心に手が届く一歩手前の地点を描いています。
証拠は揃い、証言も整い、あとは“どう動くか”という段階——しかし、その「一歩を踏み出すこと」の重さこそが、この章の本質です。

今作では、正義の名のもとに何かを暴くことが常に良い結果を生むわけではない、という現実を描きたくて書いています。
今回登場する人物たちも、皆が“悪”というわけではなく、それぞれの背景と立場が複雑に絡み合っています。
だからこそ、物語の語り口もあえて断定的にならず、読者の皆さまに考えてもらえる余白を残すよう心がけました。

また、本章で描いた一連の証拠整理・記録の回収は、フィクションながら現実の教育・労働現場で起こりうる構造と重ねています。
些細な記録、曖昧なサイン、消されたログ——その一つひとつに「誰かの時間」が宿っていることを、忘れずに描いていきたいと思っています。

次はいよいよ第6章、「公にされる真実」。
ついに物語は、社会へ向かって発信されるステージへと移ります。
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