2018年11月11日 (日) 23:18
無詠唱。
それは詠唱せずに魔法を行使することである。
これは言い換えるなら、本来必要とされる手順はパスして魔法を行使するということになる。
そうするとどうなるか。当然ながら不完全であり、正規手順に比べて効率は落ちる。
ではなぜわざわざ無詠唱をするのか。
それは発動速度を高めるメリットがあるからに他ならない。
同時に高等技術であり、一部の才能ある者のみが無詠唱による魔法行使が可能となっている。
と、説明したが、ちょっと待って欲しい。
無詠唱は果たして高等なのか。
私はむしろ逆だと思う。
というか詠唱するほうが無詠唱よりも発動が速い筈だ。
何故なら、詠唱というのは魔法を練る代わりの媒介として言葉を用いているからだ。
直接魔法を行使するのでは集束効率が悪いから、言葉というものを利用して効率を高めている筈だ。
でなければ詠唱という概念自体存分する必要がない。
魔法が生まれた起源を考えると、間違いなく最初に無詠唱魔法が生まれ、それから詠唱という概念が誕生してくることになる。
そうでなければ話がおかしい。
そうなると無詠唱というのは高等でもなんでもない。ただの試作品といえる。魔力効率も集束速度も遅くてしかるべきだ。
それから精錬されて、どんな言葉を用いると最適なのかが研究された結果が詠唱であり、完成品である。
まとめるとこうなる。
詠唱は魔力の代わりに言葉を媒介として魔法を成立させる為に、使用魔力が低くおさまり、魔力効率が上がり、成立速度も上がる。
無詠唱は単に魔力を魔法として無理やり成立させる為に、使用魔力が高く、魔力効率も悪い上に、魔力を練って変換する時間が必要となる為に成立までの手順が多く速度も落ちる。
無詠唱。
それはアナログである。
詠唱。
それはシステムである。
無詠唱はマニュアルである。
詠唱はオートマチックである。
無詠唱が詠唱に勝る理由は声帯がいらないということだろう。
しかし、詠唱が言葉である以上、必ずしも発声せずとも使えるはずだ。
心の中で唱える。紙に書く。
二重媒介になれば効率は落ちるだろう。しかしそれで成立しない道理はない。
そう考えると無詠唱とは、詠唱してるが発声していないだけ、ということになるのではないか。
それだと無詠唱ではなく、暗黙の詠唱とか、無言詠唱というべきか。
なんにせよ、無詠唱が詠唱に勝る理由は私には理解できないことだけは間違いない。
標準的な詠唱→種子島式の先込め火縄銃
無詠唱→薬莢(カートリッジ)式の弾丸
↑
毎回「詠唱」を行う、というのは、必要になって初めて用意をし始め、複雑な手順を間違えずに行った後に、やっと効果を発揮するという事でしょう。
種子島式火縄銃と現代的な薬莢タイプの銃で比べたら、色々と比較にならない筈だと思います。
(発射後の)威力や命中率に全く差が無いと“仮定”しても、毎回メンドクサイ手順を踏まないと発射すら出来ない種子島式火縄銃に比べて、カートリッジさえ込めてあれば素人でも引き金を引くだけで確実に発射できて連続でも撃てる薬莢タイプが【劣る】部分って、何か有るのかな?と疑問が。
同じ事は「乾電池を入れてスイッチオンで照らせる照明(ライト)」でも言えるでしょうし。
【事前に用意(準備)しておけば即時対応と高速化が可能になる】事こそ、「無詠唱」の最大のメリットだと思いますよ。