「従うか、消えるか。」更新しました!
2025年06月22日 (日) 10:02
第六章「焼かれる声」第六節~第十節を投稿しました。

今回のパートは、告発という「行動」がなされたあとの“余熱”と“現実”に焦点を当てています。
情報が広がり始めた今、それにどう反応するかは、登場人物だけでなく、読者の皆さまにも委ねられているのかもしれません。

未麻たちは、声を上げたからといってすぐに正義が実現するとは思っていません。
むしろ、そこからが本当の始まりであり、彼らにとって最も孤独な時間です。

李は「正義は、思ったより静かにしか動かない」と語り、池畑は「怒りより、記録を残すこと」を選びました。
郷は、かつての“黙認”の罪と向き合いながら、自分が今できる役割を引き受けようとしています。

そして、読み手として印象的なのは、社会そのものの“鈍さ”です。
大きく報じられたはずの事件が、数日後には別の話題に飲み込まれていく。
その現実もまた、この物語の中にきちんと織り込まれています。

それでも、小さくとも確かな灯火が、読者の中に残れば——
そんな願いを込めて、この章は執筆しました。

次回からは第七章「記録は誰のものか」。
声を拾う者たちが、今度は自ら行動を起こす番です。
真実が誰にどう継がれるのか、そして“届く先”に何があるのか。

どうか最後まで、お付き合いください。
感想、応援、心よりお待ちしております。

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