先日、友人とSkypeで話しこんでいた際、「この時間まで起きていると、見るものが無くて退屈である」との相談を受けました。
時刻は午前四時過ぎ。というのも、どういう訳か私は夜更かしが出来ない体質で、大分前から二十二時就寝四時起床という、殆ど仙人のような生活を送っていたのですが、その時話していた友人は、反対に朝は寝床で高鼾をかいている、という妖怪じみたライフスタイルを営んでいて、そんな人間離れした奴らにとって、午前四時からの数時間は、二人とも起きている貴重な時間帯でした。

とは言っても、私の方は目が覚めてしまっただけ、友人はまだ眠れないだけで、目的も無くただパソコンを開いている、というような有様ですから、会話もそこまで弾まず、特に友人の方はかなり暇を持て余しているようでした。
「いかん、寝落ちしてしまう。何か気の紛れるような物をくれ」
「ブラウザゲームばっかやってるからだろ、もう寝ろよ」
「うるせえ、寝起きでクエストくらいしかやったこと無いくせに、艦これ面白いんだよ」
「知らんよ」
阿呆なことを言っている間に、いよいよ睡魔が本格的に襲い掛かったらしく、声もテンションもかなり不安定になってきました。
「あ、あ、やばい。なにか面白いもの見せないと、舌噛み切って血文字でお前の名前書いてから死んでやる」
「じゃあちょっとNHKにチャンネル回せ」
しばらくリモコンを探し回る音がして、それがやむと、ややあって友人の呆れたような声がしました。
「なあ、落語しかやってないんだが、まさかナウなヤングのこの俺に、これを見てろって言うんじゃあないだろうな」
「おお、『元犬』だ、これ、犬が人間になる噺なんだよ。やっぱり昔から擬人化っていう発想はあったのかねえ」
そういってテレビを見ているうちに、チャットの入る音がして、パソコンに向き直ると、「月刊 近代盆栽」という雑誌の、定期購読申し込みページのURLが貼ってありました。

どうも、つい最近まで、人形浄瑠璃作品「女殺油地獄」を、なにか大人の単語だと勘違いしていた、ニボシです。

無駄に前置きが長くなりましたが、放置していた拙作「土井中人的生活」の更新と、第二回エリュシオンライトノベルコンテスト応募の為のタグ付けを行いました。
何処に出しても恥ずかしい愚作ですが、不出来なものほど愛着が湧くというか……
もちろん、企画参加作品である「不法滞在」を除くと、私にはこの一つしか残らない、というどうしようもない事実がまずあるのですが。

また、なろうコン応募に際して、「土井中人」の方に若干手を加えさせていただこうと思います。
作品を投稿し始めてまだたったの数ヶ月ではありますが、土井中の方を如何に読み難く書いていたか、ということにようやく気付きましたので、とりあえず誤字脱字の校正と、改行、一部分辺りの文字数の調整などを行う予定です。
そのため、話数が多少減るかもしれませんが、内容には残念なくらい変更がありませんので。
ともかく、こちらにも院部が（と言っても同じ苗字の別人ですが）出しゃばっていたりしますので、気分が落ち込んだときなんぞに、
「こんなしょうもねえ話を、自信満々に投稿してる奴が居るのか」と笑って読んでいただければ、幸いです