身辺雑記&電撃大賞続報
2016年01月15日 (金) 13:26
明けましておめでとうございます!(遅い) もう15日ですが、新年一発目のご挨拶なので。
いやー何だかんだで、もはや完全に幽霊作家ですね。幽霊なのにこうして生存報告をするというのも何だか変な感じです。
でも作品を投稿していないだけで、お気に入りユーザさんの新作やブクマや活動報告はなるべくチェックするようにはしていますよ。コメントを書き込むところまではできていませんが……。

公募用新作のアイデア出しをすると言って身を潜めた僕ですが、作業は難航しております。前々から和の雰囲気を持った作品を書きたいと思っていて、そんな感じのヤツを二案ほど思いついたものの、忙しさを言い訳にほとんど手が出せていません。
というか、実は書く時間がないだけじゃなくて、色々と気負い過ぎている自分もいたり。
何と言いますか、「へぇ、中々上手く書けてるんじゃない?」とか「陳腐だけどこれはこれで面白いんじゃない?」って言われるような、中の上くらいの作品を書いても意味がないと強く思うようになって。
今までの僕は「平均以上の物が書けてれば十分でしょ」とか「陳腐でも王道でも、面白く書けてればオーケーでしょ」とか、そんな感じで軽く考えてたんですよね。

でもその考えは甘いです。それじゃ受賞なんて到底無理。書くならやっぱり読んだ人が「おおっ、この発想すげーな!」って驚くような作品じゃなきゃダメなんです。一巻できっちり盛り上げ、綺麗に終わり、それでいて二巻三巻と続けられそうな遊びがある。そういう作品を書かないと受賞できないし、万が一受賞できちゃったとしても未来の自分が困るだけ……最近はそう思うようになりました。

身近に弟という良い手本があるので、余計にそう思うのでしょう。弟のヴァルハラと自分が思いついた作品を比べると、明らかにインパクトで負けています。冒頭も山場も結末も、それなりの物が出来てるとは思うけど、それなりでしかない。あと一歩先へ飛び出さなきゃいけないのに、飛び出せない。このもどかしさは、僕だけじゃなくある程度こなれた作者のほとんどが抱えていると思います。

「え、そう? 俺は最高傑作がちゃんと書けてるけど?」
そんな風に言う作者さんもいるでしょう。実は僕もその一人。頭では悩んでいても、心では過信しているという矛盾。
けど大抵の場合、その最高傑作は自分がそう思っているだけで、同レベルの実力者の中に紛れたら埋もれるしかない凡作だったりするのです。

……と、こんな風にネガティブ思考が頭を埋め尽くしているから作業が進まない訳でして。弟からも「気にし過ぎ。変に気負わず自分の感覚を信じて書けば大丈夫」って言われてるんですけどね。まぁ妥協して書き始めても仕方ないので、自分が納得できるまでじっくり考えたいと思います。


そして最後に弟関連の続報なのですが……ついにこの時が来ました! というと白々しいですね。この日が来るのを何日も前から待っていて、この記事の文面も数日前から練っていたくせに。まぁそれはそれとして。

本日、電撃文庫公式サイトの第22回電撃大賞受賞作品特集ページが更新され、我が弟の作品「ヴァルハラの晩ご飯」のビジュアルと試し読みが公開されました!
イラストレーターはファルまろさん。綺麗で柔らかくて温かみのあるイラストが、作品の雰囲気にピッタリ!
ファルまろさんはこのなろうから書籍化した小説『左利きだったから異世界に連れて行かれた』や『必勝ダンジョン運営方法』などのイラストも担当されている方だそうで、ご存知の方も多いかも?
ヴァルハラ以外の受賞作品もあわせて4作品が公開されているので、興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。僕も時間がある時に全ての試し読みを拝読し、しっかりと勉強させていただきます。
コメント全9件
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いかぽん
2016年01月17日 06:54
>トリーシャの力を頼って勝手にドラゴン退治を引き受けたアシュレイドン引きだわ~って意味の感想なのではないかと

げげっ……ほんとだ、そういうことか。
めっちゃ被害妄想った!( ̄□ ̄;
明智 烏兎
2016年01月17日 02:11
『白銀の剣姫』ですが、実はすでに読ませて頂いてます。といっても金曜日の休み時間中に少し読んだだけなので、まだ一話だけですけど。
もう夜遅いので朝になったら続きを拝読させていただきます。

あと、ちょっと感想欄を眺めて思った事が一つ。
しょぼんさんへの感想返信にある、車輪の再発明とか先人の知恵って、もしかしてストーリーメーカーの事でしょうか?
もしそうなら、いかぽんさん勘違いしてるかも。
あれは、大塚英志氏のストーリーメーカーを頼ったいかぽんさんを非難している訳ではなくて、トリーシャの力を頼って勝手にドラゴン退治を引き受けたアシュレイドン引きだわ~って意味の感想なのではないかと。

全く見当はずれな事を書いていたら申し訳ないですが、ちょっと気になったもので。
いかぽん
2016年01月17日 01:32
そして最後に宣伝かましておくと、昼に完結した連載短編『白銀の剣姫はパーティを組まない』は、『ストーリーメーカー』を使って作ったプロットをもとに書いた作品です。
それでどんな感じになるのかというサンプルとして見てもらっても、なかなか面白いんじゃないかと。

もちろん、ツールはツールとして使っても、ちゃんと自分の手で魂は込めてますけどね!(`・ω・´)
明智 烏兎
2016年01月16日 19:53
なるほどです。作者の性癖を作品に反映させるべし、という事なのですか。
自分は意識して押し殺している部分と、無意識に滲み出てる部分がある気がします。その辺、もう少し踏み込んでみる勇気が必要かもしれませんね。

あえて性的な事に限って言えば、経験上応募作にエロは歓迎されてないイメージです。
読者に媚び過ぎ。
下ネタがエグイ。
エロに脈絡がない。
エロで文字数稼ぎするな。
など、エロ描写を取り上げて酷評される事が多いんですよ。単純に僕の書き方が悪いだけかもしれませんが……。

『ストーリーメーカー』も持っておくと良さそうですね。
僕も弟も、小説の書き方や物語の作り方を意識的に学ぼうとした事がなく、どうも感覚で書いているみたいで。
作品を書く前に設定や簡易プロットみたいなものは用意するのですが、詳細プロットは作らずキャラの動くままに任せて一発書きしておりました。
ただし一気には書き進めず、少し書いたら戻って推敲して、また続きを書くの繰り返し。非常に時間がかかる書き方です……。

アマチュアである内はそれでいいかもしれません。
が、きちんとした詳細プロットを用意して、それに沿って書く技術を身につけないと……いざという時に苦しむようです。と、弟を横目に見ながら。

ちょっと検討してみます。色々と有意義な情報、ありがとうございました!
いかぽん
2016年01月16日 16:28
『面白ければなんでもあり』は、その辺の売れるものがどうとかはまあ今更の話として、個人的には「作者の性癖を作品の家訓にしろ」とか、そのあたりが面白かったですね。
別に性的なものに限らず、それを暴露したらあとでゴロゴロ転がって恥ずかしがるような作者の一番根っこの性癖に沿った作品を書くべきだ、ということだったんですが。

『ストーリーメーカー』は、それを使って作品を書かないまでも、それを使って一度プロットを作ってみると、見えてくるものがあるっていう感じですかね。
あと、ロシアの民俗学者ウラジミール・プロップの「物語の構造」論に関する説明もとても分かりやすかったので、そちらもまだ触れていないなら、教科書としてお勧めできます。
まあでも、これは書店に置いてなかったので未読なのですが、『ストーリーメーカー』の前提となる『物語の体操』という同氏の著作を読んだ方が、勉強としてはいいのかもしれません。
明智 烏兎
2016年01月15日 19:51
えくぼさん、コメントありがとうございます!

なんと……和モノ、周りで流行ってますか!
初めは和風ハイファンタジーのバトル物にしようと思い設定を書き始めて、何か刀剣乱舞のパクリっぽい上に話が暗いなと思ってストップ。

今は和風ローファンタジー学園ラブコメ異能バトルみたいなものを考え中です。色々欲張り過ぎな気もしますが。
どっちにしても日本刀とか妖怪とかを調べる作業が大変なんですけど、これが結構面白い。

今の案が結局ボツになったとしても、調べたものが無駄になる事はきっとないはず……そう信じたいです。
明智 烏兎
2016年01月15日 19:34
いかぽんさん、コメントありがとうございます!

気負い過ぎて書けない、これが一番ダメだというのは分かってるんですけど、一度はまると中々抜け出せないんですよね。

「面白ければ何でもあり」は、前にAMWから献本していただいた電撃文庫マガジンに最初だけ載ってました。それによると「面白い作品が売れるのではなく、多くの読者に読まれた作品が売れる」らしいですね。
なろうに置き換えるなら、人気になりたきゃアクセスを稼げ。そうするにはランキングに入れ。そうするには援護射撃してくれる友達を作るかバレないように自演するかテンプレを書けって事だよなぁ……となった覚えがあります。

「ストーリーメーカー」もいかぽんさんのエッセイで名前が出ていましたね。ちょっと気になり始めてます。どうしても自己解決できない時はそういう物を頼ってみた方がいいかもしれません。

長編は……ちゃんと書き上げられたのって、実はまだ5作品くらいです。応募歴だけ無駄に長くて(もう8年くらい経つかも)、それを考えたらすごく少ないと思います。
いかぽんさんは長編を書くのがしんどい、というか2~3万文字で書きたい事を書き切ってしまうとおっしゃってましたよね。
生産力の低い僕が言えた事じゃないですが、長編を書くには長編を書けるだけの設定と、納得のいくラストが不可欠だと思っています。
設定をしっかり作っておけば書きたい事は自然と増えるし、納得のいくラストが決まっていれば意欲を失くしにくいと思うのです。
僕が「よし、長編書くぞ!」と思って書き上がらなかったのは、「ラストが微妙なんだよなぁ」と首を捻りながら書き始めた作品でした。

では、いかぽんさんにとって良い1年になりますように。
えくぼ
2016年01月15日 19:05
あけましておめでとうございますー!
今年もよろしくお願いしますねー

そして周りで流行りだす和モノ……!
明智さんなら大丈夫大丈夫、と無責任に励まします。積み重ねていくことは無駄にはならないと10年書いて花開いたという人も言ってました。いろいろ考えて書く人でもやっぱり最後の個性の部分で自分の感性頼りになるもんだと思いますよ。
いかぽん
2016年01月15日 14:40
出たな、ハードルアップスパイラル!<気負いすぎて書けない
そうなったときにどうするのが正解かは分かりませんが、「勉強する」というのも、新たな視点や武器を得られるという点で、一つの手かもしれません。

最近読んだ中だと、SAOや俺妹の編集者が書いた本『面白ければなんでもあり』とか、大塚英志さんの『ストーリーメーカー』とか、なかなか興味深かったですよ。
もしまだ手を付けていなければ、お勧めです。



……でも明智さんは、ちゃんと長編を書ける能力と意欲があるだけ、優秀ですよ。(´・ω・`)