2011年12月06日 (火) 23:19
こんにちは!ちょっと思いついた話です。よければどうぞ。
「えっ!それどういうこと…?」
付き合って3年になる彼氏との久しぶりのデートの席で信じられないことを聞きました。
「ごめん…。悪いとは思うけど、結婚することになりそうだから。」
思わず顔を背けたまま、彼が言い募ります。
「結婚って…。私たちは…。」
震える声で響子は彼に訴えます。
「ごめん…。もう決まったことだから。響子だったら、相手はいくらでもいると思うから。さよなら。」
彼はそう言うと、足早にお店を出て行きました。
残された響子はあまりのことに呆然となり、追いかけることも出来ずに立ち尽くしてしまいました。
ちょっと、いきなりどういうことなのよ…。
結婚って、私たち3年も付き合ったのよ。
その時、響子の携帯から着信音がなり、
ため息をつきながら響子は電話に出ました。
「もしもし…。」
「お嬢さま、山口です。夜分失礼いたします。」
相手は響子の叔父の秘書の山口でした。
「何だ、山口さん…。何の用?」
めんどくさそうに響子が言います。
「何だとはご挨拶でございますね。先日お願いしたパーティー出席の件でございますよ、いかがかと思いまして。」
山口もそれに怯むことなく用件を言います。
「それは確かお断りしたと思うけど…。」
響子は冷ややかに答えます。
「お嬢さま、そうおっしゃらずに社長もぜひお嬢さまにお願いしたいとのことで。」
「山口さんもしつこいわね。いいわ、私から叔父さんに断りを言うから。」
不機嫌そうに響子は答えます。
もう、こんなときにそんなことに付き合ってられないわよ。
「お嬢さま、お待ち下さい。そんなことをおっしゃらずに…。ご出席いただければ、この山口に出来ることは何でもいたしますのでお考え直しいただけませんでしょうか?」
山口も社長に怒られると思って、必死に食い下がります。
「何でも…。それは本当?」
響子はうたぐり深そうに尋ねます。
「出来ることだけでございますよ。ご出席お願い出来ますか?」
「ええ、出席するわ。その代わり調べて欲しいことがあるの。もちろん、このことは誰にも秘密よ。」
「ありがとうございます、お嬢さま。社長もお喜びになります。…それでお調べになりたいこととは何でございましょう?」
山口は嬉しそうに答えます。
「実は…」
もちろん響子の調べて欲しいこととはさきほど別れた彼のことでした。