英語になりました(今日も絵に描いた餅が美味い)
2024年07月26日 (金) 19:54
この度『今日も絵に描いた餅が美味い』の漫画版の英語版がリリースされました。
とりあえず10話まで出ているようです。今後も週1で増えるようです。速い!
こちらです英語版(Manga plazaさん)。
以下、所感です。


当方、翻訳に対して非常に後ろ向きでした。理由は至極簡単で、クオリティが担保できないからです。
当方は日本語が母語ですので、他言語への翻訳は自力でできるものではありませんし、専門家の方が翻訳したものを確認することすら正しくできているか分かりません。

また、当然ながら拙作の全ては、当方が日本語で表現したいものを日本語で伝わる範囲にのみ伝わる想定で書いておりますので、翻訳して他言語になったそれは、もう当方が書きたかったものではないんですよね。

特に、『今日も絵に描いた餅が美味い』は翻訳に不向きであり、翻訳しない方が良かったものだと考えております。
『絵に描いた餅』が直訳で通じないのに作中が餅だらけなところからしてそうですが、恐らく、作中の背景にあるものが国外で大切にしてもらえないだろうな、と考えるからです。

例えば、本作のテーマの1つに寛容のパラドクスや、自分とは違う考えや文化の尊重があるわけですが、まあ、多分、海外では馴染みがない考え方なんだろうなあ、と。ほら、うん、まあ、最近も色々あるじゃん……?

また、翻訳というもの自体にいい印象がありませんでした。
当方、『俺が死んでも世界は回る』を韓国語への無断翻訳および無断転載された際に色々と、こう、頑張った経験がございます。(当時、Twitterでご助言等下さった集合知の賢人方に改めて感謝申し上げます)

あの時、翻訳者にやっとコンタクト取れて『当方は翻訳や転載を許可していない。削除を求める。』とお伝えした時に『作者がコメントしてくるなんて、まるでサインされたみたい!』みたいな喜び方されたんですよ。

まあいわゆる『文化の違い』なんでしょうが、当方からしてみれば『じゃあ違う文化圏には壁を作って防衛せねば』っていう考えに至るに十分なんですよ。(懲りたので、当方は拙作の全てにおいて、韓国語への翻訳は今後も一切許可しません。されてたら全部海賊版です。通報してください。)

(が、インドネシア語については、もし打診がちゃんとあって出版社の許可が出れば許可したい。数年前、とても誠実な打診を下さった方がいらっしゃいましたので、あの人の誠実さにいつか報いたい。ちゃんと拙作を好きになってくれて、ちゃんと許可を取ろうとしてくれる誠実さには、誠実さで返したい。)

ということで、まあ、翻訳は全く気乗りしておりません。でもしょうがないね。
あとね、翻訳のチェック、滅茶苦茶大変なんですよ。校正料とかある訳でもないし、割に合いません。だが作品のクオリティが上がる余地が少しでもあるなら、やらねばなるまい。作者の責任として……。

とはいえ、翻訳されちゃったらされちゃったで、悪いことばかりではなくてですね。
台詞が英訳されるにあたって内容が変わるものがあるんですよ。『スタッフが美味しく頂きました』は海外だと通じないので、セリフの内容ごと置き換え、とか。『ワタシタベテモオイシクナイヨー』はこうなるのか!とか。

当方、お恥ずかしながら英語が不得意なものですから、辞書と翻訳ツールに頼りつつ『おお!先生が滅茶苦茶餅をディスっている!』とかで楽しんでおります。
オノマトペも逐一英語がくっついて、成程、これは面白いなあと思いました。これは良かったことです。

当方、翻訳されるということを、海外に売るための手段だと認識していたんですよ。なので翻訳したくなかった。
ただ、実際に翻訳されたものを見たら、翻訳というものが手段ではなく目的としては価値あるものだと思えました。
なので、翻訳されてみても、まあ悪いことだけではなかった、と思っています。

また、以前、『絵に描いた餅の漫画読んだよ!でも日本語読めないから英訳されてる海賊版を読んだよ!』というファンレターおよび犯罪の告白を頂いたことがあったんですが、その方にこれでようやく『海賊版ではなくこっちを読め』と言えるのは良かった。すごく良かった。うん。そういうことにしよう。

ということで、以上、英語版『今日も絵に描いた餅が美味い』もとい『Let's eat a pie in the sky』をどうぞよろしくお願いします。
(以上の文章は出版社の方から掲載許可を得ています。ご安心ください。くっくどぅるどぅー。)
コメント全3件
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Niimi
2024年08月08日 06:44
当方も英語はさっぱりなんで、AI検索サイトとかで「a pie in the sky」とかを翻訳してみました。これを慣用句として「絵に描いた餅」と返すところもあれば、「空にあるパイ」と直訳しかしないところもあって、結構違いが判りますね。
関連して「Easy as pie」とかあっちじゃぁPieとかCakeとかを慣用句としているんだなぁと知ったり。

ところで上記で遊んでいたときに気が付いたんですが、「メイドは進むよどこまでも!」から慣れ親しんでいるペンネームですけど、DMMブックスさんだと「もちもちまたー」さんじゃないんですね。違和感が…
# あぁケトラミをもふりたい。
むぎお
2024年07月29日 01:25
わぁ英語版、リンク辿って1話目試し読みしてみました。
小生同じく母国語が日本語民なので、確かに元の雰囲気が英語に置き換えて相手に伝わんだかわっかんねぇな?ってなりました。
もちもち物質せんせー味付けを翻訳はかなり難物とおもいました、まる。
ともあれ海外向け版進出ご活躍めでたく日本語版購入にて応援続けてゆきます所存。
bidalika
2024年07月28日 06:05
えええ〜。タイトルからしてパイになっちゃうんですか…。
パイは餅じゃねええええええええええ!!!!!

でもおめでとうございます。世界がふんわかモフモフ餅ワールドを求めているのかもしれませんね。