火をくべる、最初の夜に
2025年06月14日 (土) 00:57
『メモワールの火炉』という物語を、本日より連載スタートしました。
“記憶を代価に過去や未来へ向かうタクシー”をめぐる、静かで、どこか温かい、でも決して楽ではない選択の物語です。

もし読んでいただけたら、
「どんな瞬間に、時間を移動したいと思うだろう?」
「記憶を失ってでも手に入れたいものって、何だろう?」
そんなことを、ほんの少しでも感じてもらえたら嬉しいです。

またこの作品では、読者のリアクションから物語世界に静かに影響していく“仕掛け”も込めています。
どのような結末を迎えるか、私自身にもわかりません。
彼のものが忘れていた何かを取り戻せるかどうか——
それは、きっと誰かの“灯”次第なのかもしれません。
けれど、その灯がどんな色をしているのか、まだ定まってはいません。
あなたが感じた光の揺らぎが、この物語の形を変えていくでしょう。
誰かがそっと添えた想いのぬくもりが、静かな炎となり、最期を導いていきます。

次の“乗客”が現れるその時まで、
静かに火をくべてお待ちしています。
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