Mr.マリック騒動に思う 今回も深夜2時投稿予定
2015年07月01日 (水) 00:04
今回も前回と同じ時間に投稿いたします。
前回は少し短めだったのですが、今回はその分長くなったのに、説明回になってて話はあまり進んでません。
これはひとえに成立したばかりのバカップルのせいです。
キャラが勝手に動くというのは、今まで何回か経験しましたが、今回は特にひどい。初カレ初カノ同士だからしょうがないんでしょうが、ちょっと油断するとすぐにイチャイチャしやがります。おかしい、ラブシーンは最初だけで、あとは説明回にする予定だったのに、何で説明を入れるたびにキスしたりハグしたりしやがる!?(笑)

さて、今回は実は別のことを書くつもりだったのですが、先日女房が見てるので一緒に見た「しくじり先生」というTV番組の中のMr.マリックの話を見て、思う所があったので、それについて書きます。

Mr.マリックについては、当然ながらリアルタイムである程度は見て知っていました。それだからこそ、当時も今も、彼が「超能力者」扱いされたあげくに、「インチキ」と叩かれたのが納得がいかないのです。
テレビ番組で、それっぽい演出をしていたのは見ていたし知っています。しかし、ちょっと考えれば、アレがマジックであることなんか、すぐ分かることだろうと思っていました。第一、マリック氏本人も言っていたように、本人は一言も「超能力」なんて言ってません。あくまで「超魔術」すなわち「スーパーマジック」です。「ハンドパワー」は「手の力」つまり、手品に他ならないじゃないか、と。
だから、あれは超能力ギミック(当時はギミックなんてプロレス用語は知りませんでしたが)のマジシャンとして楽しんでるものとばかり思ってたのです。
だって、水曜スペシャルの川口探検隊をドキュメンタリーだと思って見てた人なんていないでしょう? あの番組を「やらせ」とか言って非難するとかあり得ない。
それと同じレベルで、Mr.マリックを楽しんでいたのです。
ところが、バッシングが始まったのを見て「アレ? もしかしてみんな本当に超能力だと思ってたの?」と驚いたのです。
その後、オウム真理教事件で、マリック氏に比べて格段に質の低いトリックで麻原彰晃が結構高学歴の信者を騙していた事を知って、騙されやすさというのは学力と関係ないんだな、としみじみと思いました。

ところで、その「しくじり先生」では、Mr.マリックが超能力ギミックを始めた理由も説明していました。それはユリ・ゲラーの超能力ブームによって「超能力」=「本物」、「マジック」=「インチキ」と思われてしまったせいで手品師の仕事が激減してしまったからだというのです。
それを聞いて、前から思っていたプロレスとマジックの類似性というものは正しかったんだな、と改めて感じました。また、同時に、昔の日本人の真面目さというか、エンタメ適性の低さというものについても、つくづくと感じました。

だって、「超能力」ってつまらないですよ。箱の中のものを念視したりとか、スプーンを曲げたりとか。地味でしょう。

「総合格闘技」というのも同じで、ルールにもよりますが、真剣に戦うなら、そりゃ防御を固めますよ。派手なKOだとか一本勝ちとかができるのは、まだ技術体系が未整備の頃で、戦い方が分かってくれば、防御の方がどんどん進歩して、見てて面白くなくなる。
それを防ぐにはスポーツ化して、派手に攻撃するようなルールにしなくちゃいけないわけで、禁止事項を多くして制限を課すことで、逆に派手な勝負にできるようにする。相撲なんか、その典型的な例で、さすがに何百年も格闘興業、それも15日連続の総当たりにちかい連戦なんて方式をとってやってきただけにルールが洗練されている。スタンディングのみ、オープンフィンガーブローオンリー、下半身への打撃禁止、1ノックダウン、リングアウトで負け。分かりやすくて短時間で勝負がはっきり決まって、その結果が見てて分かりやすい。
また、観客を盛り上げるために、勝敗に筋書きをつけることも昔から行われてきたわけで、「八百長」も「ガチンコ」も相撲用語です。

今は日本人の気質もだいぶ変わってきて、エンタメを許容するようになってきたように思えますが、それでもなお「本物」「真剣勝負」をありがたがり、演出やトリックがあるようなエンタメを一段下に見るという傾向は残っている気がします。

それ、つまんないんじゃないかなあ、なんて思ったりするのですよね。子供の頃は「超能力」よりも「紅白歌合戦」の前に放送される「世界のマジックショー」の方を楽しみにしていて、後にプロレスを愛好するようになってからは総合格闘技なんかよりもプロレスの方がよっぽど楽しいのに、と思っている私のような人間からすると、ですけど。

なんてことを思ったのとはあまり関係ないんですが、今回の末尾と次回の冒頭は結構プロレスネタ入ってます(笑)。一応説明は入れてますが、分からない人は読み飛ばしてください。
コメント全8件
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結城藍人
2015年07月02日 20:08
gac様、コメントありがとうございます。

そう言われると、なんか「持ち上げ」→「叩き」のコンボって、本当に最初から想定されてるんじゃないかと思えるようになってきました。マリック氏に限らず、宜保愛子とか、野村サッチーも同じような筋書きが最初から組んであったんじゃないか、とかうがち過ぎですかね。

インチキ霊能者を見破るのに、トリックの専門家であるマジシャンは逆に最適っぽい気もしますね。マジシャンは最初からマジックを見せると言ってお金を取ってるんだから詐欺ではないので、似て非なる詐欺師が許せないのでしょう。

あと、キン肉○ン世界ならピラミッドパワーが普通にあってもいいんじゃないかと。あの世界、重力加速度無視して鉄の鎧の方が速く落ちるってガリレオもびっくりな物理法則があったりする世界ですし(笑)。
gac
2015年07月02日 07:36
懐かしいですねぇ、Mr.マリック叩き。
「手品師を魔術師として扱って儲ける」そして「詐欺師として糾弾して儲ける」という、
酷いシナリオが事前に用意されていたんじゃないかなぁ、と疑ってしまう変な話でした。

手品師が詐欺扱いされる話のある一方、霊能力者を詐欺師として糾弾する手品師も居ました。
脱出王フーディーニという方です。
「亡き母親の降霊をする」という会合に参加した所、それが偽物だと見抜いて激怒。
以後、霊能力者ハンターとして数々の心霊トリックを暴いていく人となりました。

手品師が霊能力者を詐欺師として糾弾する奇怪な話。
それは「信じたのに裏切られた」という純粋な怒りが動機だったようです。

本物志向の気質と共に「他人の言葉を信用し易い(いきなり疑わない)」という日本人の美徳。
これも超魔術叩きに拍車を掛けたのかもしれません。
でもピラミッド・パワーの実在を信じるとか、ちと無理がありますな。(笑)

キン肉○ンにて、ピラミッド・パワーを使ったラー○ンマンが何か言いたげだけど気にしない。
結城藍人
2015年07月01日 22:43
sugi様、コメントありがとうございます。

エンタメでもそんな風潮はありましたよね。
ただ、その一方で、そんな風にリアリティやシリアスに登っていったものは、やがて「伝統芸能」に上がってしまって、生きたエンタメじゃなくなるという道をたどるのかな、という気もします。
滑稽な猿楽が能に昇華されて、伝統芸能になった代わりに、一部の趣味人のものになったように。その代わりにブランド化するという。

ジブリのアニメは、伝統芸能化の手前でブランド化に成功した希有の例かなとも思うのですが、その昔宮崎駿が言った「セーラー服が機関銃持って走り回るようなアニメはいかがなものか」(記憶頼りなので細部違うかもしれません)は、やっぱりシリアスコンプレックスとブランド化への憧れが入ってたのかな、とも思うのですよ。
もっとも、あの頃の宮崎駿は、自身がちょうどブランド化を進めていた頃だったので、その一環としては整合性がある発言ではあったのですが。
 やっぱり、日本人の国民性なんでしょうかね(笑)

 エンタメの世界でも、リアリティやシリアスを尊びコメディやギャグを一段下に見る風潮がありますね。あとは、ブランドものに弱いという(^^;
結城藍人
2015年07月01日 05:45
本堂ゆうき様、コメントありがとうございます。

一応はプロレスネタですけど、もちろん「キ」の方とも引っかけてますよ(笑)。
妹ちゃんは、どっちにも引っかけられるネタが詰まってる子なので、書いててとても楽しいのです。

ちなみに、プロレスラーの獣神サンダー・ライガーの正体は山田恵一というレスラーなのが最初から公表されているという当時の覆面レスラーとしては珍しいパターンだった(その後、正体バレ覆面レスラーは格段に増えました)のですが、「山田はリバプールの風になった」のナレーションと共に行方不明(笑)になってライガーが登場したのはプロレスファンの間では鉄板のネタです。

お客さん置き去り状態になってる可能性が高いのが自分でも「自嘲しろ」…もとい「自重しろ」って感じなんですが。
結城藍人
2015年07月01日 05:39
wildcats3様、コメントありがとうございます。

ほんとうに、誤認で大騒ぎというのは、ネット時代になってひどくなったというのはありますね。
大河ドラマや歴史小説をフィクションではなく史実だと思ってしまうというのも、偉い人とかですらあるというのは何だろうなと思います。司馬遼太郎とか、かなり脚色しているのに演出が上手いから史実に思われてしまうというのはあるかとは思うんですが、あれはフィクションだよ、というのがどうして分からないのかと。

あと、ドラマのキャラを役者だと思ってしまうというのは、金八先生の時の杉田かおるとか、冬彦さんの佐野史郎とかも同じ目にあってますよね。

小説の小が取るに足らないという話は、井沢元彦氏の「逆説の日本史」で読んだことがあります。このあたりがフィクションを下に見るという傾向の大元なのかもしれませんね。その割に「事実」をしっかりと確認してないところが問題なんですが(笑)。

前にも書きましたが、私は実はもっと新しくて、過去の試合は映像で見たことしかないんですよね。それでも猪木対ロビンソンとか、アンドレ対ハンセンとかは、凄く面白かったんですけど。
私にとってはカルホーンも過去の人です。で、さすがにミスター・アトミックまで行くと誰にとっても過去の人だろうなあ、と思ってネタにしたんですが(笑)。
退会済
2015年07月01日 02:16
本当に最後の文字はプロレスネタだったのだろうかと
予告編を見ても疑ってしまう私ですw

wildcats3
2015年07月01日 00:34
早合点、頓珍漢な思い込みってのは昔から変わらないですねぇ。
しかも。
最初に誤認して大騒ぎするのが、一般家庭じゃなくてマスコミであるってのが、19世紀のイギリスやフランスでもありましたし。
最近だと、ネットの伝聞や、ネットニュースの見出し記事を曲解して、無関係な人をバッシングする。
短気で堪え性が無い人が増えてくると、自分で検証しないし、事実よりも虚言を信用してしまう傾向も増加し、混沌を勝手に作ってしまう。
『忠臣蔵』や『絵本太閤記』あるいは、大河ドラマを史実だと鵜呑みにしてしまう。
『ヨルタモリ』にゲストで出ていた大泉洋氏が、朝ドラの『まれ』の駄目親父そのままの人だと勘違いした視聴者に「しっかりしろ!」と叱られたとボヤいてましたしねぇ。
Mr.マリック氏は、<ハンドパワー>という造語で以って、<手品>は更に進化出来るのだと証明したのに。
ソレを<超能力>だと勘違いした人達が大騒ぎしただけで……。

『徒然草』にも、考えの足りぬ者は声が大きい、って書いているようですし(苦笑)。

私も端っこに引っ掛かるように連なって居ますが、<小説>って単語も元の意味を問えば<ラノベ>って意味に繋がりますからねぇ。
<小説>の<小>は、取るに足らない、って意味ですから。

大騒ぎ する前にちょっと 考えよう

プロレスは、私も好きでした。
リック・フレア、ザ・サモアンズ、ヘイスタック・カルホーン。
流石にフリッツ・フォン・エリックやディック・ザ・ブルーザーは懐かし映像でしか知りませんが(苦笑)。