2015年09月11日 (金) 16:05
中2だったころの話である。中島望が書いたこの本が大好きだった。ごめん、今も好きだ。以下ストーリーと感想。
いじめられっ子で集団リンチの末に殺され、馬鹿見たいな強さを有するサイボーグ=ルシフェルとして復活する源正義、殺される間際の憧れの人(百合子といったはず)が集団レイプされる様を目に焼き付けて無念のまま死んだ彼は怨霊のように蘇る。てか怨霊そのもである。コワイ!
人知を超える圧倒的な暴力で復讐を開始し、そして終えた彼には虚しさ―――――空虚さが残り、世の悪を根絶するという達成困難なことを目標に今日も公園で犯罪者の殺害に走る。
「イライラが止まらねえんだよ」「こんな危険な世の中に君を一人にしておけない」→惨殺。
狂ってる(狂っていく)主人公が素敵でした。
でもね、かっこいいのは物語の後半戦。カルト教団にさらわれた百合子を助けに行くとこなんだなこれが。これまでの戦い(虐殺)は基本的にルシフェルが自分のために行った戦いなんだと思う。(ヤクザ一家惨殺は記憶が蘇ってなかったはずだから除く)。
しかし、後半戦は違う。百合子を救うためにルシフェルは疾走するのである。さながら魔王城を目指す勇者のように。めっさ王道だ。大好きである。
片腕を失い、それでも百合子を取り戻したルシフェルの前にカルト教団の教祖不破……まあラスボスが立ちはだかる。この教祖様も実はサイボーグで奇跡と思われた数々の出来事はサイボーグの身体能力で行われた力技だったのだ(なんじゃそりゃ)。
これ、教祖様を倒したときのセリフが最高にかっこいいんだよね。
「行こう」「KOだ、サイボーグにも弱点はあるんだ」
これはルシフェルが自らを絶対無敵の存在だと思っていたら出てこないセリフだ。このセリフで読者(俺)はルシフェルの成長を目の当たりにするのだ。
地獄変?いや、面白かったけどさ……。