2018年04月01日 (日) 09:58
「何だこれ? 門?」
それは、何度目かの大型アップデートが実施された日。ログインすると、重厚な門が建っているだけの黒い空間に出た。
勝手に門は開いていく。その先には何も見えないが、くぐれ、ということだろうと歩を進める。通り抜けると同時、世界が白く染まり――
そこは最後にログアウトした場所ではなく、アインファストの闘技場だった。大勢のプレイヤー達が集まっている。
「ようこそ、本物のアミティリシアへ!」
そして、そんなことを言ったのは、鎧姿のセーゴさんだ。その背後に控える数十人の中には、見覚えのある運営アバターもいる。
しかしセーゴさんはおかしなことを言った。本物のアミティリシアだって? GAOではない、ということか?
「選ばれしプレイヤーの諸君。ここはGAO世界の元となった世界! 実在する異世界、アミティリシア! そして君達は、GAOのキャラデータから再構築されたもう1人の自分、新たな人族だ! ゲームシステムという保護と制約がなくなり、全てが開放されたこの世界で、今までどおり、生きてくれたまえ!」
システムメニューが開けず戸惑うプレイヤー達。何のハッタリだと自殺を試み、そのまま死体となったままのプレイヤー。それを見て、実装されていないはずの嘔吐を起こすプレイヤー。
混乱が広がる中、セーゴさん達はその場から消えてしまった。
残されたのは、事情を把握しきれない俺達だけ。
これからどうすればいいのか。セーゴさん達は何をするつもりなのか。その思惑は何だ? そもそもこれは現実なのか?
そう考えたところで、腹が音を立てた。
セーゴさんは、今までどおり生きろと言った。だったら――
「まずはメシを食うか」
今後のことも相談しなきゃならない。同じくこの場にいた顔見知り達に声を掛け、闘技場を出ることにした。
ゲート・オブ・アミティリシア・オフライン
鋭意製作中!
今日は4月1日だ。あとは分かるな?