クローン技術と、倫理と、使おうか迷う設定
2018年03月09日 (金) 01:21
余所の活動報告でクローンに関する話題を読み、自身の倫理観が思いのほか人とずれているように思いました。

以前童話カテゴリで投稿した『おもちゃの理由』で、「臓器取り用のクローン」という背景のキャラを出したんですが、こういう設定ってキツいでしょうか?
映画『アイランド』もそういう話だったので、普通だと思ってサラッとやってしまいました。

「パピィミル」のように、命を弄ぶような話は割と身近にあると思うんですよ。不快に感じる人が多いから、目を向けられないだけで。

避けるどころか、そういう話を好んで読んできたためか、こういった事に関する普通の感覚がさっぱり分かりません。


ある好きな作家、過激な作品を描かれる先生なんですが、「あなたにとっての『普通』、『ちょうど良い』は、普通の人には刺激が強すぎる」みたいなことをファンに言ったそうです。

別の作家による短編『人獣細工』は、「動物を使って製作した臓器で体を置き換えられた人間は、人間と言えるか」みたいな話でした。『テセウスの船』(マンガではなくパラドックスの方)みたいな感じですね。

エッセイで扱った『適切な愛』の、子宮を使った生命維持。
昔読んだマンガでは、「生命維持に必要な部分を極力省いた、生物兵器の格納容器」なんて使い方もありました。

・・・刺激が強すぎる話題でしょうか?



この辺の感覚が分からないので、迷っている事が一つあります。

『ネイキッド・バニッシャー』、いくつかの設定と一つ短編のアイデアが浮かんだんですよ。

ヒロインに『男の娘』どうかと言われて、「改造の後遺症として『原作版貞子』みたいになった」と考える。

ややこしい事になりそうな上、活かすのは厳しそうなのでお蔵入り。

後遺症について、「どのくらいまであるか」に思考が向く

そうして出てきたアイデアは、アキラより重症のネイキッド・バニッシャー。精神が破壊された人々の体を、彼らの治療に携わる波動生命が動かして戦う、『ソロ』との違いがほぼ無いバニッシャー。

「ネイキッド・バニッシャーが戦線に加わる以前の事。
自分達も戦わせて欲しいと、手を上げる者たちがいた。

彼らの参戦が許可されなかった理由は、『人の意思を持たない戦力である』ということ。
心を壊された人々と、その治療にあたっていた波動生命の集団。手足が萎えないように、刺激が機能を回復させるために、彼らは日々意識の無い体を動かしてきた。

『チーム・バンシー』

チューンドと変わりない、非常時のみ戦闘を許される新たなネイキッド・バニッシャー。
彼らの能力を確認するため、アキラとオマワリは模擬戦を行う事に・・・」

装備のデザインは他のネイキッド・バニッシャーとほぼ共通。
塗装は白地に黒のモノトーン。
人の意識が無いので顔に目の意匠を持たず、代わりにあるのはいわゆる『涙ライン』。

目の無い顔に、内から溢れる涙の線だけがある。

石ノ森ヒーローって感じで良いと思うんですが、その一方でヘビー過ぎるかもしれない、とこれを使うか迷っています。
コメント全4件
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LE-389
2018年03月10日 00:53
>特撮仮面さま

ご意見、ありがとうございます。
やっぱり普通の感覚では忌避感が強いですか。

激辛カレーで済むか、口に入れられない劇物になるか。
さじ加減を誤って後者になるのが不安でした。

「ヘビーであるものの、世界観にマッチしている」

世界観に合っているなら、迷わず使ってみます。
ただ、チーム名に関してはちょっと考えます。
表記を『バンシィ』にするか、医療に関わりがある『ナイチンゲール』にするか。


>もりさま

自分の中の『面白い』という感覚が、よく分からなくなっていました。
良さそうだと言ってもらえるのは、とても助かります。この路線でやってみますね。

>なななんさま

作品を読んで頂けるとは思っていませんでした。
ありがとうございます。

『好きな作家』の作風が、
「ハードな背景、よくよく考えるととんでもない事になっているストーリー。それでも柔らかく暖かで、なんとなくしあわせ」
といった感じでして。

主観が「子供と接するロボの目線」であることや、そういった作風を意識して書いた事もあり、『おもちゃの理由』はああなりました

『ネイキッド・バニッシャー』はある程度尖らせたい作品なので、
「食べられる物のつもりで出したら、それが相手にとって毒だった」
みたいな事にならないかという不安を感じていました。

自信をつけて頂けたので、自分の感覚を信じて書いてみます。
なななん
2018年03月09日 09:30
おもちゃの理由を読ませて頂きました。
あれだけオブラートに包んでくださると、「臓器取り用のクローン」とはっきりと捉える事もなく読めるので、一般の方も受け入れられるのでは、と思います。

自分の倫理観が違うかもしれない、というのは今までに好きで触れてきた物によりけりなので、あまり気にしなくても良いと思います。というか変えられない。

好きな作家さんの言葉を見ると、非常に納得なのですが、L E-389さんの感覚も、私の感覚も、ちょっと一般とは違うと思います。
違う、という事を認識しておけばいいのではないでしょうか。

その作品を一般の人にも読んで頂きたい、と思うならば一般よりにすればいいですし、
好きに書きたい、と思うならば、倫理観うんぬんを考えず、LE-389さんの好きなように書けばいい、と思います。

ちなみに私自身、不思議だね、人と違うね、と言われますが、何故それが不思議か分からない。
私からするとごく普通だからです。

それを、一般の人が読めるように翻訳して伝えると、不思議だけど読んで下さったり、会話として通じるようなる気がします。

ご参考まで。
もり
2018年03月09日 08:12
お疲れ様です。

とても楽しそうな話だと思いながら読ませてもらいました。
刺激が強すぎるかどうかは、正直わからないです。

作者の「面白い」を作品に詰め込むのが一番、が、自分の薄っぺらい脳ミソが導き出した結論です。
開き直って好きに書くのも一つの方法かも知れないです。ポイントを期待できないところが、悩ましいですけどね……。
退会済
2018年03月09日 02:43
クローンを取り扱う作品は多々あれど、一般的に認知されている作品は、『クローンであるが、同一人物ではない』つまり、クローンの自我などを主軸にしています。
言い方を変えるならば、これは『クローンという個人が生きる』という『人』という存在そのものの話しになります。

しかし、それがクローンを用いた『養殖』『栽培』これは今注目されているクローニング技術による臓器移植などと同じことではありますが、『人』を作り、その『人』から『部品』を回収する。

人を物として扱う、というのとは少し違いますが、そういう表現は一般的な倫理観を持つ人なら忌避感を覚えるかと思います。

これと同じく、「生命維持に必要な部分を極力省いた、生物兵器の格納容器」というものも、どちらかと言えば狂気的な、というような描写であり、忌避感を煽るかなと。

この手の思想、描写に慣れていればまあ、そういう忌避感は覚えないでしょうけど、かなり刺激の強い話題だと思います。

チーム・バンジーもかなりヘビィですね。作風とマッチしていることを考えると出てきてもおかしくはない、とは思いますが……。