新作情報
2015年12月31日 (木) 00:29
どうも翳の使者です。もうすぐ年が終わりですね。本当はこの告知も新作の投稿も早い予定でしたがいつもの如くサボったり納得いかなくて書き直したりで時間がかかりました。今回の新作はHAK関連でもあるのでかなり独りっ子さんと天音レオさんに迷惑をかけてるのでなんとかして最終期限は守ろうと思います(とか言いながらかなり執筆状況がまずくてかなり焦ってたり……)。
今回の新作は僕の作品「暗黒転生~元テロリストの天職は魔王だったそうです。」の主人公アスク・フェアカトルの転生前。テロリスト暗黒の裏話的なものです。「なんで今この物語を取り上げるんだよ」っていうツッコミが絶対入るので訳を説明すると、次のHAKでの作品の方で三人のキャラクターが登場するのですが、そのキャラを僕が個人的に大好きな暗黒にしようと思ったら2人以上使うということになったのでどうせなら暗黒にかかわりのある人物にしようと思い。暗黒に関わりのある新キャラ登場とついでに現実的に無理な暗黒の犯行をある程度裏付けするために暗黒の短編を書くことになりました。

物語の内容はテロリスト暗黒の誕生談と犯行経緯を「暗黒転生~元テロリストの天職は魔王だったそうです。」の暗黒と非常に関わりのある人物の語るというものです。書き方は参考にしている物がいつもと違うのでちょっと読みづらいかもしれません。今日中に頑張って上げるので過度な期待なんて絶対にせず待ってて下さい(そんな期待する人居ないか(笑))。ちなみに語り手は前回に引き続き女の子です。今回はわざとですが語りが男っぽい……では短編のあとがきでお会いしましょう。
追記:冬の童話祭2016の方にも参加するので童話は一月に出します。「壊れたシナリオ」と言う言葉をテーマに執筆中です。(これも12月中に上げたかったのに……」
ここから先はサンプル的に物語の最初の方が載せてあるのでネタバレ注意です。見たい方だけどうぞ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓






私は十六夜財閥の令嬢として生まれた。令嬢と言っても十六夜財閥はさほど大きい財閥じゃなかったし、私には兄と姉がいたから私の令嬢の肩書はただの肩書でしか無かった。中一までは姉も通っていたお嬢様学校にいた。でも、私はその生活が、ただただ規則正しく上辺だけの笑顔を張り続ける退屈な生活が嫌で嫌で仕方なかった。だから中ニに進学する時、私はお父様に無理を言って一般市民、所謂庶民の通う極普通の学校に転校した。家も普通の一軒家を見繕って貰った。きっとこれは肩書だけの令嬢だからこそできたことだと転校した頃の私は自分の肩書を誇り、それからの全く違う学校生活に胸を高まらせた。
最初のうちは良かった。
転校して3カ月くらいの間は兎に角楽しかった。今まで味わえなかった庶民の生活が新鮮で楽しくて仕方なかった。初めての給食、初めての体育祭、初めての友達、それら全てが私にとって味わったことのない最高の刺激だった。この頃の私はこれからは毎日が楽しいのだろうと、これがずっと続くのだろうと何の疑いもなく信じていた。
でも、時が経つに連れてその気持ちは消えて行った。人間とは罪深いことに何事に慣れるという特性がある。それは例え今まで体験したことがなかった刺激でも変わりはしない。非日常だった生活もずっと続けばすぐに慣れてしまうのだ。
だから五カ月もした頃には何も新鮮さや刺激を感じなくなり、一年もした頃にはもう飽きてしまっていた。飽きないために最大限の努力はしていた。庶民の生徒会と言うモノを知らなかったから新鮮さを求めて生徒会長に立候補し、当選した。刺激欲しさに学校行事はある度に全力で挑んだ。けれど、それも無駄だった。多少の変や達成感はあったかも知れない。でも、私が満求めている新鮮さや刺激には遠く及ばなかった。私はその時気づいてしまった。

ああ、あの非日常の日々はもう味わうことはできないんだ

もしかしたら私が本当に飽きてしまったのはそのことに気づいてしまってからかも知れない。まあ、何にせよ兎も角、私は転校してからたった一年の間に庶民の生活にすら飽きてしまったのだ。
中三になった頃の私の生活は本当に退屈だった。中三となれば友達は皆、思い思いの進学高へ向けて勉強を始める。でも、私は少し違った。私は元々肩書だけとはいえ、財閥の令嬢だ。庶民の高校に興味のなかった。だから、私は僅かでも刺激があればと親のコネで海外への留学が決めてた。誰かと遊ぼうにも友達はみんな「受験勉強があるから」と言って断られてしまう。きっと受験が心底不安なんだろう。他にも、もしかしたら、楽をしている私を妬むような気持ちもあったのかも知れない。
だから中三の初め、私は一人でただただ変わらない毎日をただただ退屈な日々を過ごしていた。私はこの退屈な日常が一生続くのかと絶望した。
しかし、人はそれでも変化を求める愚かな生物だ……

中三の梅雨明けのある日、私には初めて夢ができた。今まで何か憧れたことがなかった私が初めてあることに憧れたのだ。でも、その夢は狂っていた。その夢は私が絶望を通り越して生まれた夢。ある意味禁忌の夢と言っても過言ではない夢だった。しかし、絶対にそんなことできないと思いつつも私はその夢に憧れた。そしてそれから二週間後の夜。ついに退屈に耐え切れなくなった私は計画を立て始めた。この時だった十六夜 花月という女からある反逆者テロリストが生まれたのだ。

そして物語は初めて始まりを迎える。そう、これは狂った理想を抱いた少女から生まれた反逆者テロリストの物語。血塗られた二人の物語。
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