2012年12月31日 (月) 21:01
(舞台に明かりが灯ると、向かって左から順に瀬田、成実、直実、倉田、川畠、宝生、凶二、主宰が、着物の上から、全身を覆うようなエプロンを着けて立っている。
すると、『春の海』が流れ出すと共に、8人が目の前の硯に置かれた筆を取る。)
(しばらくして、全員書き上げた半紙を掲げると、「祝・2013年!」の文字が完成する。)
全員:「皆様、あけましておめでとうございます!!」
宝:「つーかさ・・・、主宰の書き初めは『!』だけってセコくないか?」
そう言わないでくれ・・・。
俺、昔から書道苦手なんだよ。
縦棒と点だけならなんとかなるかと思ってだな・・・。
・・・というより、「祝」の後の「・」を取りに行かなかっただけマシってことにしてくれないかな?
よし、書き初めも終わったことだし、みんなエプロンを取って改めて挨拶するか。
(主宰の言葉に従い、エプロンを外す一同。)
成:「じゃあ、書き初めの机を片付けますか。
魅月、そっち持って。」
(二人、机の両端を持つ。)
あっ、墨がハネないように気をつけ・・・。
ピシャッ。(しずくが成実の着物の袖に付く。)
成:「あーっ!
どうしましょう!?」
・・・安心しろ、こんなこともあろうかと、合成繊維のリーズナブルな着物にしといた。
成:「よかった・・・。」
直:「ったく、気をつけろよ。」
・・・ただ、クリーニング代は成実と直実の二人の給料から引かせてもらう。
直:「えっ!?
なんで俺まで・・・?」
倉:「かけがえのない妹が困ってるんでしょ?
助けてあげなよ!」
そういうこと。
少額だから、我慢してくれ。
直:「・・・仕方ねぇ、助けてやるか!!」
成:「ありがとう、お兄ちゃん!」
直:「まったく、こういう時だけは素直だよな・・・。」
(兄妹のやりとりの微笑ましさに笑う一同。)
川:「・・・それにしても、主宰さんと凶二さん以外は、なんか変わった柄の着物ですね。
私は、金地に薔薇とかが付いてます。」
直:「俺のは、黒地に銀色の『龍』が刺繍されてて、結構シンプルでカッコいい系なデザインだと思いましたけど・・・。」
瀬:「私のは、青地で、裾に付いてるのは・・・、てっきり花札だと思ってたら違うんですね。
これは・・・、あっ、主宰さん、この柄、もしかして・・・!?」
・・・さ、さぁ、何のことかな?
成:「ちょっと主宰さん、私の着物、ベースの色はなんか混ざってるし、付いてる柄は『電車』って、いくらなんでもぶっ飛び過ぎじゃないですか!?」
そ、それは・・・、「てんこ盛り」だよ・・・。
成:「・・・いや、意味が分からないんですけど。」
まぁ、柄はあくまでも柄だから、意味なんてあるわけないだろ・・・?
さて、我々稲妻劇団は、この2013年も皆様に楽しんでいただけるような作品を送り出していきたいと思います。
どうか、温かい目で見てやってくださいませ。
一同:「今年もよろしくお願いいたします!!」(一礼。)
着物の柄は・・・、フフフ・・・。(意味深な笑い。)
お互いのペースで(とはいえ、私はものすごい遅筆ですが)頑張りましょう!!