第19回書き出し祭り反省会
2023年10月07日 (土) 21:13
お久しぶり、LE-389です。
半年近く音信不通ではありましたが、創作は多少していました。投稿は全くですが、2つの企画に作品を出していました。



一つは、第3回の「さなコン」。
久しぶりの創作だったためか「その文字数で可能な展開」の計算ができず、無理矢理まとめて一次落ちに。



もう一つは「第19回書き出し祭り」。

第三会場で
3-19 悪役令嬢メーカー~初見プレイで特性「転生者」持ちの娘に挑戦~
という作品を出していました。
以下、長くなりますが今回の反省です。

まず執筆経緯。

グレッグ・イーガンという作家の「ビットプレイヤー」「ゼンデギ」という作品。連続して読んだこの2作が、どちらもVRゲームをネタにした作品だったので「VRゲームものがやりたい」と考えていました。

また、兄弟といっしょに見た「痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」が、「ゲーム実況のような面白さ」で受けたように思えたので、「クセの強いゲームを面白いプレイヤーがプレイしているのを見る」作品を書いてみたい、とも思っていました。

そんな二つの動機を受けてアイデアを出している中、「ウルトラ怪獣モンスターファーム」と「プリンセスメーカー2」の実況動画を見まして。
そこで「悪役令嬢をモンスター感覚で育ててみるのも面白いんじゃ」というアイデアを閃きました。

プレイするゲームは「悪役令嬢育成ゲーム」に決定。それなら架空の実況者はどんな感じにしようか、とまず考えました。

複数人で実況する方が好きなので二人組にしよう。

やる夫とやらない夫。
ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙。
結月ゆかりと弦巻マキ。
ボケとツッコミ。

この枠に当てはめて作ったのが、イズミとマヒロのコンビです。
グレッグ・イーガンという人の作品には「仮想世界で生きるのが普通になった世界」での話がいくつかあり、その世界での性別は「どちらかといえばこちら」くらいの適当なもの、として書かれていました。
なので二人の命名は「男でも女でもあり得そう」という基準でつけています。

ゲームと実況者がそろったら、次はどんなプレイをするか。
ネタプレイというか、見ていて面白いゲームプレイにしたかったので、生成されるご令嬢もネタキャラみたいなステータスに。
本当にこの子が悪役令嬢やれるのか、と思う要素を突っ込んでいった結果、二人が生成した悪役令嬢には「人類最強クラスの筋力」「平均以下の知力」「野生児」「転生者」という要素を付与することに。

兄弟に「こんな話をやるつもり」と話してみた結果、笑いつつ突っ込まれたので「これならいける」と判断しました。

次に決めたのは、どの場面から書くか。

ゲームの実況動画は、プレイ本編が始まる前に「ゲームの紹介やプレイ方針の説明」を入れることが多いというイメージでした。今回の作品でも、プレイヤーとゲームを読者に推したいという思いから、こういった冒頭に。

本当は、もっとインパクトの強い場面を、できれば悪役令嬢本人の出る場面を持ってきたかった。ですがそうならなかったのは「わたし自身『時系列を入れ替えてまで冒頭に持ってくるべきシーン』が分からなかった」からです。

VRゲームジャンルのランキング上位を確認してみると「ゲーム的に楽しい、盛り上がる場面を最初に持ってくる」傾向があったので、そういう場面を持ってこよう、と思ってはいました。

そこで疑問に思ったのは「育成ゲームは、どんなシーンで盛り上がるか」。

エンディング→ゲームが終わってる!
大会に優勝→悪役令嬢はモンスターじゃない!
お約束の婚約破棄→時系列をさかのぼり過ぎ!

あらすじが無しだったのも、「ネタキャラ悪役令嬢と両親のコメディ」と方針自体は決まっていたものの、書き手自身があらすじとして作品の方向性をまとめきれなかったから、です。

主催の肥前文俊さまによる『小説における冒頭、書き出しの7つのポイントとは?

今更ながらこれを考慮すると、悪役令嬢を冒頭に出して話を引っ張る方が良かったと反省しています。

今は構想している第二話の展開で
「イズミのアバターに、じゃれるつもりで砲弾のような速度を出して突っ込んでくる悪役令嬢」
なんて場面があります。これを冒頭に持ってきた方が確実にインパクトが高かった。

そもそもの参加動機は

「面白そうで人にも受けそうなアイデアを、どう調理して良いか分からないので意見を聞きたい」

からだったので、参加目的は果たせたと思います。
特に「アイデアの面白さ」を良いと言ってもらえたのは、ありがたかった。「面白さを共有できている」という確信が、話を進める自信につながるからです。


今後

・育てる悪役令嬢は「パワー系お嬢様」である「魔導物語」のルルー、「鬼滅の刃」の甘露寺蜜璃あたりをモデルにキャラ付けを考えています。
「バカ」「野生児」「悪役」成分を添加しつつ脳内で話をしてみて、キャラを固めています。今のところこんな行動をするイメージ。

  -野に放ってもおサルやクマ相手に高笑いしてる
  -「壁を垂直に駆け上がれる」ので、ゲーム開始時には壁を障害物と認識していなかった。お屋敷の敷地外に勝手に出てよく迷子になる。
  -転生前の記憶がかなりあやふやで、「悪い子でいると大変なことになる」くらいの認識。

キャラ造詣の元ネタに「The Outer Worlds」というゲームがある。
このゲームは、主人公の知性を平均以下に設定すると「オトボケ」というバカ選択肢が選べるようになるシステムがある。例えば殺人事件の捜査を任されたら、

「わかったぞ! この事件の犯人は、私だ!」

とか言える。仲間のキャラ全員から総ツッコミが入って、腹筋が痛くなるほど笑った。

本文では紹介できなかった、今のところ考えているゲームシステムは以下の通りです。

・「育成フェーズ」と「物語フェーズ」
「SPORE」みたいな感じでフェーズ毎にやることが変わる。物語開始前に準備をする「育成フェーズ」と、学園生活を始めて主人公と出会う「物語フェーズ」。
「育成フェーズ」では、習い事やおでかけ、コミュニケーションを通じて悪役令嬢を育てていく。
領地経営シム要素もあり。育成フェーズで悪役令嬢の能力と合わせて「実家の権力、財力」も向上させられる。

「物語フェーズ」では、悪役令嬢の行動へ直接の干渉はできない。令嬢との信頼関係、蓄えた実家の力、そしてプレイヤーの行動によって物語を任意の方向に誘導する。
フェーズで章分けをしようかと。

・「ゲームキャラの能力で異世界無双」をVRゲーで再現
ゲームエンジンが同じ作品であれば、別ゲームのキャラデータをコンバートすることで「やりこんだゲームの強キャラになって異世界無双」という展開を再現可能。

本編の二人は「西部劇×スチームパンク」なオープンワールドゲームからキャラをコンバートしている。
マヒロはそのゲームで爽快なバトルを楽しみたかったので戦闘特化ビルド。イズミはそのフォローをするためにマヒロのビルドでカバーできない戦闘のサポート、アイテム調達といった部分をカバーするビルドをしている。

またその際にキャラクターの背景も決めていて、

マヒロは「お家再興のために戦場を渡り歩く元ご令嬢の傭兵」
イズミは「ご令嬢の元従者かつ幼馴染の資産家(お嬢様が放っておけないからついてきている)」

としてロールプレイをしていた。「悪役令嬢メーカー」が背景も込みでキャラデータを読み込んだため、このゲームでもロールプレイを継承することに。

「悪役令嬢の両親が不幸な事故で亡くなったため、別大陸で活動していた二人に『養父母になって欲しい』と声がかかった。資産はあれど権威や名声が足りない二人はこの話に乗ることを決めた」


自作以外にも、100作多様な作品を読んで全作(非公開除く)に感想をつけてみたのですが、これもまた勉強になりました。
たくさん読む読者の立場を疑似的に味わえるからです。

自分の得たものに釣り合うだけのものを、他の参加者にもお返しできたかな、と。
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