息抜き小説
2012年08月09日 (木) 18:39
※注意※

 普通の活動報告ではありません。リオンの【第1章6】繋がる ♯ の読了後が望ましい、パラレル小説です。なんちゃって、なあんまり考えこまない文章です。ゆるい軽い息抜きにどうぞ。


『ブランとシェイが一発でヒアくんのことを思い出す場合』

(改稿での思い出すタイミングは、ジュディアちゃんのお話をしているときにするつもり=元と同じ)


「さて。もう伝言もないので、屋敷に戻ろうかな」

  ヒアは周りの青年たちに聞こえるように、大きな独り言を言う。すると有象無象が騒ぎ引き留めた。しかし、ブランとシェイという二人は、じっとヒアの方をガン見である。

 今さら「君たちとそっくりな人達に剣を教えてもらってました」なんて、ヒアが話せる わけがない。ので、素早くこの森の広場から去ろうとした。

 が。


「なぁあの人、なんて名乗ってんの?」

 高く黒いオーラが漂っていたブラン青年の声が耳に届く。彼らに背を向けて歩いていた、ヒアの肩がぴくっとはねた。

 ごにょごにょとした言葉のあと、シェイ青年が笑う音が離れたヒアのもとへ伝わる。

「……なーんか、懐かしいね」

 ヒアは急いで、彼らの視界から失せようとするも、手遅れだった。


「おじさん、だったよなぁ?」

「うーん確か必死に、お兄さんと呼べと言われた気がする」

 あっという間に二人は、ヒアの前に現れていた。三十もすぎたヒアは、逃げようがない。二人の怖い笑みが確実に獲物を追いつめる。

「そんなもん、どうでもいい。大事なのはコイツが親父を知ってる、っつうことだ」

「あっ捨て置いちゃう?俺もそれが知りたいんだけど」


「「教えて(ろ)よ」」

 強引なやり口、あくまで自分勝手な論理、有無を言わさぬ自信。

 あぁやっぱり親子だ、とヒアは諦めたように呟いた。


 了



『十数年前ヒアくんと、ブラン&シェイの父親』

(最近リオンなんて知ったばかりだし、という方へむける紹介)


 むかしむかし、ある街にヒアという青年がおりました。そのとき街は悪い奴らに占領されていて、住人たちは苦しんでいました。

 そこへ助けにやってきたのは、フェブリーヤ一族の村の人でした。フェブリーヤとは、かの有名な英雄リオンの家系です。だから救助に派遣されたのも、強い人物たちばかりでした。


 さて、助けに来た村人は、まず一目散にヒアの家を訪ねました。なぜなら彼らに泣きついたのはヒアの友人で、街に入ったらそこへ行くよう言ったからです。そうして、とても親密な関係を築く出会いが生まれたのです。


 もうお察しのよい方ならお分かりでしょう。出会った村人というのが、ブランの父親ドラントと、シェイの父親モデランとあともう一人でした。この一人については、またどこかでお話しましょう。今回は父親たちの話です。

 ヒアの家へ侵入した彼らは、助けに来た事情を話して、ヒアに協力してもらうことにしました。実は彼はなかなかいないほどの剣の腕前だったのです。

 自分ではそんな自信がなかったヒアでしたが、強引な押しに負けて一緒に行動することになりました。


 街を占領していた悪党をやっつけるのに、そうそう時間はかかりませんでした。村人とヒアはみるみるうちに、ばっさっばっさと倒していったのです。アジトとなっていた廃墟へ、ヒアとモデランが予告襲撃し、逃げ出した残党をドラントともう一人が残らず捕まえました。

 今まで我が物顔で街を闊歩(かっぽ)していた、とは思えないやられ様でした。


 協力したのは短い間でしたが、ヒアはこの村人たちと過ごして言い様のない心地よさを感じていました。自信をつけさせてくれたり、一緒にフォローしあって戦ったりしたことが、ヒアのなかで大きくふくらんでいるのです。

 しかしもう悪党はいなくなりました。村人たちも帰ってしまいます。

 この出会いはこれで切れると思っていたヒア。だけどそれは大間違いです。


 村人たちのほうも、ヒアのことをよく思っていました。この三人は、腕利きが多い村でも特出した実力の持ち主でした。ほかの人では三人と一緒に戦うことすら難しいのです。だからぜひとも、村でヒアを鍛えてこのときのような事態に連れていきたい、と思っていました。

 まだそれを知らされていないヒアに忍び寄る、悪い笑みを浮かべる村人たち。結末を想像するのは簡単でしょう。三対一ではとても不利ですもんね。


 村に無理矢理連れてこられた先で、ヒアは三人と特に親しくなりました。自分よりも年上で子どももいたドラントとモデランを兄のように慕い、もう一人のことは妹のように親しみました。

 この三人と友人は長い時をかけてヒアにとってかけがえのない存在となったのでした。


(『隊長と先生1~4』の省略まとめ版)了



 数日でこれだけ書いて分かったこと。笹沢は、こいつらのことが大好きすぎること。

 こんなライトな文章は、私自身も息抜きになりました。次に、本編に入れるまでもない小ネタが降ってきましたら、また上げます。

 あ、最後には活動報告らしいことを。現在リオンの執筆よりも、「My magic」の全面改稿を優先しております。もっと設定を出せとのお言葉を頂きましたので、書き出してみたらほとんで違うものになっていましたので、完成後は一度御覧になって下さい。

 それではこの辺りで、失礼します。
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